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光一
「まったく失礼だと思わんか?」 |
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鳴島
「そうですね♪」 |
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光一
「親戚の面々…………
今まで会うたび会うたびに、
『彼女はできた?』
『私が生きてる内に結婚してね』
『女ぐらいいないのか?』
って言ってきたくせに……」 |
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鳴島
「ふむふむ」 |
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光一
「私が
『彼女ができた』って報告をした途端……
『そんな気配なさそうなのに!?』
『ウソでしょー!!ww』
『今はエイプリルフールではない』
なんて反応を…………」 |
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鳴島
「あらー♪」 |
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光一
「まったく失礼この上ない……
今まで、私をどう見ていたんだ」 |
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鳴島
「そうですね、そうですね♪」 |
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光一
「……………………」 |
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鳴島
「……………………」 |
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光一
「綾香君?」 |
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鳴島
「はい、何ですかぁ?」 |
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光一
「さっきから
とても気になっているのだが……」 |
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鳴島
「はい?」 |
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光一
「私の話に対する君の反応……
君の発言と表情が
全ッ然、一致してなくないか?」 |
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鳴島
「バカな!?」 |
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光一
「驚くトコ違う……
というか、君まで私を…………
あの親戚たちと同じように、
『光一に彼女なんて……
できるわけナイナイ♪』
って見てたのかね?」 |
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鳴島
「いやぁ…………
私はできると思ってましたよぉ」 |
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光一
「また発言と表情が一致してない……
というか、ここでこそ、
さっきの君の表情であるべきだろ!?」 |
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鳴島
「バカな!?」 |
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光一
「さっきの表情違う!!
ついでにセリフも違う!!
表情はもっと前!!
セリフは…………
ぐがぁぁぁぁぁ!!!!
分かってるだろ!?
やっぱりバカにしているのかね!?」 |
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鳴島
「私がマスターをバカにぃ?
何でですかぁ?」 |
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光一
「理由など知らん!
ともあれ、
私が親戚一同にコケにされた話で、
何故君が嬉しそうな表情で、
あいづち打ってるのかね?」 |
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鳴島
「何のことやら?
マスターったらぁ、
自意識過剰な上、
被害妄想気味ですねぇ♪」 |
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光一
「ぐぐぐぐ…………
雇っているウェイトレスに
ここまで言われ……」 |
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鳴島
「な〜にを言ってらっしゃるんですかぁ。
私はマスターをバカになんてぇ、
全然してませんよぉ」 |
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光一
「ほぉぉぉぉ…………
この会話の流れで、
どうしたらそう言えるのかね?」 |
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鳴島
「やれやれですぅ……
よく考えてみてください。
私はマスターをバカにしたのでなく、
冷静に現実を見たんですぅ」 |
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光一
「うん?」 |
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鳴島
「少なくともですねぇ……
彼女と二人っきりのとき、
『海行こう』って話をしてぇ……」 |
好きな人「えっとですね……その……
水着のことなんですけど……
光一さんって……
スクール水着
が好きなんですよね?」
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鳴島
「なんて言われるようなオーラを、
普段から出していたらぁ……
そりゃあ、親戚から
『彼女できた? ウソ?』
と言われても仕方ないのではぁ?」 |
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光一
「し、知らん!!
私は至って普通の嗜好だぞ。
好きな水着だってビキニだ!!」 |
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鳴島
「論点がずれてますよぉ、
マスター」 |
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光一
「ぐっ!!
ま、まあその…………
そもそもだなあ、
私は公共の場で、
『萌え〜♪』
なんて言わないし!!
変なオーラも出してない!!」 |
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鳴島
「いやいや…………
十分オーラ出てますよ♪
いよっ、この変態♪」 |
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光一
「だ〜か〜ら〜!!!!」 |
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鳴島
「公共の場で
そういうオーラを出さない人はぁ、
少なくとも……
喫茶店でウェイトレスを視姦
しないと思うんですけどぉ?」 |
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光一
「うぐぅ!?」 |
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鳴島
「ま♪
変態さんでもぉ、
一緒になってくれる人がいて、
本当に良かったですねぇ♪」 |
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光一
「だから私は……」 |
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鳴島
「人の好みは十人十色。
中にはイロモノが好きな人も、
まあいるってことですねぇ♪」 |
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光一
「ち、違…………」 |
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鳴島
「変態プレイは要求しない方がぁ、
嫌われませんよぉ♪
妄想の中で女性を弄るように、
彼女を扱わないように
十分気をつけてください♪」 |
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光一
「……………………
何故ここまで言われねばならんのだ」 |
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鳴島
「そりゃあ…………
マスターがぁ、
生粋の変態だからに
決まってるじゃあないですかぁ♪」 |
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光一
「ぐがぁぁぁぁぁ!!」 |
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鳴島
「そうやって奇声を上げてるとぉ、
近所の人にますます
『変態』
と思われるだけですよぉ♪」 |
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光一
「………………………
そう言う君の表情は、
実に爽やかだねぇ……」 |