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光一
「ふぅ……今日も寒い寒い」 |
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鳴島
「マスター、マスター!!」 |
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光一
「どうしたね、かしまし娘……じゃなく綾香君」 |
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鳴島
「かしましって…………」 |
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光一
「いやいや、ついつい本音がポロリと……
ああ、いやいや。何でもないよ」 |
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鳴島
「むぅ…………」 |
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光一
「はいはい、で、何だね?」 |
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鳴島
「その前にマスター、
一ついいですかぁ?」 |
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光一
「何だね?」 |
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鳴島
「かしまし……って何ですかぁ?」 |
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光一
「……………………」 |
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鳴島
「もしもーし?」 |
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光一
「あ、ああ。
かしましいってのはね、可愛いって意味だよ!!
かしまし娘イコール可愛い娘ってね!」 |
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鳴島
「お、そうなんですかぁ!!」 |
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光一
「そうそう。思わず本音がポロリとね♪」 |
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鳴島
「なーんだ、
てっきり悪口かと思いましたよぉ♪」 |
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光一
「いやー、たまには人をほめてあげないとね」 |
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鳴島
「マスターは褒めてもらえてないのにねぇ」 |
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光一
「うるさいな。
その件を持ちだすのはやめたまえ!」 |
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鳴島
「自分で自分の事を『カッコ良い』とか……
挙句は、『自分、カッコ良くない?』と
母親とか彼女さんに聞いてみたり……
ちゃんと鏡をみましょうねぇ?」 |
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光一
「失っっ礼だな!!
私、それなりにはカッコ良いだろ?」 |
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鳴島
「あー、なんというかそのー…………」 |
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光一
「人を褒めたり肯定するのは大事な事だぞ?
それで人の気分が変わり、
様々な仕事も前向きになるものなんだぞ?」 |
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鳴島
「そうそう。前向きになるといえば、
クリスマスプレゼントですよぉ!!」 |
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光一
「なに? 私にくれるの?」 |
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鳴島
「私宛に、清水ももこさんからプレゼントぉ♪
いやー、私が可愛く描かれていますよぉ!!」 |
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光一
「……………………」 |
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鳴島
「いやー、可愛いですねぇ、私のイラスト♪」 |
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光一
「あー、寒い寒い。そろそろ寝よ」 |
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鳴島
「喜びを分かち合ってくださいよぉ!!
ほら、こんなに可愛いイラスト!!」 |
『すまいる すらいむ』清水ももこさんより♪
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光一
「自分で自分を可愛いって…………
君こそ自分で自分を褒めまくっているではないか。
君こそちゃんと鏡を見たまえよ」 |
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鳴島
「さっき私の事、可愛いってほめてたクセにぃ」 |
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光一
「あ、そうね。うん、そうそう!!
綾香君はかしまし娘だからね。
そうそう可愛い可愛い!」 |
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鳴島
「なーんか引っかかりますねぇ…………」 |
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光一
「お、清水ももこさんかぁ。良い絵を描くよねえ。
と、ももこさんだから…………
『ももこん』って呼ばせてもらおう!」 |
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鳴島
「馴れ馴れし過ぎますよぉ!!
ファーストコンタクトの方なのにぃ!!」 |
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光一
「いやー、「ももこ」よりは「ももこん」の方が、
可愛らしい響きで語感も…………
それに大学時代の後輩に『ももこ』って娘がいて、
私は親しみをこめて『ももこーん』って呼んでいたよ?」 |
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鳴島
「だから、その『ももこさん』とは別人でしょうがぁ」 |
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光一
「問題あるかねえ?
女性を可愛らしく呼ぼうとしているだけなのに」 |
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鳴島
「問題ありますよぉ、そんな呼び方じゃあ」 |
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光一
「そうかねぇ……親しみをこめたつもりなのに……
あ、お客さんだ。綾香君」 |
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鳴島
「は〜い♪ いらっしゃいませ〜♪
今日も、かしましむっすーめっと♪」 |
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光一
「……………………」 |
お客A「綾香ちゃんが、かしまし娘?」
鳴島「はい。マスターが先ほど」
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光一
「……………………」 |
お客A「いや、かしましいって言葉はね……」
鳴島「え!?」
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光一
「……………………」 |
鳴島「…………少々お待ちください」
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鳴島
「マスター…………
ちょっとこちらに来てくださいませんかぁ?」 |
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光一
「…………ヤだ」 |
ε=ε=(/°ロ°)/ε=ε=┏( ゚Д゚)┛
『かしまし』って……!!!
ε=ε=ε=(/°ロ°)/ε=┏(゜ロ゜;)┛
『やかましい』って意味じゃないですかぁ!!!!
ε=ε=ε=ε=(/°ロ°)/┏(゜ロ゜;)┛
だって、やかましいだろ、現に今も……
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鳴島
「すいませ〜ん。
お待たせしましたぁ♪」 |
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お客A
「綾香ちゃん、綾香ちゃん。
制服に赤いシミができているけど?」 |
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鳴島
「あー、お気になさらずぅ♪」 |