|
光一
「うーん…………なんでだろうね?」 |
|
鳴島
「何がどうしたんですかぁ?」 |
|
光一
「水着ってあるじゃない」 |
|
鳴島
「はぁ、ありますねぇ」 |
|
光一
「水着も物によるけどさ、
露出度の高いものもあるよね?」 |
|
鳴島
「ありますねぇ」 |
|
光一
「ビキニみたいに、
上と下の分離された水着なんかあるじゃない」 |
|
鳴島
「まあ、そうですねぇ」 |
|
光一
「水着で覆っている部分以外はさ、
肌が露出してるよね?」 |
|
鳴島
「まあ、水着ですからねぇ」 |
|
光一
「要するにさ、
水着って下着と同じと思わん?」 |
|
鳴島
「…………はぁ?」 |
|
光一
「いや、『はぁ?』じゃなくてさ」 |
|
鳴島
「いや、水着は海やプールに入る時のものですし、
下着とは全然違いますよ」 |
|
光一
「だって、よくよく考えてごらんよ。
服を脱いで下着だけになったらさ、
下着で覆っている部分以外は完全に、
肌が露出した状態だよね?」 |
|
鳴島
「まあ、そうなりますけどね」 |
|
光一
「だったら、どちらも肌の露出具合は同じ……
いや、水着によってはさ、
普通の下着よりも肌の露出が激しいし、
すっごい誘惑的なものもあるよね?」 |
|
鳴島
「あの、マスター…………
何を言いたいんですかぁ?」 |
|
光一
「会社の先輩にかつて言った事があるんだ」 |
|
鳴島
「何をですかぁ?」 |
|
光一
「水着の女性に、
『下着姿になれ!!』
って言っても、問題ないよねって」 |
|
鳴島
「何言ってるんですかぁ!?
問題大アリですよぉ!!」 |
|
光一
「なんで?
だって、水着の女性なんて…………
自分の肌どころか、オッパイやら何やらを、
平然と太陽の下で晒してるよね?」 |
|
鳴島
「あれは、ああいうものなんですぅ」 |
|
光一
「だったらそういう女性に対して、
『私の前で下着姿になれ!』
って言ったって抵抗される方がおかしいよね?」 |
|
鳴島
「ちょっと、清香〜」 |
|
清香
「なに?」 |
|
鳴島
「マスターが、さっきから
『水着と下着って同じ』
『水着で肌を晒せる女性がいる』
『彼女達に下着姿になれ!』
『そう言って抵抗されたらおかしい』
って言うんだけど、どうしたらいい?」 |
|
光一
「どうしたらいいって…………」 |
|
清香
「そこらへんで女性に対して、
『下着姿になれ!』
って言う人は、すぐに警察に連行されますよ」 |
|
光一
「だから、それがおかしいんだって!
だって、自分のほとんど裸の状態をさ、
海で晒してるわけじゃん」 |
|
清香
「泳ぎますからね。濡れますし」 |
|
光一
「そんな格好を人前で平気で出来るんだから、
下着姿になるように言ったって、
抵抗感ないと思うんだ」 |
|
清香
「水着と下着は違いますから」 |
|
光一
「あれ?
何故ここでも否定される?」 |
|
清香
「じゃあ、マスター。
マスターが私達に、ここで今、
下着姿になれ……って言われたらどうです?」 |
|
光一
「え? ヤだよ、そんなの」 |
|
清香
「……………………」 |
|
光一
「……………………」 |
|
清香
「マスター」 |
|
光一
「なんだね?」 |
|
清香
「単に女性の下着姿とか、
というよりも、裸が見たいだけで、
別に水着でもなんでもいいんですよね?」 |
|
光一
「……………………」 |
|
清香
「……………………」 |
|
光一
「うん。
別に男のなんて見たくもないし」 |
|
清香
「はい、お姉ちゃん。
本音が聞けたよ」 |
|
鳴島
「やっぱりただの変態じゃないですかぁ!」 |
|
光一
「違う!!
私は男性としての欲求に忠実なだけだ!」 |
|
鳴島
「開き直らないでくださいよぉ!」 |