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鳴島
「グーテンモーゲン♪」 |
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光一
「はい、おはよう」 |
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鳴島
「あら? つれないですねぇ。
気分転換に挨拶をドイツ語にしたのに」 |
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光一
「いや、別に気にも留めなかった」 |
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鳴島
「やれやれ、
そういう細かい点に気がつかないから、
年寄扱いされるんですよ?」 |
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光一
「それは年齢関係ないだろ!
というか、年を取っている人に失礼だぞ」 |
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鳴島
「あれ?
マスター、お年気にされているんですかぁ?」 |
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光一
「別に気にしているわけではないが、
まだ若いのに年寄扱いされるのは
非常に不本意だ!」 |
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鳴島
「別に気にしていないならば、
年寄扱いされても無視すればよいのではぁ?」 |
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光一
「うるさいねえ、君も」 |
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鳴島
「今日の日記でも、
若者扱いされていないことを
やたらと気にされていましたよねぇ?」 |
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光一
「気にしてなどいない。
それこそ心外だな。
年齢相応の扱いをされていないことを
不当なことだと感じているだけだよ」 |
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鳴島
「それが年を気にしているって言うんじゃ……」 |
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光一
「ともかく、私自身が
まだ20代の若者
なのは事実なのだから
それなりの扱いを受けるのが当然」 |
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鳴島
「えっと…………
マスターって今何歳でしたっけ?
えーっと……28歳?」 |
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光一
「どこのどの口が
そんなふざけたことを
ぬかしやがったのかね!」 |
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鳴島
「いふぁいいふぁい!
くひぃをぉひっはらないふぇ!」
(痛い痛い!
口を引っ張らないで!) |
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光一
「私は27歳だ!!
どこが28歳だね……」 |
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鳴島
「滅茶苦茶気にしているじゃないですかぁ。
27歳も28歳もたいして変らないのに」 |
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光一
「全然違う!!
綾香君、事実は事実として、
物事は正確に記憶されるべきだよ」 |
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鳴島
「そのくらいはぁ
アバウトで良いと思いますけどぉ」 |
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光一
「いいや、そんなことはない!
年齢が1つ違うということはだよ、
365日もの日数が異なることだよ?」 |
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鳴島
「まぁ、そりゃそーですけどぉ」 |
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光一
「例えば、何かの食品で
『消費期限2007年12月10日』
とあったとして……事実が
『消費期限2006年12月10日』
だったら大問題だ!」 |
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鳴島
「まぁ、確かに
このところよく問題になりますがぁ」 |
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光一
「たとえ
『消費期限2007年12月10日』
とあるところが、事実は
『消費期限2007年12月3日』
だったとしても大問題になるぞ」 |
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鳴島
「そりゃそうですけどぉ……
問題の論点が違う気が……」 |
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光一
「いいや、数字は正確が期されるべきだ。
年齢だって、27歳と28歳では
天と地の差ほどに大きく異なる!」 |
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鳴島
「マスターぐらいの年でしたらぁ、
もう27歳も28歳も同じですってぇ♪」 |
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光一
「同じじゃない!
ほら、例えば…………
君の年齢は幾つだったかね?」 |
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鳴島
「私は20歳の美少女ですよぉ♪」 |
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光一
「どの口がそんなウソを!」 |
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鳴島
「いふぁいいふぁい!」
(痛い痛い!) |
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光一
「たく……自分の事は棚上げして
私に対しては色々と…………」 |
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鳴島
「だって、事実ですもん!」 |
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光一
「ウソをつくんじゃない!
君は1983年生まれじゃないかね!
現在24歳のはずだぞ」 |
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鳴島
「いーえ、私は…………
西暦△×××年生まれですぅ。
だから、永遠に20歳なんですぅ」 |
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光一
「君こそ年を気にしているじゃないか!
しかも私と違って、
『永遠の』?
生年月日まで偽りまくりじゃないか!
今年の夏にもそうやって経歴詐称していたね」 |
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鳴島
「経歴詐称じゃありませんよぉ。
美少女は年齢が変らないのですぅ♪」 |
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光一
「なんだね、
そのふざけた理屈は!」 |
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鳴島
「美少女は時間だって操れるのですぅ。
だから、アイドルは年取らないですぅ♪」 |
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光一
「1980年代前半のアイドル理論まで出して……
いーや、ちゃんと年を取るよ。
実際のアイドルだって
年を重ねるじゃないか!」 |
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鳴島
「わ、私は違うもん!」 |
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光一
「いーや、そのうちにだね、
肌にツヤと張りはなくなり、
おっぱいだって垂れてくるんだよ?」 |
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鳴島
「そんなこと認めないもん!」 |
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光一
「今はそうやって言っているがいいさ。
24歳の君にとっては、
そろそろお肌の曲がり角……
いや、もう曲がっているかね?」 |
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鳴島
「むぐぅぅぅぅぅ!!」
マスターのお年寄りぃぃ!!
バーカ、バーカ、あんぽんたんッ!」 |
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光一
「事実を指摘された途端、
逆ギレかね? ぷぷ
というか、君の精神年齢幾つかね?」 |
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鳴島
「うるさいうるいさーい!!
マスターのオタンコナス!」 |