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鳴島
「マスターマスター」 |
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光一
「何かね?」 |
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鳴島
「前回といい……今回もどうかと思うんですけどぉ?」 |
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光一
「何の事かね?」 |
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鳴島
「前回は…………奥さんに
何かとんでもないものを飲ませようとしましたよねぇ?」 |
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光一
「私の小便を飲んでほしいと懇願したのに、
何故か拒絶されたよね?」 |
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鳴島
「当たり前ですぅ!!」 |
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光一
「いや、前後の文脈を無視して、
『嫁に私の黄金水を飲ませる』を持ってくるから
おかしな風に見えるんだろ?
ちゃんと前後の文脈を見たまえ」 |
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鳴島
「いや…………前後の文脈を見たって……」 |
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光一
「1.高速道路で信じがたい渋滞にはまった。
2.休憩場所まで遠いのに、トイレに行きたくなった。
3.もう漏れる。車内で漏らしてしまう。
4.だから嫁に飲んでもらう。
ほら、こうすると変な流れではないだろ?」 |
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鳴島
「十分にアブノーマルですよぉ」 |
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光一
「というか、君は私を変態扱いしようとしてないかね?」 |
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鳴島
「いや……そこは自覚を持ちましょうよぉ」 |
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光一
「『前回に続き今回も』って……
今回何か変な事書いたかね、私?」 |
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鳴島
「まあ、変な話ではないですけどねぇ。一般論かも」 |
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光一
「だろ……今をさかのぼる事17年前……
まだ男子中学生だった時の話を日記に書いたが、
いやー、やっぱり中学生ってそういうもんだろ?」 |
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鳴島
「まあ、男子中学生位の時期ですよねぇ、
女の人の身体に一番興味持ってるの」 |
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光一
「あの頃は、友人宅で集まって、
こっそりAV観賞会をしたり、
エロ本をみんなでコレクションしたり……
何が何でもエロスの世界に足を踏み入れたがったよね」 |
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鳴島
「まあ、その位なら中学生のすることですしぃ、
可愛いものですけどねぇ」 |
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光一
「そして私が中学生の頃は、
まだWindows95も出ていないし、
パソコンは学校の情報授業で少し触れるだけで……
自分のマイPCを持っているヤツなんていなかったね」 |
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鳴島
「今だと多くの家庭にありますけどねぇ。
小中学生でも、ネットしているくらいですし」 |
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光一
「ネットなんて私、大学入ってからだよ。
20歳過ぎてからだからね、初めて触れたの」 |
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鳴島
「そもそも中高生の頃は、
携帯電話すら無かったですからねぇ」 |
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光一
「そうそう。今からすると、色々無かったよね。
だからPCなんか持っている家があると、
みんなで集まったもんだけどねえ」 |
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鳴島
「あー、ファミコン持っている家に
みんなで行ったのと同じですよねぇ」 |
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光一
「そうそう。ファミコンとかスーファミとか……
持っている家がそんなに無かったから、
持っている人の家に集まってやったんだ。
懐かしいねえ…………」 |
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鳴島
「で、そこの親御さんに
『子供は外で遊びなさい』って言われて、
大体途中でゲーム強制終了されるんですよねぇ」 |
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光一
「あるある。よくあったね。
そうそう、そんなだから、PCのエロゲー?
エロゲーなんて言ったらさ、
男子中学生は食らいついたわけよ」 |
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鳴島
「まぁ、エロ本とかに群がるくらいですからねえ」 |
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光一
「しかも、ゲームでエッチなシーンが見られるなんて、
周囲に無かったから画期的だったしね」 |
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鳴島
「まあ、そんな男子中学生の嗜好は仕方ないとして、
中学校で先生の目を盗んでまで、
エロゲーするのはどうかと思うんですけどぉ?」 |
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光一
「あれは仕方ないだろ?
それぐらいしか、
大人数でエロゲーを堪能する方法が無かった。
で、そういうゲームをよく持ってくる友人Sは、
周囲から"神様"と呼ばれていたけどね」 |
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鳴島
「そりゃあ、男子からしたらそうでしょうねぇ」 |
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光一
「で、ある日の放課後…………
私はヤツに、"すごいCDが手に入ったから来いよ"
と言われて、ヤツの部屋に行ったわけだ。
翌日、部活サボったことで
先輩に怒られるのも覚悟の上でね」 |
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鳴島
「まぁ、欲望に忠実だったのは
今も昔も変わり無しですねぇ」 |
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光一
「何のCDだったと思う?」 |
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鳴島
「どうせ、女の人のエッチな声が入ったCDですよねぇ?」 |
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光一
「当然、そう思うだろ!!」 |
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鳴島
「違うんですかぁ?」 |
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光一
「行ったら、『日本全国鉄道の音CD』
『ダム放水の音CD』
を延々聞かされる、拷問にあった」 |
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鳴島
「何故、鉄道と水の音!?」 |
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光一
「放課後これのために、部屋に呼ぶ必要あるの?
私には理解できない趣味だったが、
友人Sは、すっごい恍惚の表情で感激してたぞ」 |
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鳴島
「まぁ……趣味趣向は人それぞれですよねぇ」 |
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清香
「お疲れ様です。バイト入ります」 |
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光一
「はい。今日もよろしく」 |
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清香
「何の話で盛り上がっていたので?」 |
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光一
「あー、男子中学生の話」 |
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鳴島
「中学生って女の身体が趣味みたいなものだねーって」 |
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清香
「ああ、そういう」 |
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光一
「清香君だとまさにその周囲の世代だよねえ」 |
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鳴島
「男子中学生とか高校生って、
今も昔も同じなのかなぁ?」 |
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清香
「同じだと思うけど。
まあ、言える事は」 |
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鳴島
「言える事は?」 |
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清香
「どうして中高生の男どもは、
胸ばっかりみているのかなあ?
胸にしか興味ないよね、あれ?」 |
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鳴島
「うえっ!? 地雷踏んだ!?
ちょ、マスター。男子代表として……
10数年前の中高生代表として、
どうにか収めてくださいよぉ」 |
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光一
「いや……まあ、……胸は……ね」 |
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清香
「まあ、私は気にしませんよ。
ただ……胸ばっかり興味持ってる男子は、
一生結婚できなければいいんですよ」 |
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光一&鳴島
「怖ッ!!」 |