  | 
      鳴島 
       
      「にゃはははははは!!」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「……………………」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「ぷぷぷぷぷぷぷ!!」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「ええい!! 
       
      いつまで笑っておるのかね!」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「いやいや、これは失礼。 
       
      でも、マスター? 
       
      良かったですねぇ♪」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「どこが、何がだね!?」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「生徒たちにも 
       
      そして先生にもきっちり、 
       
      『エロティック教師』 
       
      として正しく認識されてるじゃないですかぁ」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「どこが良い事かね!! 
       
      全然事実と違うではないか!」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「ふぇぇ? 
       
      どこがですかぁ?」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「どこがって……おい! 
       
      そもそもだなあ、 
       
      私のどこがエロだと言うのだ!!」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「どこがと急に言われましてもぉ……」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「ほら見ろ! 
       
      私がエロだ……という出来事は 
       
      全然浮かんでこないではないか!」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「う〜ん…………」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「そもそもだ、 
       
      数学のI先生が三段論法なんて使って、 
       
      『前の世界史の先生はエロ』 
       
      『世界史の先生はエロ』 
       
      『だから光一先生はエロ』 
       
      という、無茶苦茶な論法を使って……」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「う〜ん…………」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「それを教えられた生徒たちが、 
       
      『光一先生=エロだ!』 
       
      と思い込んだだけではないか! 
       
      私がエロだという証拠は 
       
      どこにもないではないか!」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「う〜ん…………」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「ほら、君だってまだ浮かんでこないだろ? 
       
      私=エロの証拠」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「いやぁ…………というかぁ」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「ん?」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「一杯証拠があり過ぎるんですがぁ、 
       
      どれを提示すれば良いですかぁ?」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「は!?」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「ですからぁ、 
       
      マスター=エロである証拠。 
       
      あり過ぎて困ってるんですがぁ?」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「どこに!! 
       
      私が!! 
       
      エロだ!! 
       
      なんて証拠があるんだー!!」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「毎日の言動の全てがですけどぉ……」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「毎日!? 
       
      全ての言動!? 
       
      そこまでエロいはずが、あるか!!」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「だってぇ、 
       
      彼女さんにですら、毎日のように 
       
      『おっぱい触りてー』 
       
      とか色々言ってるじゃないですかぁ」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「いや、それは何ていうか…… 
       
      男としては止むを得ない欲求? 
       
      というものではないかね?」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「そりゃぁ……成人男性ですしぃ、 
       
      性欲ぐらいは普通にあるでしょうけどぉ」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「だろ? 
       
      普通の男一般に見られる傾向だ。 
       
      別に私的特殊事情ではない。 
       
      私がエロという証拠ではないだろ?」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「そうですかねぇ?」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「そうなの!! 
       
      考えてもみたまえ。 
       
      人間は根本的にはエロではないか。 
       
      でなければ、子孫だって生まれん!」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「まぁ、そうですけどぉ……」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「だとしたら、 
       
      そんな普遍的なエロを取り上げて、 
       
      私をエロティック教員扱いするのは、 
       
      何か間違っているのではないか?」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「う〜ん………… 
       
      何か屁理屈を聞いているようなぁ……」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「何が屁理屈なものかね!」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「ではですよぉ、 
       
      生徒さんから言われた 
       
      『文化史のエロ話の際に 
       
      マスターがイキイキしていた』 
       
      という証言はぁ?」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「そもそも作品解説自体が 
       
      エロ作品なんだから 
       
      エロ話なのは仕方ない」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「でも、イキイキと話していたって……」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「そりゃあ、そんな話をさ 
       
      シリアスに重苦しく言うのは、 
       
      却って不自然ではないかね? 
       
      ましてや、この作品は『喜劇』なんだぞ?」 
      (※『女の平和』はアリストファネスの喜劇) | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「マスター、でもですよぉ…… 
       
      一言良いですかぁ?」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「なんだね?」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「だからって、 
       
      『貞操帯の細かい説明』まで、 
       
      授業中にすることなかったのではぁ?」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「…………………… 
       
      そ、それはみんな知らないと思ったから。 
       
      貞操帯知らないと、困るだろ?」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「一体、何に困るんですかぁ? 
       
      別に、 
       
      『セックスストライキの話だ』 
       
      で充分じゃないですかぁ?」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「…………えっと…………」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「ほらぁ、化けの皮がはがれましたぁ。 
       
      やっぱり単に 
       
      エロ話したいだけじゃないですかぁ」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「いや、その……違……」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「まったく、このエロオヤジ……」 |