  | 
      鳴島 
       
      「マスター、マスター」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「なんだね?」 | 
    
    
        | 
      清香 
       
      「おはようございます」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「あ、そっか。あいさつ忘れてた。 
       
      一応、おはようございます」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「うん、綾香君。 
       
      驚くほど敬意を感じない挨拶だったね」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「恐縮です♪」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「誉めてないんだが…………」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「あ、そうそう。それでですねぇ」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「なんだね?」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「マスターは靴下が好きなんですかぁ?」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「…………はぁ?」 | 
    
    
        | 
      清香 
       
      「それだけ聞くと、 
       
      マスターが変態みたい」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「いやいや、待って。 
       
      ちょっと待って、どういう事!?」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「いや……だって、マスター。 
       
      『ワイロとして靴下を貰った』んですよねぇ?」 | 
    
    
        | 
      清香 
       
      「こういう人いるって聞いた事はある。 
       
      学校とかに侵入して、 
       
      女子高生の体操服を盗んで回るとか、 
       
      女子中学生の上履きを収集するとか…………」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「しかも、そういうのが高値で売られていたり」 | 
    
    
        | 
      清香 
       
      「警察に捕まって、報道される変質者の類?」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「家宅捜索後に、 
       
      段ボール箱が積みあがる位、 
       
      そういう品々が押収されるんですよねぇ」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「そういう事、私はしてないからねっ!」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「だって、靴下貰ったんですよねぇ?」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「ゲームでな!! ゲームプレイ日記ね! 
       
      ゲームで貰った事と、 
       
      現実の私を一緒にしないでくれるかな!?」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「現実で貰えないから…………」 | 
    
    
        | 
      清香 
       
      「ゲームの世界で貰う………… 
       
      ゲームの世界で願望をかなえたと?」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「現実の私もそういう嗜好は、 
       
      一切持っておりません!」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「警部、どう思いますか?」 | 
    
    
        | 
      清香 
       
      「犯人ほど、自分は違うと言う」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「白状したまえ。 
       
      『女子高生の靴下を集める』 
       
      ……君の趣味なんだろう?」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「違います」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「しかも、それのにおいをかぐ、 
       
      ブラックマーケットに売って、 
       
      お金を稼いでいたんだろう?」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「ガンパレという、ゲームでの話です」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「やれやれ、強情な奴だ」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「って、何の話になっているのかね!?」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「マスターもノリノリだったじゃないですかぁ♪」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「どちらにせよ、 
       
      私には変質的な趣味はないんでね」 | 
    
    
        | 
      清香 
       
      「……………………」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「マスター?」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「なにかね?」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「マスターが今、 
       
      私の髪を触っているのは?」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「ふむ、それは私が髪を好きだからだね」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「全然理由になっていないようなぁ」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「まあ私は、 
       
      『全国ポニーテール萌え同盟』を、 
       
      2005年から主催しているほど、 
       
      ポニテが好きだしね?」 | 
    
    
        | 
      清香 
       
      「……………………」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「綾香君がポニテである以上、 
       
      触るのは半ば義務というか? 
       
      綾香君も触られるのは業務の内というか?」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「これが業務の内!? 
       
      セクハラですよぉ!?」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「どこがだね!?」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「裁判長、判決を!」 | 
    
    
        | 
      清香 
       
      「死刑」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「なんでだね!?」 | 
    
    
        | 
      清香 
       
      「罪状、 
       
      髪フェチという特殊嗜好を持ち、 
       
      被告がセクハラにおよび続けたため」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「ほーら。マスターも、 
       
      特殊嗜好持っていますよねぇ?」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「靴下を集めて喜ぶ人と、 
       
      一緒にしないで欲しいんだけど!?」 |