  | 
      光一 
       
      「あー、今思い返すと………… 
       
      つくづく残念で仕方が無い!!」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「……………………」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「何であの時、12年前……… 
       
      女子高生に声かけなかったんだろう!!」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「……………………」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「私があの時……声をかけていれば!」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「マスター」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「そうだろう、綾香君!! 
       
      私がそうしていたら…………」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「いいえ、マスター。 
       
      何も起こらなかったと思いますよぉ」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「はあ!?」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「はあ!? って、あなた…… 
       
      下手すりゃ不審者扱いですよ」 | 
    
    
        | 
      清香 
       
      「何の話を2人でしてるの?」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「あー、それがねぇ」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「今をさかのぼる事12年前、 
       
      私がピチピチハンサムの大学生だった時だ」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「ぷっ…………」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「ちょっと綾香君!? 
       
      今、失笑したよね? どういう事!?」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「いえいえ、お気になさらずー」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「いや、見過ごせないんだけど!?」 | 
    
    
        | 
      清香 
       
      「で、なんなんですか?」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「大学へ行く途中でね、 
       
      うずくまっている女子高生がいたんだよ」 | 
    
    
        | 
      清香 
       
      「はあ」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「あの時声をかけるなりしていたら、 
       
      多分……あの場で口説き落とせたと思う! 
       
      そうしたら、歴史が変わっていたはず」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「なんて戯言をずっと言ってるの。 
       
      笑っちゃうよねぇ」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「戯言!?」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「当たり前じゃないですかぁ、 
       
      何を言ってるんですかぁ、まったく。 
       
      不審者扱いされなかっただけ、感謝ですよぉ」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「いや、あれは女子高生の身体にだね、 
       
      アレやコレをする大チャンスだったはず! 
       
      間違いないと確信しているよ、今では!」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「女子高生をホテルなんかに連れ込んだら、 
       
      それこそ警察に逮捕されるでしょうよぉ」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「そんな事言ったら、 
       
      18禁ゲームの主人公全員ヤバいだろ! 
       
      高校生同士でエッチしてるじゃないか!」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「ゲームと現実をごっちゃにしない!」 | 
    
    
        | 
      清香 
       
      「あのー」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「なんだね?」 | 
    
    
        | 
      清香 
       
      「そんな12年前の過ぎた事をいまさら言っても、 
       
      どうしようもないと言いますか。 
       
      無意味な議論だと思うんですけど」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「そうそう、マスター。無意味無意味。 
       
      マスターが無意味無意味」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「分かったぞ、綾香君。 
       
      君、私に悪意持ってるだろ?」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「何の事ですかぁ?」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「"私が"無意味だと言っただろ? 
       
      清香君は"話が"無意味だと言ったんだぞ?」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「あれ〜? そうでしたっけぇ?」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「ぐっ…………」 | 
    
    
        | 
      清香 
       
      「というか、女子高生を見かけて、 
       
      18禁ゲームのシチュエーションを連想するあたり、 
       
      相当現実とゲームの境が危ないのでは?」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「そうそう、マスター。 
       
      警察に逮捕だけはされないでくださいねぇ」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「げ、ゲームと現実の区別くらいはついている!」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「本当ですかぁ?」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「当たり前だ。 
       
      だからこそ、今まで警察に捕まった事も無い!」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「それは威張って言える事じゃないです。 
       
      大体の人間にとって普通ですから」 | 
    
    
        | 
      清香 
       
      「ゲームと区別がついているなら、 
       
      なおさらこんな意味の無い話をしなくても」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「ぐっ…………」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「ちょっとマスター………… 
       
      32歳をとっくに過ぎた今でも、 
       
      マスターの半分……たったの半分のですよぉ、 
       
      その程度の年月しか生きていない女子高生を、 
       
      性的欲求の対象に見てるんですかぁ?」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「女性は16歳を過ぎたら、 
       
      私の主観による年齢までその対象です!」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「……………………」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「な、なんだね?」 | 
    
    
        | 
      清香 
       
      「そうすると、私もターゲット層なんですが……」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「え!? 
       
      その露骨にイヤそうな表情はなに!?」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「ホント、捕まるのは勘弁して下さいよぉ。 
       
      現実にしっかりとどまってくださいねぇ」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「ちょっと君達!! 
       
      私の人間性をどこまで疑ってるの!?」 |