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光一
「…………あれ?」 |
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鳴島
「マスター、ホールの片付け終わりましたよぉ」 |
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光一
「ああ、お疲れ様」 |
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鳴島
「どうかしましたかぁ?」 |
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光一
「うーん…………
何か違和感があるんだよねえ」 |
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鳴島
「どんな違和感ですかぁ?」 |
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光一
「うーん……本来の秩序が乱れているというか……
具体的には食器の数が足りない気がする」 |
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鳴島
「気のせいじゃないですかぁ?
ほら、カップとソーサーもちゃんと全部対になってるしぃ、
お皿とかも全部あるように見えますよぉ」 |
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光一
「今朝見たときは、
食器棚の中、もう少し沢山あったような……」 |
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鳴島
「気のせい気のせいですよぉ」 |
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光一
「うーん、そうかね。
気のせいかねえ?」 |
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鳴島
「きっと疲れてるんですよぉ♪」 |
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光一
「うーん、まあ、そうかもね。うん」 |
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清香
「入口の施錠してきましたー」 |
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光一
「お疲れ様」 |
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清香
「ん? 2人して何の話をしてたんですか?」 |
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光一
「いや、それがね」 |
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鳴島
「あ、特に何でもないよぉ」 |
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清香
「ん?」 |
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光一
「まあ、気のせいかなーと思うんだけど」 |
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清香
「何がですか?」 |
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鳴島
「ほらほら、もう夜も遅いですしぃ、
店を締めて帰りましょうよぉ」 |
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光一
「……………………」 |
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清香
「……………………
そういえば、
ホールにお姉ちゃんのケータイ置き忘れてあったよ」 |
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鳴島
「え、ホント!?
じゃあちょっと取って来る!」 |
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清香
「…………で、何かあったんですか?」 |
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光一
「それがね、食器棚の中身が
今朝よりも減っている気がするんだよね」 |
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清香
「明日って燃えないゴミの日でしたっけ?」 |
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光一
「そうだね」 |
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清香
「ゴミ袋をまとめたのは?」 |
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光一
「綾香君だね」 |
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鳴島
「清香…………
ケータイ、ホールのどこにもないんだけどぉ」 |
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清香
「レジの引き出しの中にあったよ」 |
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鳴島
「あ、そうだったの。
じゃあ取って来るぅ!!」 |
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光一
「と、ゴミ袋を持ってきてみたのだが……」 |
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清香
「これって明日の朝一に出すんですよね?」 |
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光一
「そうそう。出す担当も綾香君」 |
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鳴島
「って、清香〜!!
私のケータイ、ポケットに入ってたんだけどぉ!」 |
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光一
「綾香くーん、このゴミ袋の中身なに?」 |
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鳴島
「ああっ!?」 |
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清香
「割れた食器がたくさん…………」 |
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鳴島
「ふとしたハズミと言いましょうかぁ……
食器を取ろうとしたらですねぇ、
つい手が滑って……ガシャガシャガシャーンって。
つまりそのゴミ袋は開けてはいけないパンドラの箱というかぁ」 |
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光一
「それを隠ぺいしようとしたのかね、君は……」 |
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鳴島
「ひ、人聞きの悪い!!
ほら、あれですよぉ!!
危機意識を敏感に働かせたというかぁ……
誰もこの件については知らない方が幸せというかぁ」 |
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光一
「それで得をするのは、隠し通した君だけな気がするが。
しかもそれは危機意識とは言わないだろう!
物品を破損しないよう危機意識を養ってくれたまえ!」 |
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清香
「お姉ちゃんはトラブルを自分から招くよね。
大丈夫? ご近所さんとトラブルとかない?
あー……だから未だに彼氏いない歴が27年……」 |
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鳴島
「彼氏いない歴とは関係ないでしょうよぉ!」 |
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光一
「でも危機意識は養った方が良いと思う」 |
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鳴島
「あー……すいません。
それは善処しますぅ」 |
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光一
「いや…………………
彼氏いない歴が自分の年齢って……
それに危機感を持たないって……
いい加減に危機意識を養った方が……」 |
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鳴島
「大きなお世話ですぅ!!」 |
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光一
「とりあえず…………」 |
『MOTHER2 w』
清水ももこさん、白髭狂信者さんの合作です♪
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光一
「清香君に2度も『お母さん』と呼ばれてしまったくらいだし、
そろそろ結婚して子供を作った方が…………」 |
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鳴島
「余計なお世話!!」 |
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清香
「おかあさん」 |
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鳴島
「お母さん言うな〜!!」 |