8/15(火)
マスターの頭おかしいんじゃないですかぁ?

鳴島

うわぁ…………
光一

おや?

綾香君、おはよう
鳴島

これはいくら何だって……
光一

おはよう
鳴島

うーん…………
光一

綾香君、おはよう!!
鳴島

うわぁっ!?

……って、マスターですかぁ。

朝から驚かさないでくださいよぉ
光一

さっきから挨拶をしているのに、

その言い草はないと思うのだがね
鳴島

あー、ところでマスター?
光一

何だね?
鳴島

マスター…………

頭どうかしてるんじゃないですかぁ?
光一

何なんだね、いきなり?

なんとも失礼な…………
鳴島

だってぇ…………

あー、やっぱりおかしいですよぉ
光一

だから何がだね!?
鳴島

自分でお分かりになりませんかぁ?
光一

…………いきなりだよ。

朝一で挨拶は気付かれないわ、

気付いたと思ったら

『頭おかしいんじゃ?』扱い?

全然意思疎通ができていないのに、

どうやって何を理解しろと?
鳴島

はぁ……自覚がないって

怖いですねぇ…………
光一

そのままそっくり返すがね。

というか、

君の頭の中を覗けとでも?

私は君と違ってだね、

電波系の人間ではないのだが
鳴島

人を電波扱いしないでください!

もう!!
光一

だって、君からの会話の内容が

一方通行過ぎて分からんのだから、

それで理解しろと言われても無理。

そんなの電波系人間しかできんだろ?
鳴島

ふぅ……やれやれ、

らちが明かないので、

無自覚のマスターにも分かるようにしますよぉ
光一

で、私が何に無自覚で、

何で頭がおかしいと言うかね?
鳴島

今日の日記をご覧になられてはぁ?
光一

あー、私と彼女のデート話だろ?
鳴島

これでもお分かりになりませんかぁ?
光一

何をだね?
鳴島

彼女さんが怖がることを分かって、

『観覧車を揺らしたり』

高いところや絶叫系が苦手なのに、

『ジェットコースターに無理矢理乗せ』

わざと嫌がることをするなんて……

頭おかしいですよぉ、絶対
光一

なな、何でそんなことで

『頭おかしいですよぉ』

とまで言われねばならんのだね!
鳴島

おかしいじゃないですかぁ
光一

いや、良く考えてみてくれたまえ。

よく小学生とかに見受けられるが、

好きな人にちょっかいって出したくなるだろ?
鳴島

まぁ……否定はしませんねぇ。

確かに好きな人の反応が見たくて、

思わずちょっかい出しますからねぇ
光一

それと同じじゃないかね。

好きな人が嫌がる反応なんて、

普段と違って新鮮だろう?

たまに、こういう日常しないことを、

彼女と体験共有することは、

2人の関係に新鮮な雰囲気を持ち込むじゃないか
鳴島

まぁ…………

恋人同士の関係に、

普段と違う新鮮な空気を入れるのは、

健全な関係だと思いますよぉ
光一

な、そうだろ?

私のやったことは、一見嫌がらせだが、

しかしその実は、

彼女との関係をよく考えた上でのことだ
鳴島

そうですかねぇ?
光一

そうなの!
鳴島

新鮮な空気を入れるってだけなら、

2人で動物園や遊園地に行った

それだけで充分じゃないですかぁ?
光一

まあ、それも一理はある。

その翌週には海水浴とか、横浜デートもしたし
鳴島

じゃあ、わざわざ

観覧車揺らしたり、

嫌がるジェットコースターに引っ張っていったり

……必要ないのではぁ?
光一

まあ、若干それにも一理あるね
鳴島

本当は何のかんのと理由付けして、

彼女の怖がる顔が見たかっただけ?
光一

好きな娘の怖がる顔や叫び声って、

ものすごく快感ではないかね。

私はゾクゾクしたよ♪
鳴島

…………

やっぱりマスターは、

ただの頭がおかしい人ですぅ
光一

そんな事はない!
鳴島

彼女さんが実家に帰省したのも、

奥さんが旦那さんに嫌気がさして

『実家に帰らせていただきます』

って言うようなものだったりして……
光一

それこそそんな事はない!
鳴島

ともあれ、

あんまり女の子が嫌がることはしないように。

……変態マスター
光一

変態って…………

君も、私が嫌がるような呼称を付けないように
鳴島

そうされないように

努力してくださいよぉ

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