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光一
「おはよう綾香君。
あー…………」 |
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鳴島
「おはようございます。
……どうかしましたかぁ?」 |
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光一
「いや、実は肩が凝って凝って……」 |
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鳴島
「あらあらまあまあ…………」 |
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光一
「昔から肩凝りやすい上に、
頭痛持ちだからツラくてさあ」 |
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鳴島
「そういう時は、ストレッチとかで
少し身体をほぐされた方がよいですよぉ」 |
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光一
「まあ、そうなんだけどね。
やってはいるんだよ……
お風呂も肩までゆっくりつかるし……」 |
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鳴島
「あとは多分…………
決定的に運動不足かと」 |
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光一
「それを言われると痛いねえ……」 |
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鳴島
「ある程度運動しないとダメですよぉ」 |
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光一
「わかってるんだけどさあ……
いっつも帰り遅いし…………
帰宅した頃はさ、
3時間近い運転してきてるから……
どうも疲れて動く気が起きない……
それに帰宅したらすぐ寝る時間」 |
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鳴島
「それ、運転しすぎですよぉ!!」 |
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光一
「そう言われたって、今の職場は遠いし…………
非常勤の給料が不安定すぎて、
1人暮らしするには足りないから
仕方が無いんだがなあ…………」 |
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鳴島
「うーん…………」 |
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光一
「あとは、車内でアンメルツヨコヨコ使って
気を紛らわせている」 |
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鳴島
「あー…………」 |
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光一
「なに?
何か言いたそうだけど?」 |
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鳴島
「アンメルツヨコヨコを股間に塗って
気を紛らわせてるんですよねぇ?」 |
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光一
「そんなことしたらただの変態!!
K先生の勝手な決め付けだろ!
私は肩に塗っているよ!!」 |
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鳴島
「冗談冗談。
さすがに分かってますよぉ♪」 |
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光一
「第一、そんなことをしてみろ?
大変なことが起きるぞ?」 |
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鳴島
「股間がヒリヒリして、
運転に集中できないとかですかぁ?」 |
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光一
「まあ、それはあるけどね。
それ以外にもさ…………」 |
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鳴島
「以外にもぉ?」 |
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光一
「股間に塗ったらさ、
私のアソコがさ
使い物にならなくなるんじゃない?」 |
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鳴島
「……………………」 |
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光一
「そんなことになったら、
彼女に会う度、夜の営みに支障が……
さすがにそんなので不能者には……」 |
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鳴島
「マスター!!
セクハラ!!!!」 |
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光一
「セクハラ言われても困る!
君が聞いてきたんじゃないか!」 |
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鳴島
「だからって、そういう話題は
直接出さないで下さいよぉ……
私だって純情可憐な乙女なんですから、
ショックですよぉ?」 |
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光一
「君が純情可憐だったら、
間違いなくこの世の女性全てが
女神様になるのだが…………」 |
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鳴島
「……………………」 |
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光一
「何でもございません」 |
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鳴島
「鳴島綾香はぁ?」 |
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光一
「……純情可憐な乙女です」 |
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鳴島
「鳴島綾香はぁ?」 |
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光一
「ルックスもスタイルもバツグンな
この世で一番の美女です」 |
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鳴島
「ちゃんと分かってますねぇ♪」 |
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光一
「…………そうですね」 |
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鳴島
「まあ、何にせよ薬は
用法容量をきっちり守らないとですねぇ」 |
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光一
「まあ、そんなことを言わなくても、
アンメルツを股間に塗る人は
常識的にいないと思うがなあ……」 |
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鳴島
「アメリカあたりだったら、裁判になりそう」 |
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光一
「『アンメルツを股間に塗った場合の
健康被害について明記がなかった』
とか出てきそうだなあ……裁判大国だし」 |
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鳴島
「ネコを電子レンジに入れて加熱して、
裁判を起こすくらいですからねぇ……」 |
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光一
「明記がなくても、
決められたこと以外に使うな……
……ってことだねえ」 |