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鳴島
「ねぇ〜
マスター♪」 |
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光一
「ん?
綾香君、何かね?」 |
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鳴島
「ちょっと
お聞きしたいんですけどぉ」 |
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光一
「何をかね?」 |
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鳴島
「マスターって
オジサンなんですかぁ?」 |
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光一
「……………………」 |
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鳴島
「マスター?」 |
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光一
「スマン、綾香君」 |
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鳴島
「え!?
じゃあやっぱり…………」 |
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光一
「やっぱり……じゃなくて……
君の言ってる事がわからんのだが」 |
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鳴島
「ふぇ?」 |
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光一
「なんで
『質問がある』
の次に、
『マスターは実はオジサン?』
というセリフが来るのだ?
会話のキャッチボールを考えたまえ」 |
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鳴島
「あ〜そういうことですかぁ♪」 |
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光一
「いや……納得してないで、
ちゃんと答えてくれたまえ」 |
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鳴島
「じゃあ具体的に聞きますねぇ♪」 |
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光一
「ん?」 |
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鳴島
「マスターってぇ
32歳なんですかぁ?」 |
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光一
「……………………」 |
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鳴島
「マスター?」 |
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光一
「スマン…………」 |
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鳴島
「やはりそうでしたかぁ……」 |
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光一
「何が、『そうでしたかぁ……』
なのかね?
私が言いたいのは……」 |
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鳴島
「また私の言ってる事がわからない?
マスター…………
本当は日本語わからないんじゃあ……」 |
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光一
「逆に私は、
君の日本語能力を測ってみたいよ……」 |
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鳴島
「むぅ?
失礼な!!」 |
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光一
「それは私のセリフだ!!
なんで私が
32歳だと断言されねばならん?」 |
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鳴島
「だってぇ…………」 |
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光一
「だってぇ?」 |
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鳴島
「バス停で、
見知らぬオバサンにぃ
『あなた32歳よ!!』
って連呼されたんですよねぇ?」 |
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光一
「それは…………」 |
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鳴島
「年齢を詐称して良いのはぁ、
グラビアアイドルだけですよぉ♪」 |
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光一
「言われたのは事実だが……
そのオバサンが言ってることは
事実ではない……」 |
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鳴島
「ほぇ?」 |
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光一
「そもそも、なんで見知らぬオバサンに
半ば逆ギレされてまで……
『32歳に決まってる!』
なんて言われねばならんのか……」 |
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鳴島
「マ〜スタ〜
ブツブツ言ってないで、
こっちの世界に
帰ってきてくださ〜い」 |
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光一
「ともかく。
私はまだ24歳!!
10月30日で25歳だが……
少なくとも30代ではない!」 |
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鳴島
「それは信じて良いですかぁ?
年齢詐称してませんかぁ?
本当は32歳じゃないですかぁ?」 |
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光一
「何を根拠に、
そういうセリフが出るのかね?」 |
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鳴島
「う〜ん…………
マスターが老け顔だから?」 |
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光一
「私のどこが老け顔かね!?
言われたこともないわ!!
年齢相応だと、いつも言われる!!
よっく私の顔を見たまえ!!」 |
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鳴島
「ふわっ!?
か、顔を近づけないでくださいよぉ!」 |
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光一
「よぉ〜く見たまえ拝みたまえ!
この顔のどこが32かね?
まだ20代の肌ではないか!!」 |
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鳴島
「分かりましたぁ!!
分かったから離れてくださいぃ!」 |
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光一
「フロに入れば水を弾くし、
しわだってないだろ?」 |
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鳴島
「マスター!!
顔が近い近いぃ!!」 |
ムチュ♪
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鳴島
「ぅ……………………」 |
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光一
「どうかね?
これでも30代に見えるかね?」 |
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鳴島
「…………したですねぇ…………」 |
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光一
「ん?」 |
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鳴島
「今、
無許可でキスしたですねぇ!?」 |
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光一
「何がキスかね?
君が私の言うことを聞かないからだ!
私は顔を近づけただけだ!」 |
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鳴島
「言い訳なんていらないですぅ!!」 |
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光一
「ぬぅ!?
久々に刃物を取り出すか……」 |
ドス!!
どさっ……
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光一
「ぐ…………真実は……
いつの世でも認められな……
グフッ!!」 |
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鳴島
「マスターは年が20代でも、
しつこさは、
30代のオジサンですぅ!!」 |