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光一
「おおお……なんという……なんということ」 |
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鳴島
「おっはよーございますぅ♪」 |
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光一
「ああ……私はどうしたら……」 |
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鳴島
「マスター?
おはようございますぅ?」 |
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光一
「ううむ……これは困った……
我が未来を悲観せざるを得ない……」 |
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鳴島
「もしもーし?」 |
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光一
「うーん……何が最高の解決策なのか……」 |
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鳴島
「よっこらせっと…………」 |
Zubaaaan!!
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光一
「ふぉぉぉぉぉ…………」 |
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鳴島
「マスター、おはようございますぅ♪」 |
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光一
「『おはようございますぅ♪』じゃないわ!
い、い、いきなり人を殴りおって!!」 |
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鳴島
「殴ったんじゃなくって、蹴ったんですぅ♪」 |
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光一
「どっちでもいいわ、そんな事!
いきなり人を蹴り飛ばして、
にこやかに挨拶する馬鹿がどの世界にいるかね!」 |
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鳴島
「マスターが人の挨拶に返事しないで、
変なうなり声を上げているから悪いんでしょう?」 |
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光一
「変なうなり声?」 |
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鳴島
「さっきからずーっと…………
何という事だって繰り返していましたけどぉ?」 |
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光一
「あー、それね…………
それはもう聞いてほしいね。ぜひとも!
この将来を悲観すべき事件…………
この恐怖心は誰かと共有したい。
というか、共有しないと心が折れそう!」 |
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鳴島
「何があったんですかぁ?」 |
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光一
「何も言わずに今日の私の日記を見たまえ」 |
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鳴島
「はぁ? ……どれどれ…………」 |
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光一
「……………………」 |
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鳴島
「なんと!?」 |
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光一
「驚くだろ……怖いだろ?」 |
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鳴島
「茨城県民は納豆が無くなると、
世界の終末を迎えると信じているわけですかぁ……
案外世界の危機って簡単に起きるんですねぇ」 |
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光一
「茨城県民をバカにしているのかね!?
って、今の論点はそこじゃない。
納豆は重要だが、そこじゃない!!」 |
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鳴島
「世界が終末を迎える以上に大変な事って……
ないんじゃないんですかぁ?」 |
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光一
「あるだろうが!!
よっく見てきたまえ!!」 |
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鳴島
「はぁ……………………」 |
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光一
「……………………」 |
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鳴島
「何ですとぉ!?」 |
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光一
「どうだ……考えるだけで恐怖ものだろ?」 |
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鳴島
「マスター……とうとう29歳とは……
グッバイ20代……さよなら20代……
まったくもってご愁傷様です」 |
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光一
「私は29日までは28歳だ!!
まだ28歳! 誕生日は10月30日!!
って、そもそも20代は1年1日残ってる!
何がグッバイじゃ!!!!」 |
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鳴島
「他にマスターが将来を悲観する事って……
何か書いてありますかぁ、今日の日記?」 |
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光一
「滅茶苦茶書いてあるだろうが!!」 |
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鳴島
「会社の直属の上司に
サイトバレしただけじゃないですかぁ」 |
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光一
「それが一番の問題だろうがー!!
っていうか……何でバレたんだ……」 |
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鳴島
「茨城県の飲食店紹介なんてやってるから、
店を探していて偶然見つけたんじゃないですかぁ?
仮にもYahooにディレクトリ登録されているくらいですしぃ」 |
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光一
「確かに……飲食店サイトとしては当サイト……
それなりに大きい事は自負しているが……
多分そこからだろうね。そして日記を見て気付いた」 |
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鳴島
「まぁ、たったそれだけのことですよぉ」 |
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光一
「何を言うアルカー!!!!
会社の上司にサイトバレって…………
サイト運営者として最も恐ろしい事アルヨー!
これから日記をどう書けばイイアルカー!!」 |
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鳴島
「マスター、言語障害起こしていますよぉ?」 |
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光一
「そんな些細な事を言っている場合じゃないアル!
会社の直属の上司にサイトバレ…………
サイトバレの範囲が拡大したら…………
サイト閉鎖の危機アルヨ!!!!」 |
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鳴島
「えっ!?」 |
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光一
「ようやく気が付いたかね、事態の大きさに。
サイトバレの恐ろしさに…………
私はこの事を思うだけで、夜も寝付けないアルヨ」 |
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鳴島
「マスターが恥をかいておもしろーい!
ってだけで済む話じゃないんですかぁ!?」 |
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光一
「そんな話で済む次元の問題じゃないアル!
私は今、悩んでいるアルヨ…………
自害するべきか……それとも…………」 |
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鳴島
「マスター…………」 |
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光一
「何アルか、綾香君?」 |
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鳴島
「ただ一言。
『殺れ』とだけ命じてくだされば……
この際やむを得ないかと…………」 |
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光一
「なるほど…………
確かに私の自害よりは……リーダーの口さえふさげば……
しかし綾香君。これにも問題がアルヨ」 |
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鳴島
「どこに問題があるんですかぁ!
一言『殺れ』と命じれば済む話ですぅ」 |
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光一
「だから、このサイトが上司にバレているアルヨ?」 |
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鳴島
「だからこそ、抹殺すべきですぅ!」 |
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光一
「まさにこの記事を見られているのにアルカ?」 |
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鳴島
「あっ!!」 |
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光一
「怖いだろー、誰かと共有したいだろ、この恐怖」 |
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鳴島
「た……し……か……に……」 |