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鳴島
「……………………」 |
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光一
「うぅー……寒い寒い……」 |
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鳴島
「……………………」 |
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光一
「おお、綾香君、おはよう。
朝も冷えるようになってきたねぇ。
風邪には気をつけないとねえ」 |
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鳴島
「まったくこれだから男は…………」 |
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光一
「…………私は朝一で君から
まるでゴミを見るような目で
何か言われるような事をしたかね?」 |
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鳴島
「まったくご自覚が無い?」 |
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光一
「朝顔を合わせるなり突然
『まったくこれだから男は……』
などと言われて何を分かれと…………?」 |
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鳴島
「いやー……………………
マスターが問題だらけな人なのは知っていますが」 |
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光一
「いきなりなんて事を言うかね……
私のどこに問題があるのだ!!
というか、朝っぱらから何でこんな言われようだね」 |
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鳴島
「ほら……自覚がない…………」 |
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光一
「だから突然
『ほら……自覚がない…………』
なんて言われて何か分かるわけないではないか」 |
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鳴島
「あー…………確かに」 |
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光一
「だろ? 変な応答をするならば、
ちゃんと前後関係を明らかにしてくれたまえ」 |
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鳴島
「マスターは問題ばかりですからぁ、
すぐにはどの問題であきれられているかなんて……
分かるわけないですもんねぇ」 |
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光一
「私はそこまで君に言われるような事をしているかね?」 |
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鳴島
「自覚がやっぱりないしぃ…………」 |
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光一
「私が君に何か言われる筋合いがあるとすれば……」 |
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鳴島
「ヒャッ!?!?」 |
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光一
「おおー…………自分の手が冷たいせいか、
君の首筋があたたかーい♪
さらに手を突っ込むとホント柔肌が暖かい♪」 |
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鳴島
「あぁぁぁぁぁ…………!?」 |
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光一
「まぁ、スキンシップがちょっと多い程度かな?」 |
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鳴島
「セクハラセクハラー!!!!」 |
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光一
「スキンシップだよ! セクハラなんて誤解をまね……
ちょ…………フライパンは料理のための道具……」 |
ゴン!!!!
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光一
「ふぉぉぉぉ……ふぉぉぉぉ……
世界が回って見える。世界はまわる……君を乗せて……」 |
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鳴島
「そうやって人の胸を揉んだり、
スカートの中に手を入れたり……
十分問題だらけじゃないですかぁ!!」 |
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光一
「だからちゃんと
『君にどうこう言われる筋合いがあるとすれば』
と断ってから実践したではないかね!!」 |
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鳴島
「ホントに男の人って…………
どうしてこう年中発情期というか……
いやらしいんだろう…………」 |
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光一
「そりゃあ、そうでなければ人間が子孫を残せないから?
いわば私のこれは大自然の摂理であり、
まさにピュアな生命体というか…………
神聖で素晴らしい行動なのですよ?」 |
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鳴島
「セクハラはセクハラですよぉ!!
そうやって変な理屈で正当化しない!!」 |
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光一
「というか、
どうして朝からこんな話になっているのかね?」 |
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鳴島
「あー、それはほら…………
マスターが日記で書かれているじゃないですかぁ」 |
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光一
「ああ、今年の健康診断の事?
私、相変わらず注射が怖いねぇ…………
でも、今年は新人君が私よりも怖がっていたから、
ものすごく楽しい健康診断だったね♪」 |
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鳴島
「あー…………29歳の大人が…………
本当に見苦しいですよねぇ…………
採血される時に『痛い痛い』って抵抗しているなんて」 |
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光一
「怖いものは怖い! 痛いものは痛い!!
注射なんて怖いの一言ではないか!!
というか、ここからさっきの
ゴミを見るような眼差しには結び付くのかね?」 |
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鳴島
「同じ健康診断の話の中で
『健康診断の看護師さんが美人で勃起した』
『心音でジェルを塗られて、
ソープでローション塗られる気分になってた』
とか何とか…………先輩が言ってたそうで?」 |
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光一
「あー、先輩のイチさんだね。
おかげでドキドキが止まらなくて心音取り直したとか、
おさまらなくなってきたので、
会社に戻る前にソープで1回ヌイたとか」 |
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鳴島
「どうしてマスターに限らず男はこうも…………」 |
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光一
「まあ、
健康診断からソープ直行はないよね」 |
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鳴島
「まあ…………私が男性にあきれているのは
別にそれだけが理由じゃないですが」 |
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光一
「確かにね。
仕事が終わってから行くべきだよね!
いくら溜まっているからって……ねえ?
それはあきれるというか……どうよ、って感じだよね」 |
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鳴島
「違います!
というか、同意を求めてこないでください!!」 |
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光一
「え? では仕事中行けと?
さすがに仕事中にソープへ行くのは……」 |
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鳴島
「それも違います!」 |
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光一
「なんだねなんだね。
君は一体どうしろと言うんだ?」 |
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鳴島
「男の人の考える事って…………
何でエッチな事ばかりなんですかぁ?
マスターはともかく他の男性もとはぁ……
男性が信用できなくなっちゃいますよぉ」 |
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光一
「仕方ないではないか!!
出さないと子種が溜まるんだよ、男は!
溜まるとヌキたくなるんだよ、男は!!
女性と違ってストックが溜まるんだから
ヌクしかないだろうが!!
立派な生理なんだから認めなさい!!」 |
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鳴島
「そんな生々しい話は聞いていません!」 |
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光一
「大人は溜まっても嫁さんや彼女その他とエッチしたり、
あるいは動画やH本や風俗でもヌケるけど、
中学生とかは本当に可哀想だよ…………
しかもアレ……ヌカないと…………
夜中にエッチな夢が出てきて、
朝にパンツが濡れているからね?」 |
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鳴島
「男性の生理現象の話はどーでもいいですぅ!」 |
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光一
「どうでもよくないよ!!
男がエッチなのは、生理現象なんだから仕方ないだろ!
男だって大変なんだよ、ほぼ毎日生理なんだから!」 |
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鳴島
「寄るな寄るなー!!
男性が近くにいるだけで妊娠しそうですぅ!!」 |
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光一
「妊娠しないよ!!
エッチしなければ妊娠しないんですよ?」 |
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鳴島
「セクハラセクハラですよぉ!!」 |
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光一
「あー、もう…………扱いずらいなあ。
君からこの話の展開をふってきたくせに」 |
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鳴島
「そうやって自分のセクハラを
被害者のせいにしないでほしいですぅ……」 |