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鳴島
「ふむふむ」 |
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光一
「まったく……失礼な話だと思わないか?」 |
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鳴島
「一通り、マスターの合宿についての話は
読ませていただきましたよぉ♪」 |
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光一
「な、失礼な話だろ?」 |
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鳴島
「ふえ?
どこらへんがですかぁ?」 |
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光一
「どこら辺って…………
私の彼女が、私を変態扱いしているあたり」 |
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鳴島
「あーあー」 |
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光一
「今回私は何もしていないではないか。
宿泊先のヒノキ風呂が時間制で
男湯と女湯入れ替わるって話で」 |
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鳴島
「夜8時までが男湯。
夜8時からが女湯だったわけですがぁ」 |
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光一
「我々が8時ギリギリぐらいに出て、
その約5分後に戻ってきたら、
既に女性が風呂に入りだしていた」 |
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鳴島
「てことはぁ、
男湯と女湯に切り替わる間に、
空き時間が置かれていないので、
危うく自分達の入浴中に、
女性が入ってくるところだった……」 |
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光一
「それで危なかった……て、
話をまさにそのとき風呂に来た
彼女に話したらだよ、
『光一さんの、変態!』
だって……言われる理由がないんだが」 |
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鳴島
「まあ、今回に限っていえばそうですねぇ。
変態扱いされる理由はないですかねぇ?」 |
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光一
「言い方に引っかかりを感じるが……
まあ、いい。
やっぱりそうだろ!
私が変態扱いされる理由なんてないわけだ」 |
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鳴島
「で、マスターとしては、
自分が変態扱いされた理由を知りたいと?」 |
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光一
「当たり前ではないか!
今回は一歩間違えれば、
我々男性陣が
『被害者』になるとこだったのに」 |
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鳴島
「『被害者』ですかぁ?」 |
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光一
「だってそうだろ?
我々の入浴中に女性が来てみろ?
あるいは脱衣所で身体をふいてるとこに。
そうしたら、我々は何も悪くないのに、
きっと『キャー!!』て騒がれて、
変質者扱いされるんだぞ?」 |
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鳴島
「まあ、女性が『変質者』扱いされることはぁ、
…………ないでしょうねぇ」 |
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光一
「この点で言えば、
我々は単に入浴していただけなのに、
そこに後から女性が来るだけで、
前にいた男性陣は非難される……
その可能性は高いだろ?」 |
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鳴島
「まあ、そうですねぇ。
女性が後から入ってきて、
男性が裸で脱衣所うろついていたら……
まあ、悲鳴をあげますかねぇ?」 |
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光一
「だから、
8時ギリギリまで入浴していた我々は、
『変質者』扱いされる危険性があったんだ。
それはまさに冤罪だけどさ」 |
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鳴島
「確かにその点では危なかったですねぇ。
良かった良かった」 |
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光一
「なのに、それを話したら、
彼女が私を変態扱いってわけよ」 |
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鳴島
「う〜ん…………」 |
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光一
「どう思うかね?」 |
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鳴島
「マスター」 |
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光一
「何かね?」 |
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鳴島
「大方のところ、
自分達男性陣が入浴中とかに、
女性が入ってきちゃったら、
『あらあら、ラッキースケベ?』
とかでも考えてたのではぁ?」 |
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光一
「ちょ、ちょっと待ってくれ!
何故そうなる!?」 |
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鳴島
「男の人ってエッチですからねぇ。
男湯と女湯が切り替わる時間帯なら……
万に一つのラッキースケベ……
時間切り替わってスグなんだぁ?
じゃあ、しょうがないよねぇ?
とか考えるんじゃないんですかぁ?」 |
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光一
「いや、そりゃあ後輩たちとね、
『万が一女性が入ってきたら、
大変だねえ♪』
みたいな事は言ってたけどさ……」 |
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鳴島
「ほら、やっぱり!」 |
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光一
「いや、やっぱりって……。
でも、実際そうなったら大事だし、
別にそうなれーって願ったわけでもないぞ?」 |
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鳴島
「そういうマスターら、
男性陣のエッチな思考が
きっと彼女さんには
読み取れたんですよぉ。」 |
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光一
「いや、それぐらいの妄想はするだろ?
妄想っていうか、想定?
男湯と女湯が入れ替わる
その時間の直前なんだから」
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鳴島
「ん〜…………」 |
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光一
「現に表示だって、
8時まで男性風呂
8時から女性風呂
だったんだから…………
誰だって色んな可能性を考えるだろうよ」 |
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鳴島
「ふんふん」 |
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光一
「だから、
私は別に変態扱いされるいわれは……」 |
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鳴島
「マ〜スター♪」 |
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光一
「何だね?」 |
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鳴島
「私もマスターの彼女に賛成!
マスターは立派な変態ですよぅ♪」 |
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光一
「なんでじゃー!!!」 |