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光一
「うーん…………」 |
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鳴島
「マスター?」 |
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光一
「うーむ…………」 |
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鳴島
「マスターってばぁ」 |
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光一
「うーん…………」 |
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鳴島
「おーい」 |
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清香
「どうしたの?」 |
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鳴島
「さあ?
さっきから何か考え込んでるみたい」 |
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光一
「うーむ…………」 |
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鳴島
「マスター、おーい?」 |
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光一
「お、おお、何だ。君たちか」 |
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鳴島
「『何だ。君たちか』じゃないでしょうよぉ。
さっきから声かけてるのにぃ」 |
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清香
「何をそんなに考え込んでたんですか?」 |
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光一
「いやー、まだ現段階で口にして良いものか」 |
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清香
「?????」 |
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鳴島
「何ですかぁ?
言えないような事、考えてたんですかぁ?」 |
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光一
「現段階ではまだうまい言い方が思い付かん。
この状態で言っては、
確実に私が君たちから非難されるだろう」 |
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鳴島
「はあ?」 |
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清香
「何の事ですか?」 |
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光一
「いやいや、随分前の事なんだがね……
飲み会でとある話があってだねえ」 |
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鳴島
「はあ?」 |
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光一
「その話を聞いていて思ったのだが、
こういう話を女性に対して…………
オブラートに包んでうまく言う方法はないかと」 |
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鳴島
「何を話す事を思案してるんですかぁ?」 |
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光一
「言ったら非難しないかね?」 |
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鳴島
「内容しだいですけどねぇ」 |
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光一
「取引先で同じく仕事をしている人が、
『精液くれない?』って言われたんだって」 |
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鳴島
「…………は?」 |
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光一
「それで言われた側も応じて、
『じゃあオ●ニーします』と応えたんだと」 |
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鳴島
「………………………」 |
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光一
「うーん、男性同士の会話だからセクハラではないか。
しかし、こういう話をした場所に女性がいたりとか、
あるいは…………
女性に『精液くれない?』的な事を言ったら……」 |
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鳴島
「完全アウトでしょうよぉ!!」 |
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光一
「で、私はふと思ったんだ…………
うまくオブラートに包んで、
女性に『セクハラ』と言われない方法はあるかと」 |
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鳴島
「…………はあ?」 |
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光一
「例えば今私が考えている事がある」 |
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鳴島
「なんですかぁ?」 |
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光一
「私は巨乳が好きなわけでだね、
綾香君の巨乳を吸わせてほしい!
という事を…………
セクハラにならないよう言う方法は無いかと、
それをずっと考えていた」 |
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鳴島
「弁明しようの無い程、
完全なセクハラですよぉ!!」 |
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清香
「110番…………警察が必要かと」 |
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光一
「ほら、言ったら私を非難するじゃないか!
だから言わないでいたのに…………
君が言わせたんじゃないかね」 |
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鳴島
「内容次第って言いましたよね、私」 |
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清香
「そのような発言のどこにどう…………
オブラートに包んでもセクハラですよ」 |
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鳴島
「そうですよ。そんな発言自体、
というか行為を考えるの自体、
どう言い換えてもセクハラですよぉ!」 |
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光一
「だから言わないでいたんだろ。
私だっていわれのないセクハラ呼ばわりは
されるつもりなかったって」 |
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清香
「考えていた時点で、
十分にセクハラと言いますか」 |
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鳴島
「アナタ、私を脳内で裸にしていじってんですかぁ?
もう、マスターの言動だけではなく、
脳内も検閲の対象にすべきですかねぇ?」 |
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光一
「そこまでされる事をしたかね、私!?」 |
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鳴島
「これだから、セクハラをする人は…………
もっと自覚を持って下さいよぉ」 |