|
光一
「うーん、最近は暖かくなってきたねえ。
お、綾香君。おはよう」 |
|
鳴島
「あー、はいはい」 |
|
光一
「おはよう」 |
|
鳴島
「……………………」 |
|
光一
「おはようございます?」 |
|
鳴島
「はあ」 |
|
光一
「なんだねなんだね。
暖かい空気になってきて、
気分の良い朝になってきたというのに、
この気分の悪い朝の挨拶は!」 |
|
鳴島
「そりゃあ…………
気功でスカートめくり練習
なんて事をしている人には、
この程度の挨拶で充分ですよぉ」 |
|
光一
「はあ!?」 |
|
鳴島
「挨拶をしてもらっただけ、
ありがたいと思ってもらいたいですねぇ」 |
|
光一
「誰がそんな事をするかね!
第一、できるわけないだろ!!」 |
|
鳴島
「あー、
だから練習しているわけですかぁ」 |
|
光一
「練習もしておらん!」 |
|
鳴島
「だって…………
マスター宛の初恋の人からの手紙。
『光一、今でも気功で
スカートめくる練習してる?』
『真剣な顔で説明していたよね?』
って出だしで始まってますよね?」 |
|
光一
「ぶばぁ!?」 |
|
鳴島
「しかも…………
『どうせ胸が大きければいいんでしょ』
って言われて…………
『カラダ全体が大事だよ』って……
身体目当ての付き合いですか?」 |
|
光一
「ぷふっ!?」 |
|
鳴島
「まったく女の敵もいいところですよねぇ。
だから手紙にも
『恋愛依存症だった私が、
恋愛は当分いいやと思った』
なんて書かれちゃうんですよ!」 |
|
光一
「がぁふっ…………」 |
|
鳴島
「ああ、でも。
『口だけなところは、光一らしかった』
って的確な表現も受けてて良かったですねぇ」 |
|
光一
「全然的確ではない!」 |
|
鳴島
「しかも手紙を見るに…………
『本気でしていた透視の練習』って
気功でスカートをめくり、
透視をしようとしてた13年前……
今も昔も変らない…………
ダメダメ人間だったんですねぇ」 |
|
光一
「私のどこがダメ人間かね!」 |
|
鳴島
「あ、そうそう」 |
|
光一
「な、何かね?」 |
|
鳴島
「初恋の人にプレゼントで
下着なんてあげてたんですかぁ?
この変態野郎!!」 |
|
光一
「変態野郎!?」 |
|
鳴島
「いやぁ、初恋の人からの手紙に、
『光一が誕生日にくれた下着、
そろそろ捨てていいですか?』
なんて書かれるとはねぇ。
普通はいませんよ、そんな人」 |
|
光一
「いや、それはだな」 |
|
鳴島
「誕生日プレゼントに下着なんて……
単なるスケベじゃないですかぁ。
この下着をはいて、
エッチしろとでも強要したんですかぁ?
むしろ、別れの原因ですかぁ?」 |
|
光一
「そんな事まで強要せんわ!!」 |
|
鳴島
「今の彼女さんに強要している人が
そんな事言っても説得力ないです」 |
|
光一
「だから強要はしてないだろ。
エプロン買ってあげるから、
私の前では裸エプロンでいてほしい
そう言っただけだろ!!」 |
|
鳴島
「変態、ド変態!!」 |
|
光一
「だから私は変態じゃない!!」 |
|
鳴島
「というか、13年前の初恋相手……
13年前のマスターって、
高校に入学した頃ですよねぇ?」 |
|
光一
「そうだねえ」 |
|
鳴島
「そんな少年時代に、
初恋の彼女さんに
下着をプレゼントとか、
カラダが大事って…………
とんでもない少年だったんですねぇ」 |
|
光一
「だから違うわ!!
これ、ネット上でのサービスなの。
『初恋の人からの手紙』って。
アンケートに答えると、
なんか手紙が届くようになっているの。
13年前にそんな記憶などないわ!」 |
|
鳴島
「マスター…………」 |
|
光一
「なんだね?」 |
|
鳴島
「アンケートに答えただけなのに、
なんでこんなにも
マスターの性癖を
的確に当ててるんですかぁ?」 |
|
光一
「的確!?」 |
|
鳴島
「だってマスター…………
実際彼女さんに
裸エプロンを半強制していますしぃ、
いっつもいっつも、
エロイ事しか考えてないですよねぇ?」 |
|
光一
「エロイ事考えるのは、
男なんだから仕方ないだろ!!」 |
|
鳴島
「にしたって、
アンケートに答えただけで、
こんなにも的確な内容の手紙……
届くもんですかねぇ?」 |
|
光一
「全然的確ではない!!
そもそもスカートめくりの練習とか、
透視の練習なんてしてないぞ、私は!!
せいぜい、プールで水着の女性を
至近距離で後ろからつけて
胸・アソコを凝視していたぐらいで……
13年前は、その位しかしていない!」 |
|
鳴島
「……………………」 |
|
光一
「あー、あとは
リアルの初恋相手だった従姉弟の胸を
不意に揉みしだいたくらい?
大体13年くらい前に。
あれが多分、初胸もみ!!」 |
|
鳴島
「……………………
…………変態!!
なんでそれで捕まってないんです!」 |
|
光一
「なんでって…………
これぐらい普通だろう?」 |
|
鳴島
「ゼッタイ違う!!」 |