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鳴島
「でさ〜」 |
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清香
「まあ、しょうがないんじゃない」 |
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光一
「おはよう」 |
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鳴島
「おはようございますぅ」 |
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清香
「おはようございます」 |
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光一
「ところで、私が来る前に、
2人で何の話をしていたのかね?」 |
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鳴島
「なな、なんでもないですよぉ!!」 |
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光一
「綾香君の態度を見るに、
何でもなくはないように思える」 |
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鳴島
「気にしない気にしない」 |
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光一
「まず間違いなく、私に関する話題だったろ?」 |
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鳴島
「そそ、そんな事もないですよぉ」 |
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光一
「……………………」 |
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清香
「気にしなければ、気のせいですよ」 |
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光一
「ほら、絶対私の話をしてたー!」 |
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鳴島
「えー、大した話題じゃないですよぉ」 |
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光一
「それだって本人のあずかり知らぬところで言われたら、
非常に気になるだろ、普通?」 |
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鳴島
「いや、マスターが」 |
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光一
「私が?」 |
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鳴島
「どうして三十路をとうに超えているのに、
未だに変態なんだろうと話をしていただけで」 |
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清香
「他意はありませんよ」 |
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光一
「いや、十分に悪意のある会話だろ?」 |
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鳴島
「現状のマスターを肯定しただけなのに?」 |
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光一
「うわっ、すっごい傷ついた!!」 |
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清香
「だから聞かない方が良かったんですよ」 |
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鳴島
「そうそう、世の中聞かないで良い事もあるんです」 |
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光一
「今、私にその手の話をした直後に、
そう言うかね、君達!?」 |
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鳴島
「だから黙ってたのにー」 |
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光一
「ホント、自分の知らないところで、
自分の話をされているのって、
本当に怖い、怖い怖い!」 |
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清香
「まあ、そうですね」 |
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鳴島
「私もそう思います」 |
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光一
「君達、それを直前までやってたんだよ」 |
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鳴島
「まあまあ」 |
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光一
「以前は大学時代の後輩に、
その手の事をされたこともあるし」 |
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鳴島
「何をされたんですかぁ?」 |
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光一
「その後輩は、ボーイズ・ラブ関連商品を、
世の中に送り出す仕事をしているんだ。
…………まあ、男なんだけどね、そいつ自身が」 |
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清香
「それはまた……なんともな職場ですね」 |
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光一
「当然職場の人間はほとんど女性。
しかも、男同士の恋愛が大好きな、
腐女子に囲まれた職場らしいんだ」 |
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鳴島
「うわぁ…………」 |
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光一
「そんな職場の人間とコミュニケーションをとるため、
彼は……大学時代の知り合いを、
次々にカップリング化して、
彼女達のオカズとして提供していたんだって」 |
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清香
「それは怖いですね……された側が」 |
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光一
「私もその…………私の知らないところで、
腐女子達のオカズとして、
話題提供されていたらしい」 |
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鳴島
「うわ、怖い!?」 |
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光一
「ほら、知らないところで話題にされるのって、
非常に怖いだろ?」 |
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清香
「その後輩さんの話題提供先と、
話題の出し方自体は、
世間一般に見られない特殊例だと思いますが」 |
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光一
「まあ、そうだけど…………
ホント……人って自分のいないところで、
どう言われているのか、想像すると怖いよね。
それだけで病気になれるからね」 |
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鳴島
「確かに〜…………」 |