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清香
「おはようございます…………って」 |
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鳴島
「おはよぉ〜…………
清香は夏休みに入ったんだ〜。
いいな〜、学生はいいな〜」 |
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清香
「ちょ…………
店の中、異常に暑くない!?」 |
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鳴島
「そうだねぇ…………
外の方が若干涼しいかもぉ……」 |
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清香
「な、何かあったの?」 |
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光一
「清香君、おはよう……」 |
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清香
「マスター、おはようございます。
どうしたんですか、この暑さ?」 |
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光一
「うん…………そうだね……」 |
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鳴島
「エアコンが…………」 |
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光一
「壊れたんだよ…………」 |
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清香
「この暑さの中でですか!?」 |
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光一
「先日梅雨明けしたら、
一気に暑くなったよね……
連日30度越え……40度近くまで上がるしねえ」 |
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鳴島
「今朝店に出てきたら……
エアコンが壊れてて…………」 |
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光一
「本来暑い日のオアシスとなるカフェで……
この尋常じゃない暑さ…………
店の中で脱水症状になりそうだねえ。
エアコンの修理……いつ来るんだろう……」 |
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鳴島
「というか、マスター…………
さっきまで軽い脱水症状で横になってましたよね。
『床が冷たくて気持ちいい』とか言って」 |
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清香
「確かにこの暑さは……シャレにならないかも」 |
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鳴島
「マスター…………
今日は臨時休業にして休みましょうよ」 |
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光一
「バカモン!!」 |
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鳴島
「にゃうん!?」 |
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光一
「暑い寒いで店を休みにしたら、
この暑い中やって来るお客さんに申し訳ないだろ!
社会人たるものが、そんな事で仕事を休めるかね!」 |
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鳴島
「そりゃそうですけどぉ〜…………」 |
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光一
「この暑い日だからこそ、
カフェで涼みながら、ドリンクを飲んだり……
またはビールなどで爽やかになりたいのではないか!」 |
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鳴島
「あ〜、ビールいいですねぇ〜♪」 |
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光一
「気温が1度上昇すると、
ビールの売り上げが1日100万本増えるといわれている!
お客さんも楽しみにしているに違いない!!
そんな中、我々が店を臨時休業? できるかね?」 |
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鳴島
「確かに!!
ビールと涼しさのためなら、店は休んではいけません!」 |
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清香
「あの〜…………」 |
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光一
「見たまえ、綾香君!!
店の室温がとうとう40度を超えたではないか!」 |
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鳴島
「ホントだぁ!?」 |
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光一
「こういう時こそ、このカフェとしては、
ビールを提供してお客さんに楽しんでもらわねば!」 |
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鳴島
「もらわねば〜!!」 |
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清香
「もしもし〜?」 |
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光一
「プハー!!
うーん、ビールが旨いじゃないか!!」 |
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鳴島
「旨いじゃないかぁ!!」 |
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光一
「この暑さだと、ビールが幾らでもいけるなぁ!!」 |
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鳴島
「いけますなぁ!!」 |
カンパーイ!!
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光一
「いやー……たまらんねえ、暑い日にビール!!」 |
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鳴島
「ひゃはっはっはっ!!」 |
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清香
「……………………
取りあえず、入口に『臨時休業』の札、貼っておきますね」 |
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鳴島
「おおー、いいぞいいぞぉー!!」 |
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光一
「今日は臨時休業臨時休業!!
ビール祭りだね、綾香君!!」 |
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鳴島
「夏はビール最高!!
清香もどうよー!!」 |
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清香
「まったく……酔っぱらって……
私は高校1年生だっての…………」 |
プルルルプルルル
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鳴島
「マフタァー、でんふぁがふぁってふぁふよぉ!」 |
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光一
「んー、何? なにがふぁってるってぇ!?
いやー、綾香君も結構飲めるクチだねえ!!!」 |
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清香
「もしもし。はい……はい。
はい、よろしくお願いします」 |
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鳴島
「なんんおれんわだったのかなぁ〜?」 |
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清香
「昼間っから……ろれつが回ってない……
えっと、エアコンの修理だけど、
来てくれるのは今日の夕方頃だって」 |
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光一
「おおー、エアコンが修理されるのかぁ!!」 |
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鳴島
「ばんじゃーいばんじゃーい!!」 |
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清香
「暑さでダメになったのか……
お酒のせいでダメになったのか……
どちらにしてもどうなんだろ…………」 |
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光一
「ん〜?」 |
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鳴島
「何か言ったのかなぁ〜? 言ったのかなぁ〜?」 |
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清香
「…………空耳じゃないの」 |
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光一
「空耳〜〜〜〜!!」 |
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鳴島
「アワ〜〜〜〜!!」 |
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光一
「分かってるね、綾香君!!」 |
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鳴島
「もちろんですともぉ!!
カンパ〜イ!!」 |
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清香
「……………………」 |