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光一
「ぶはぁぁぁ!!
い、生きて還れた……のか?
冥界と現世の狭間は超えたのか!?
それともここどこ?」 |
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鳴島
「おょお?
あれ? マスターだ?」 |
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光一
「諸悪の根源がここに…………!
ということはここは…………
そうか、『この世』に還ってこれたんだ!」 |
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鳴島
「おめでとうございますぅ♪」 |
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光一
「おめでとうございますぅ…………じゃないわぁ!
君の仕業で…………冥界送りにされたわ!!
あー……合わせ鏡マジで怖えぇ…………」 |
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鳴島
「しぶとい生への執念ですねぇ…………」 |
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光一
「ちょっと気に食わないからという理由で、
雇用主を冥界送りにするウェイトレスなんて、
新鮮さを通り越してるわ!!!」 |
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鳴島
「まぁ、還ってこれたんですからぁ
めでたしめでたし♪」 |
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光一
「さらっと流すなぁぁ!!
一歩間違えたら…………
私はあのまま黄泉の国に閉じ込められていたわ!」 |
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鳴島
「死ぬ前に黄泉の国を体験してこれたなんて……
なんて貴重な体験なんでしょうかぁ♪」 |
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光一
「綺麗な話にして流そうとするんじゃない!
……冥界送りによって行方不明なんて……
警察もまさか殺人未遂事件だとは思わないだろうな。
あまりにも非科学的過ぎて…………」 |
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鳴島
「そうですねぇ♪
万が一マスターが還ってこなかったら
単なる行方不明ですもんねぇ♪」 |
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光一
「元凶が……元凶が何を言うかね!!
君にあちらの世界の恐ろしさなどわかるまい!!」 |
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鳴島
「そりゃぁ……黄泉の国なんて行ったこともないですしぃ」 |
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光一
「黄泉の国から脱出する時などは、
私を追いかけてくる幾千の鬼たちに対して
桃の実を投げつけて撃退しなければ……
今頃私は完全に冥界の住人だったよ…………」 |
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鳴島
「都合よく桃の実がなっているとはぁ…………」 |
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光一
「イザナギの命に感謝しないと…………やれやれ」 |
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鳴島
「チッ…………」 |
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光一
「今、『チッ……』って言った…………
なんて怖い娘だね、君は!!
ヤンデレだよ、ヤンデレ!!」 |
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鳴島
「別に私、マスターに対してデレてないですけどぉ」 |
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光一
「じゃあ、君は単に病んでいる娘だよ。
怖い……なんて怖いんだ…………
人を永遠に冥界送りにする事に失敗したら……
舌打ちだよ、舌打ち!!」 |
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鳴島
「まあ、若さゆえの過ちってやつですよぉ♪」 |
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光一
「若さゆえの過ちで、冥界送りに…………
というか、そもそも若くないだろ……20代も半ばになるくせに」 |
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鳴島
「いっぺん……死んでみる?
というか、もういっぺん……死んでみますかぁ?」 |
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光一
「何なの、どうしたっていうのこの娘…………
怖い……なんて、怖いの…………」 |
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鳴島
「人は誰でも若い時は尖がっているんですよぉ」 |
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光一
「尖がっているの一言で済むかね!?
まるでそれは…………
『ついカッとなって殺してしまった。
今は反省している』
って、それと同じではないかね!?」 |
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鳴島
「マスターだって尖がっているんでしょう?
もう30代になって尖がっているなんて…………
年寄りが尖がっているなんて聞いたことも……」 |
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光一
「私は年寄りじゃないわ!!
そもそも29歳だ!!
若いから尖がってるんだよ!!
それにしたって君みたいに人を冥界に送らないけどね!」 |
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鳴島
「まぁ、生きて還ってこられたんですからぁ、
もう何度もしつこく言うのはやめなさいですよぉ」 |
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光一
「何度もしつこくって…………」 |
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鳴島
「しつこい男は嫌われますよぉ…………」 |
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光一
「しつこいっていうかなんて言うか……
自分のした事を謝罪しようともせず、
逆ギレのように被害者を責め立てる君って…………」 |
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鳴島
「だからぁ、若い私は尖がっているんですぅ。
攻撃的なんですよぉ、若いから」 |
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光一
「な、何でも尖がっているって言えば
それで許されると思うなよー!!」 |
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鳴島
「あんまりしつこいと…………
マスターの寝た後に…………
…………枕元に何か置きますよぉ?」 |
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光一
「何を置くつもりかね…………」 |
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鳴島
「……………………
………………何かを」 |
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光一
「怖い!! 何なのこの娘!!
絶対人を冥界送りできる道具だろ!!」 |
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鳴島
「さぁ?
とにかく、『何か』を置きますよぉ♪」 |
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光一
「よく考えてみたら…………
必殺技が欲しいとか言って、
ポニテぶんぶん振り回して首にギプス巻く羽目になったり、
食い逃げして、仕込んでいた撒菱をばらまこうとするあたり、
犯罪を平気でしそうな狂った娘じゃないか!!
人を冥界送りなんて……何とも思ってないだろ!」 |
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鳴島
「人を狂った娘だなんて…………
失礼ですねぇ?
あ、白髭狂信者さん。
私を題材にした4コマありがとうございますぅ!!
こんな偏屈なマスターに虐げられている私に……
見ている人は見てるんですよ、マスター。
私の魅力ってやつを♪」 |
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光一
「いや……魅力的に描いているのか…………?
自分のおバカさに気が付かず
首を負傷したり、食い逃げに失敗している……
単に頭の哀れな娘を描いただけだと思うのだが……」 |
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鳴島
「……………………マスター。
安眠グッズっぽいもの欲しくありませんかぁ?」 |
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光一
「何? 何なの安眠グッズっぽいものって!?」 |
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鳴島
「さぁ?
何か……安眠グッズっぽい何かですよぉ?」 |
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光一
「助けて、誰か助けてください!!
このままじゃ、私……私は…………」 |
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鳴島
「マスター、何をおびえているんですかぁ?」 |
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光一
「ひいっ…………
また冥界送りにされる!!」 |
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鳴島
「やだなぁ、マスター♪
冥界送りなんて非現実的な事が…………
あるわけないじゃないですかぁ?」 |
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光一
「……………………
そう言いながら、後ろ手に何を持っているの?」 |
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鳴島
「乙女には秘密が一杯あるんですよぉ♪」 |
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光一
「……………………
お巡りさーん、助けてください!!
この人、この人………………………」 |
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鳴島
「マスターどうどう。落ち着きましょう♪
向こうでお茶でも飲みながら、
すこーしだけ……お話しませんかぁ?」 |