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光一
「はぁー…………」 |
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鳴島
「るんるんる〜ん♪」 |
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光一
「ふぅー…………」 |
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鳴島
「お掃除お掃除楽しいな〜♪」 |
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光一
「ヴェ〜…………」 |
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鳴島
「ってさっきから意図的に無視してましたがぁ、
なんですかぁ……朝っぱらから辛気臭い」 |
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光一
「いやぁ…………
期待が大きかった分の反動」 |
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鳴島
「はぁ?」 |
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光一
「人間っていうのはだね、綾香君。
期待していない時というのは、
実は失望しないものなのだよ」 |
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鳴島
「まぁ、そうですかねぇ?」 |
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光一
「例えばだね、バレンタイン前日あたりにだよ、
『今年もバレンタイン貰えないな』
と思っている人間は、
別に当日もらえなくても、何とも思うまい」 |
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鳴島
「まぁ、でしょうねえ?」 |
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光一
「ところがだ…………
自分は何か貰えると思っていれば、
そうでなかった時の失望感は、
期待の反動で大きいものだ」 |
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鳴島
「あー、マスターは貰えなかったと」 |
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光一
「いや、貰ったよ。
全部で5人から」 |
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鳴島
「じゃあ、
別にいいじゃないですかぁ」 |
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光一
「いや、問題はだね……
先日このサイトのTOP日記で
すっごい主張したのに…………
当日誰からも反応がなかった事だ!」 |
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鳴島
「あらー…………」 |
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光一
「休日出勤から14日帰宅して
メールチェックしたときの……
『0件』
この絶望感ときたら…………」 |
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鳴島
「まあまぁ…………」 |
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光一
「この期待裏切られ感…………
『ユダ級』か『光秀級』だよ?」 |
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鳴島
「それで今日のTOP日記では、
色々言っていたと…………」 |
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光一
「そのとおりだよ!!
特に女性の閲覧者は頬を赤らめながら……
『光一さんが欲しくないって言っても、
私、光一さんにあげたいの!!』
ってメッセージを添えて……
行動して欲しかった!!」 |
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鳴島
「マスター…………」 |
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光一
「なにかね?」 |
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鳴島
「気持ち悪いですよぉ……」 |
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光一
「なっ!?」 |
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鳴島
「良い年した大人が、
いつまでもいつまでも……
グチグチと男らしくないですねぇ……」 |
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光一
「な、何を言うかね!!
この世は主張したもの勝ちなんだよ!
きっちり主張しないと何も変らない!」 |
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鳴島
「言っている事は正論ですがぁ、
動機と内容は不純ですねぇ……」 |
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光一
「ふん、この世に不純じゃないものなどないぞ。
どのような形態にせよ主張することは、
結局リターンを求めての事だからね!」 |
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鳴島
「言い切った!?」 |
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光一
「あれだよ?
モテるモテないってのだってね、
女性に声をかけるかかけないかだけだよ?
行動もなしに付き合うなんてありえない!」 |
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鳴島
「まぁ、そうですねぇ」 |
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光一
「つまりだよ、
手に入れたいものがあれば努力を惜しまない。
バレンタイン貰いたいなら、
その努力も惜しまないことなのだ!」 |
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鳴島
「プレゼント貰うために……
ネットで全国規模の宣伝は……
ちょっと違うかなと思いますけどぉ」 |
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光一
「何を言うかね!!
欲しいと主張すれば、
当然貰える可能性は高くなる!
故に私は主張したのに…………」 |
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鳴島
「このサイト宛には
1つもプレゼントなかったですねぇ♪」 |
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光一
「うるさいな!!
だから失望も大きいのだよ……
そろそろ開店から6年になるのに……
君も看板娘として危機感を持ちたまえ!」 |
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鳴島
「あ……………………
私、看板娘でしたね♪」 |
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光一
「それは忘れちゃいかんだろ!」 |
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鳴島
「まあ、それはともかくぅ。
6年もやっているから、
みなさんマスターの事を
よーくご存知なんですよぉ♪」 |
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光一
「どういう意味かね?」 |
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鳴島
「バレンタイン
何も貰えず
美味しいな♪」 |
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光一
「……………………」 |
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鳴島
「テキストサイトはやっぱり
そうでなくっちゃねぇ♪
ね、マスター♪」 |
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光一
「しまった…………
そういう読み方もあったのか……
くそっ…………
6年前開店したとき、
『モテモテカフェ』って命名すれば!」 |
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鳴島
「モテない人ほど、
『モテモテ』って言葉使いますよねぇ?」 |
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光一
「……………………」 |
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鳴島
「そんなサイト名にしていたら、
「あ、ここのマスターには
ゼッタイあげないほうが
ネタにできるから喜ぶかな♪」
って思われますよぉ♪」 |
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光一
「しまった…………
そうであるならば女性にウケるような……
『一流ホスト光一館』とでも命名していれば」 |
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鳴島
「だ〜か〜ら〜…………」 |