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光一
「おはよう」 |
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鳴島
「おはようございますぅー♪」 |
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光一
「清香君も朝一からバイトに来なくなったねえ」 |
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鳴島
「そりゃあ、向こうは現役の高校生ですからねぇ」 |
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光一
「あー、高校生というか……学生はいいなあ」 |
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鳴島
「なんですかぁ、また急に」 |
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光一
「仕事でストレスためなくて済むし、
将来の不安もまだそんなに強くないし、
色んな意味の責任も軽いし…………」 |
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鳴島
「それは確かにぃ…………」 |
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光一
「何よりも、時間が豊富にあるのが羨ましい。
後は、将来への希望があるよねえ…………
夢があるよねえ…………」 |
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鳴島
「まぁ、それを言ってしまえばぁ、
マスターだって学生時代あったじゃないですかぁ♪」 |
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光一
「このカフェを開いた頃は、
まだ大学生だったんだよねえ。
あー、あの頃楽しかったなあ」 |
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鳴島
「今ほどお金はありませんでしたけどねぇ」 |
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光一
「確かに今の方がお金はあるが、
将来を考えると不安で仕方がないぞ」 |
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鳴島
「私も薄給で将来不安なのでぇ、
時給を上げてくれると嬉しいですねぇ♪」 |
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光一
「ムリ!」 |
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鳴島
「何で即答なんですかぁ!?」 |
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光一
「まあ、そんな事はさておきだ」 |
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鳴島
「そんな事ぉ!?」 |
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光一
「仕事を始めるとアレだよねえ……
仕事では仕事用の顔を作るじゃない。
プライベートとはまた違った」 |
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鳴島
「そうですねぇ♪」 |
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光一
「君はそういうのなさそうだけど……」 |
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鳴島
「どういう意味ですかぁ!?」 |
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光一
「学生時代だったら、
自分と趣味の合う仲間とつるめたから、
自分の趣味とか好みも平気で出せたし、
ポニテとか巨乳について熱論もできたじゃない!」 |
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鳴島
「マスターの性向はともかくとしてぇ、
確かにそうでしたねぇ♪」 |
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光一
「それが仕事ともなれば、
人は選べないしさ、
自分の趣味とか色々隠すじゃない」 |
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鳴島
「あー、あるあるぅ」 |
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光一
「ゲーム好きだとか、アニメ好きだとか、
マンガ好きだとかさ…………
ヲタ系の趣味って全然出せないじゃない!!」 |
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鳴島
「確かにそういう趣味は出しにくいかもですねぇ」 |
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光一
「しょうがないから、部屋にいるとき、
『巨乳の姉ちゃんとニャンニャンしたい〜』とか……
そういう心の叫びを嫁に言って解消しています」 |
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鳴島
「……………………」 |
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光一
「何かね?」 |
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鳴島
「いえ……別にぃ……」 |
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光一
「だから特にこのサイトを運営しているなんて
トップシークレット中のトップシークレットなのだ」 |
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鳴島
「まあ、こんなサイトが仕事先でバレたらぁ
一気に信用を失いそうですよねぇ♪」 |
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光一
「だろ!!
ところが先日……恐ろしい事が起きた」 |
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鳴島
「うえっ!?」 |
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光一
「恐ろしいだろ…………」 |
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鳴島
「取引先の人がブックマーク入れて見ているサイト……
当カフェの相互リンク先なんですかぁ!?」 |
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光一
「だから、リンク先から私のサイトを見た可能性も……
しかも定期的に見ているというから恐ろしい……」 |
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鳴島
「取引先にバレたら…………」 |
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光一
「考えたくもないね!!
そういや、清香君ってそういう隠し事ってないのかね?」 |
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鳴島
「どうでしょうねぇ。あの娘……
よく分からないところも多いからぁ……」 |
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光一
「綾香君は隠し事していると
すぐに表情に出るから分かりやすいんだけどね」 |
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鳴島
「にゃっ!!」 |
7時間後
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清香
「お疲れ様でーす」 |
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光一
「お疲れ様。
ところで清香君」 |
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清香
「なんですか?」 |
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光一
「実は今朝がた綾香君と、
かくかくしかじかな話をしたんだけど。
清香君もそういう隠し事ってある?」 |
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清香
「それはいくらかはありますよ」 |
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鳴島
「例えばぁ?」 |
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清香
「この前、お姉ちゃんの部屋に行ったときさー
CD5〜6枚くらい割っちゃったんだけど、
中身空っぽのCD−Rにすり替えておいたんだ。
気が付かなかった?」 |
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鳴島
「どのCD割ったのぉ!?
ちょっと、何で言ってくれないのよぉ!!
空っぽのCD−Rにすり替えたって……」 |
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光一
「なるほどー、姉妹ならではの隠し事だねえ」 |
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鳴島
「なに変なところで感心しているんですかぁ!?」 |