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鳴島
「マスター、
おはようございますぅ♪」 |
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光一
「はい、おはよう。
今日も頑張って仕事してください」 |
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鳴島
「はーい」 |
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光一
「さーて…………
私は外の看板の掃除でもしてこよう」 |
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鳴島
「そういえば、マスター。
ちょっとよいですかぁ?」 |
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光一
「ん? なんだね?」 |
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鳴島
「いえ……その看板について、
以前にお客様から言われたんですけどぉ」 |
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光一
「うん?」 |
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鳴島
「ウチのカフェの名前って
『失変カフェ』じゃないですかぁ?」 |
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光一
「そうだねえ…………
2004年からそうかな……」 |
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鳴島
「2003年のときは…………
『Das Kaffeehaus im Wald』でしたっけ?」 |
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光一
「そうだね。昔はドイツ語だった」 |
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鳴島
「で、ウチの今の看板なんですけどぉ……」 |
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光一
「うん?」 |
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鳴島
「未だに『失恋カフェ』って呼ぶ方多いですよぉ」 |
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光一
「あー…………そうだねえ。
たまにリンクしてくださる方にも、
『失恋カフェ』と勘違いする方いるわ……」 |
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鳴島
「なんか、紛らわしいんですかねぇ?」 |
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光一
「まあ、『失変』なんて言葉普通ないし。
『失恋』の方が一般的だからねえ。
そもそも、名前自体それを狙っているけど」 |
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鳴島
「マスターが彼女さんにフラれたら、
『失恋カフェ』って改めて、
お客様のニーズに合わせてみては?」 |
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光一
「なんでそこに、
私がフラれるという条件を持ってくる!
イヤだよ、そんなの!!」 |
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鳴島
「だって……
未だに『失恋カフェ』での検索も多いし、
ならば、お客様の意識にあわせたほうが……」 |
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光一
「いやだよ、そんなの!!」 |
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鳴島
「しかし…………
『しつへん』とするか『しつれん』とするか……
ひらがなでも1文字違いに過ぎないですし……
『失変』、『失恋』でも漢字1文字しか違わない」 |
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光一
「まあ、たった一文字で全然違くなるのは、
今日の私の日記と同じなのだが……」 |
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鳴島
「パチンコって文字…………
1文字抜けると……『チ●コ』
急にヒワイになりますしねぇ」 |
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光一
「しかも、
これがアルファベットの場合さらに……」 |
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鳴島
「『P CHINKO』……!?
放送禁止用語をかき消す『ピー!』音と
『チ●コ』が組み合わさってる…………
アルファベットのAが抜けただけで……」 |
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光一
「日記書きながら思ったけど……
昼間にパチンコの文字の話題を出して……
その夜にまさにそのネタに出くわすとは……」 |
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鳴島
「このカフェの『失変』の見間違いも……
ほら古典的な…………」 |
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光一
「ラブレターで
『私はあなたに恋している』を
『私はあなたに変している』
って書く間違いと似ているねえ……」 |
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鳴島
「この2つ…………
一見文字が似ていますからねえ……」 |
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光一
「まあ、そのおかげで
私のサイト名を間違える方は
未だに後を絶たないんだけどねえ……」 |
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鳴島
「……マスターがサイト名を
『失恋カフェ』にいきなり改名したら、
絶対にお客様から言われますよねえ」 |
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光一
「なにをさ…………」 |
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鳴島
「『光一、とうとうフラれる』
『おめでとうございます!』
『これで安心して失恋カフェですね』
…………とか?」 |
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光一
「その『とうとう』って…………
何? 私が将来的にフラれるような言い方!」 |
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鳴島
「マスターもテキストサイト管理人のはしくれ。
ネタのために、身体をはりましょう!」 |
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光一
「絶対イヤだよ!!
何で結婚考えている相手と、
サイトのたった1回のネタのために
別れなきゃならないの!!」 |
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鳴島
「でも、そうすればきっと……
ネット上で『英雄』として扱ってもらえますよぉ」 |
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光一
「私はリアル世界の方での幸せを優先するよ」 |
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鳴島
「やれやれですねぇ…………
マスターには失望です」 |
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光一
「なんでやねん!!」 |