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光一
「綾香君」 |
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鳴島
「なんですかぁ?」 |
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光一
「店外の花達に、
肥料やってきてくれない?
倉庫に肥料があると思うから」 |
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鳴島
「わかりましたぁ♪」 |
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光一
「さーて、私は仕込みでもしているか」 |
5時間後
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清香
「おつかれさまです♪」 |
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光一
「お疲れ様」 |
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鳴島
「おつかれー」 |
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清香
「そうだ、マスター。
聞いて良いですか?」 |
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光一
「ん? なに?」 |
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清香
「店の外に置いてあるのって……
何か意味あるんですか?」 |
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光一
「外?」 |
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清香
「外の植え込みに……」 |
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清香
「ニボシが沢山おいてあるんですが」 |
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光一
「ニボシ?」 |
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鳴島
「あー、それ♪
私が置きましたよぉ♪」 |
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光一
「ニボシを?」 |
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清香
「植え込みのところに?」 |
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鳴島
「ほぇ?」 |
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光一
「何でそんなことしたのかね?」 |
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鳴島
「ふむぅ?
だってマスター、今日の昼間に言いましたよね。
外の花達に肥料をあげてきてくれって」 |
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光一
「確かに言ったね。
肥料をあげてきてくれと……確かに言った」 |
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鳴島
「だから、ニボシをあげてきましたぁ♪」 |
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光一
「何故そうなる!?
倉庫に肥料無かったの?」 |
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鳴島
「ほえ?
肥料って栄養ですよね、植物の」 |
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光一
「まあ、そうだね」 |
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鳴島
「倉庫を探していたら、
すぐ目の前にニボシがありましたので♪
それを植え込みにパーッとまいてきました!」 |
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光一
「……………………」 |
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清香
「マスター、マスター?」 |
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光一
「あ、すまんすまん。
ちょっと意識が飛んでいたよ。
うん……聞き間違いだよね?」 |
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清香
「いやー、残念ながら…………」 |
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光一
「植え込みに肥料をあげてきてと言って、
ニボシが目に入ったといって、
それをバラまいてくる……あり得るのかね?」 |
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鳴島
「え? 何かおかしかったですかぁ?
だって、ニボシって栄養ありますよね?
煮詰めてダシもとるじゃないですか?」 |
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光一
「うん。栄養もあるし、ダシもとるね」 |
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清香
「でも見た感じ…………
袋から出したのを、そのまま置いてたよね?」 |
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鳴島
「あっ!!
そっか……煮詰めてから置くべきだった?
乾いたままのニボシを置いただけだった……」 |
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光一
「いや……そういう問題ではない……」 |
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鳴島
「あれ? 違いますかぁ?」 |
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光一
「いや、私は肥料をあげてきてくれと……」 |
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鳴島
「だから、
肥料になりそうなニボシを使いましたぁ♪」 |
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光一
「あー、うん。確かに肥料には成りえるかもね。
うん。私の言い方が良くなかったのかねえ?」 |
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清香
「いやー……普通は肥料をあげてきてと言われて、
ニボシを持って行く人は……少ないかと」 |
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鳴島
「そうなの!?」 |
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光一
「言葉が通じないって…………
色々な意味で大変なんだねえ。
うん。今回は私が……悪かった、の?」 |
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鳴島
「ほぇ?」 |
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光一
「綾香君、コレ、倉庫の中にあった肥料」 |
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鳴島
「あー、確かに!!
"栄養補給"って書いてありますねぇ♪」 |
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光一
「うん…………そうだね」 |