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光一
「ショックだよ…………」 |
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鳴島
「あらあらまあまあ……」 |
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光一
「うん。まあ……
わかってはいるのさ」 |
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鳴島
「何がですかぁ?」 |
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光一
「相手は1歳半の乳幼児。
人見知りだって激しい頃だよ。
うんうん」 |
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鳴島
「何を納得されて……」 |
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光一
「私が別に…………
怖い
とか
おかしい
って理由で泣かれたんじゃない」 |
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鳴島
「単に泣かれただけでなく、
指まで指されたんですよねぇ♪」 |
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光一
「うぐぅ!?」 |
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鳴島
「しかも!
泣き止んだので、
もう一回声をかけたら……」 |
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光一
「止めろ! 言うな!
私のトラウマを……」 |
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鳴島
「また指を指されて
大泣きされてしまったと!」 |
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光一
「あ…………う…………」 |
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鳴島
「うにゅ?
どうなさいました、マスター?」 |
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光一
「き、君ってヤツは……」 |
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鳴島
「そんなに、
従兄弟の子供に泣かれたのが
ショックだったんですかぁ?」 |
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光一
「がぁぁぁぁぁぁぁ!!
いちいち私の心の傷に
塩を塗らんでもいいだろう!」 |
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鳴島
「ほぇ?
事実をありのままに
言っただけですよぉ♪」 |
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光一
「ぐぅ…………
君にはわかるまい……
わかるまいよ、私のガラスの心……
無垢な乳幼児に、
しかも従兄弟の子供に……
顔を見るなり泣かれ……」 |
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鳴島
「声をかけては、
指を指されて泣かれ……」 |
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光一
「ぐぅわぁぁぁぁぁ!
もう言うな、言うなぁ!!」 |
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鳴島
「乳幼児にも、
何か変なオーラ
が伝わってたんじゃないですかぁ?」 |
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光一
「なわけあるか!
考えても見たまえ。
私は嗜好は至って普通だぞ?
ロリコンでも何でもなく、
普通に大人の女が好きだし……」 |
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鳴島
「そして趣味は
視姦だし♪」 |
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光一
「ぐがぁぁぁぁぁ!!
うるさい、うるさいよ、君」 |
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鳴島
「さっきからうるさいのは、
叫んでばかりのマスターですよぉ」 |
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光一
「ど、どこに…………
どこにそんな証拠が……」 |
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鳴島
「最近はぁ彼女ができて
丸くなったようですけど……
以前は視姦しまくり
だったじゃないですかぁ」 |
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光一
「あうっ!?」 |
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鳴島
「まあ…………
純真無垢な乳幼児だからこそ
マスターの正体を見抜いたというか」 |
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光一
「な、何を言うかね!?
そもそもだなあ……
私は親戚たちの間では、
非常に真面目な青年
として通っているんだぞ?」 |
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鳴島
「あ〜…………
つまりアレじゃないですかぁ?」 |
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光一
「何かね?」 |
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鳴島
「誰しも大人になればぁ
子供よりは汚れますよ。
汚れた心の持ち主にぃ
汚れた心は見抜けないというか……
普段会わない親戚からすればぁ、
マスターを好青年と勘違いする……」 |
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光一
「な、何と失礼なぁ!?」 |
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鳴島
「じゃあ…………
子供がマスターにだけ
指を指してきて泣いた理由は?」 |
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光一
「そ、それはだなあ……
つまり単なる人見知り……」 |
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鳴島
「……………………
確か、マスターのお父様も、
一緒に行かれたんですよねぇ?」 |
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光一
「うむ。
なんせ、親父の実家だからな」 |
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鳴島
「マスターは指を指され……
お父上はどうでしたかぁ?」 |
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光一
「……………………」 |
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鳴島
「マ〜スター?」 |
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光一
「親父は…………
別に泣かれも
指も指されませんでした……」 |
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鳴島
「マスター…………」 |
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光一
「何だね?
人の肩に手をかけて……」 |
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鳴島
「やっぱり子供が泣いたのは……」 |
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光一
「や、やめろ!!
それ以上言うなぁ!!
哀れみの目で見るなぁ!!」 |
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鳴島
「やっぱり、
マスターの変態オーラのせい
ということですねぇ♪」 |
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光一
「うわぁぁぁぁぁ!!
爽やかな笑顔でぇぇ!!
綾香君のオニ!!
アクマー!!」 |