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光一
「うーむ…………」 |
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鳴島
「およぉ、マスター。
何やら考え事ですかぁ?」 |
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光一
「おお、綾香君。
うむ。少しばかり考え事をね」 |
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鳴島
「お給料上げてくれるなら、
相談に乗ってあげてもいいですよぉー」 |
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光一
「別に相談に乗ってもらわなくてもかまわないし、
何で君なんかの給料をアップしてやらなくちゃならんの?」 |
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鳴島
「なっ!!
定期昇給だけで済ませるつもりですかぁ!」 |
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光一
「君の場合、
定期昇給なんてそもそも無いんだけど」 |
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鳴島
「そういうマスターの経営姿勢が、
私という貴重な従業員のやる気を削ぐんですよぉ!」 |
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光一
「何がやる気だね!!
店のワインを閉店後に勝手に飲んだり、
備品を振り回して、雇用主に大けがをさせたり……
むしろ給料を下げない事を感謝してもらいたいよ!」 |
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鳴島
「それはそれ、これはこれですぅ!!」 |
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光一
「何を身勝手な事を…………
むしろ、君の雇用を継続している方が奇跡ですよ?」 |
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鳴島
「ウソだぁ!!」 |
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光一
「ウソなわけあるか!!
って、何で君の給料の話になっているのかね?
自分に都合のよい方に話を流さないでくれたまえ」 |
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鳴島
「ぶー」 |
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光一
「『ぶー』じゃないよ、まったく」 |
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鳴島
「どうせマスターの悩みなんて、
くだらないものに決まってますも―ん。
だったら私のお給料の悩みの方が
有意義な悩みですも―ん」 |
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光一
「安心してくれ。
君の給料はたとえ1銭でもアップするつもりはないから」 |
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鳴島
「安心できない!!
私の生活が安心できない!!」 |
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光一
「第一、
私の悩みがくだらないに決まっているとは何かね?」 |
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鳴島
「だって、
くだらないものに決まっている気がしますもん」 |
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光一
「君よりは少なくとも悩みは多いよ。
少なくとも君よりも有意義な悩みが多いよ」 |
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鳴島
「どうせマスターの悩みなんて…………」 |
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鳴島
「巫女さんとエッチしたいなーって程度の悩みでしょ?」 |
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光一
「そんなん悩みじゃないわ!!」 |
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鳴島
「またまたー…………」 |
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光一
「巫女さんとエッチしたいのは悩みじゃなくて、
一生涯の夢だよ、夢!! 男のロマン!
巫女さんとエッチしたいなー…………
どこに行けばできるのかねえ、知ってる綾香君?」 |
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鳴島
「知りません!!
そんなにコスプレエッチしたければ、
イメクラにでも行けばいいじゃないですかぁ!!」 |
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光一
「イメクラ!?
ふざけないでくれたまえ!!
純粋な巫女さんとしたいんだよ、私は!!
あるいは無償でさせてくれれば、コスプレでも……」 |
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鳴島
「奥さんがいるのに!?」 |
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光一
「大丈夫!!
嫁の前では毎日のように言っているから!!
というか、まだ結婚していません!!」 |
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鳴島
「さ、さ、最低ですぅー!!」 |
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光一
「それでうまくいってるんだから、いいだろうが。
付き合いだした5年前から言ってるもん。
というか、それで悩んでいるわけがないだろ。
もっと日常に根差した事だよ」 |
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鳴島
「じゃあ、なんですかぁ?」 |
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光一
「前回の日記でさ、嫁と暮らし始めて……
悩みを打ち明けていたではないか」 |
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鳴島
「あー、帰宅して奥さんに土下座したとかですよねー。
理由は…………
『会社でジュースを飲んですいません!!
30円も無駄遣いしてすいませんーー!!!』って」 |
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光一
「あの日記の後、沢山の反響があってね。
『もっと堂々としていたら良い』という意見から、
『光一さんって、Mですよね』って意見まで……」 |
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鳴島
「Mですよねぇ?」 |
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光一
「Mじゃないわ!!
そして悩みはそこでもないわ!!
こう……何て言うのかね?
どうしたら私は威厳と権威を維持できるのかね?」 |
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鳴島
「それなら大丈夫ですよぉ♪」 |
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光一
「お、と言うと?」 |
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鳴島
「元から威厳もないし、権威もないし♪
失うものは何も無いんですから、大丈夫ですよぉ」 |
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光一
「な、何を言うかー!!」 |
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鳴島
「威厳や権威があるなら、
まずはそれを示すためにも、
従業員である私の給料をアップしてみてはどうですかぁ。
そうしたら、もう少し言う事聞いてあげても良いですよ?」 |
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光一
「何で上から目線なんだ!!
君は従業員なんだから、言う事聞いて当たり前!!
そもそも私の威厳や権威と何ら関係ないだろ!」 |
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鳴島
「ありますよぉー。
マスターが私にお金を一杯くれれば、
『あ、都合のよい経営者でよかったー♪』
……じゃなくて、
『お、マスターすごーいって思いますよぉ』」 |
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光一
「今、思いっきり本音が出ただろ!!」 |
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鳴島
「何の事か分かりかねます!!」 |
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光一
「明らかに私のこと、
都合の良い人間って扱いをしたね、君!」 |
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鳴島
「言ってない言ってないですぅ!!」 |
(≧_≦)(゜Д゜)
君なんかの給料なんて、絶対上げるもんか
なんでですかぁー!!
(≧_≦)(゜Д゜)
マスターに、威厳アップなんて無理ですよぉ!
なんだとー!!
(≧_≦)(゜Д゜)
ずっと尻に敷かれていれば良いですぅ―
言わせておけばー!!
O(≧_≦)=◯)゜Д゜)
給料上げろ―!!
ばぎゅぅぅ!!
(゜Д゜(O=(・_・O
雇用主に手を上げるか!!
みぎぃぃぃ!!
(O゜Д゜)Oε=ε=┏(゜Д゜)┛
こうなったら力づくで給料アップさせてやるぅ!
はっ、そんな事で給料を上げるとでも?
ε=ε=ε=(O°ロ°)Oε=┏(゜ロ゜;)┛
お金をよこせー!!
むしろそれは、強盗ではないのか!?
ε=ε=ε=ε=(/°ロ°)/゜;)┛
おらおら、財布をよこせですぅー!
わぁぁぁ…………!!
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