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光一
「はー、もう11月も終わりか……」 |
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鳴島
「マスターが28歳になってから
もう一ヶ月も経ちますね!!」 |
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光一
「なんだか…………
含みのあるような言い方だね」 |
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鳴島
「別にぃー、ですぅ。
12ヶ月のうち1ヶ月が過ぎたんだなぁと」 |
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光一
「言い回しを変えると
余計に含むものを感じるぞ」 |
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鳴島
「気にしすぎですよぉ。
28歳と一ヶ月になったマスター!!」 |
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光一
「……正確にはまだ4日あるのだが」 |
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鳴島
「いやぁ、一ヶ月なんてあっという間。
1年もあっという間でしょうねぇ♪」 |
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光一
「何か言いたいことがあるなら
はっきり言ってはどうかね?」 |
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鳴島
「別にぃーですぅ。
マスターが28歳から29歳……
そして30歳になってしまうのも
まあ、あっという間かなあと」 |
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光一
「黙りたまえ!!
歳を取ったばっかで、
次の歳の話をしないでくれたまえ!
私はまだピチピチの20代なんだ!!」 |
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鳴島
「はいはい、
そうですねそうですねぇ♪」 |
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光一
「たく…………
なんで私の周りにはこんなのばかり……」 |
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鳴島
「マスターの人望の厚さゆえ…………
じゃないですかぁ♪」 |
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光一
「だとすれば、
なんでこんな私を小馬鹿にするような……」 |
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鳴島
「バカになんてしてないですよぉ。
被害妄想が過ぎるのではぁ?」 |
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光一
「ふん。
君だってどうせすぐ歳を取るんだからな!!」 |
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鳴島
「私は永遠の20歳ですよぉ?」 |
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光一
「はぁ……私の周囲はなんで……
なんでこうも理不尽な連中ばかり」 |
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鳴島
「いやいや、
マスターの周囲の方々は
マスターをよく理解していらっしゃいますよぉ♪
全然理不尽だなんてとんでもない!」 |
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光一
「先日は先日で…………
会社の忘年会委員会で……
なんでオチで笑われる役回りに選出……
私のドコがお笑いキャラなのだ!!」 |
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鳴島
「ほぇ?」 |
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光一
「『ほぇ?』ではない!!
今の会社に転職して半年少々……
何故私がネタキャラにされている!?
しかも、いつの間にネタキャラに……
いつもいつも…………
毎日マジメに働いているだけなのに!」 |
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鳴島
「なにかがにじみ出ているんじゃないですかぁ?」 |
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光一
「何かとはなんだね!?
私はいたって普通に働いているぞ!?」 |
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鳴島
「だから、『にじみ出ている』んですってばぁ。
常人にはないオーラが出ているんですよぉ」 |
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光一
「なんだね、
その理由にもなってない理由は!?」 |
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鳴島
「『みんなー、私をイジッて構って』
ってオーラが出てるんじゃないですかぁ」 |
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光一
「誰が出すかね!!」 |
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鳴島
「やれやれ強情ですねぇ。
ご自分がネタキャラだと認めれば、
楽になれるものを…………」 |
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光一
「人間としてのプライドにかけて、
自分ネタキャラ、イジッテカマッテ!
などと認められるか!」 |
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鳴島
「やれやれ。
大学・以前の勤め先の高校、現在の職場。
会う人会う人がマスターの事を、
『光一君はネタキャラだよね!』
『いやー、光一君はスゴイな!』
『光一君は変態だよね!!』
って認めていますのに…………」 |
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光一
「んなもん認められて嬉しいわけあるか!」 |
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鳴島
「マスター本人は強情で…………
周囲の評価を認めようともしない。
マスターって理不尽ですよねぇ」 |
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光一
「なにを言うかね!!
理不尽なのは
私を常にネタキャラ化する周囲ではないか!」 |
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鳴島
「学生時代のみならず、
仕事の先々どこでも
マスターはお笑いキャラとして
見られているのに、
認めないマスターの方が異常ですよぉ?」 |
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光一
「なんで私が異常なのかね!?
私はいたって普通の好青年だぞ!!」 |
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鳴島
「出会う人々の大半の評価と
マスターの自己評価は
あまりに食い違ってますねぇ……」 |
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光一
「それは世間一般の
人を評価する目が間違っているのだ!」 |
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鳴島
「世間一般の人がマスターを
『変態・お笑い・好性年』と言うのにぃ
なーんでここまで強情をはりますかねぇ……」 |
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光一
「世間が間違っている!
私は間違ってない!!
断固私は闘うぞ!!」 |
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鳴島
「いやー…………
理不尽どころか周囲のマスターへの評価……
私は似合っていると思いますがねぇ」 |
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光一
「何を言うかね!!」 |
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鳴島
「前職といい、今の仕事といい
マスターは周囲に恵まれてますぅ♪」 |
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光一
「どういう意味かね?」 |
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鳴島
「どの方も、マスターの本質を理解して
本当に楽しそうに
いじってくれるじゃないですかぁ♪」 |
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光一
「いじられている私が楽しくないわ!」 |
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鳴島
「今の職場の方々も、
付き合いだして半年足らずで、
忘年会のオチにマスターを起用……
分かってらっしゃいますねぇ♪」 |
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光一
「いいや、わかってない!!
私は好青年なんだぞ?
マジメなナイス・ガイなんだぞ!?」 |
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鳴島
「はいはい、そうですねそうですねぇ♪
ぷぷー、あ、笑っちゃいけない。
お口にチャックっと♪」 |
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光一
「ぐあー、
その態度がむかつくー!!」 |