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光一
「おはよう、綾香君」 |
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鳴島
「おはようございますぅ」 |
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光一
「うーん…………」 |
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鳴島
「どうしましたぁ?」 |
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光一
「いや、
この店をアピールするのに、
人に訴えかける何かがないかと思ってね」 |
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鳴島
「あー、宣伝ですかぁ?」 |
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光一
「うむ。
人を惹きつけ、
なおかつそれなりの情報を含有する……」 |
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鳴島
「えー、だったら簡単ですよぉ」 |
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光一
「ん?
何かね?」 |
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鳴島
「巨乳な女の子の身体が大好きな
そんなマスターが経営する…………」 |
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光一
「って、待ちたまえ!!
なんだね、それは!?」 |
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鳴島
「このお店の紹介ですけどぉ、
…………何かぁ?」 |
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光一
「『何かぁ?』じゃないだろ!
なんで君が不満げなんだ!?
宣伝どころか、
私の名誉を傷つけているだけではないか!
これでは私は単に「すけこまし」とか
悪いイメージでしか見られないではないか!!」 |
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鳴島
「えー…………
ちゃんと店の経営者アピールになってますよぉ。
それに、客観的な情報が含まれてますしぃ。
マスター…………
よく女性の胸触るじゃないですかぁ」 |
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光一
「つお、誤解招く表現はやめなさい!!
合意の上でしか触ってないから!
君は私に何か恨みでもあるのかね?
それのどこが人を惹き付けるのかね?」 |
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鳴島
「警察……とかぁ?
一回更生してきたらどうですかぁ?」 |
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光一
「私は更生の必要がない好青年だっていうの!
そもそも客観的かつ公正に
ものを見れない君に聞いたのが間違いか」 |
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鳴島
「失礼な!!
私は自分自身を客観的に見れますぅ。
マスターとは違うんですぅ!!」 |
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光一
「なっ!?
君には言われたくないぞ、
私の方が事態を客観的に捉えられる!」 |
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鳴島
「そーかなぁ?
自分を好青年とか言ってるクセにぃ」 |
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光一
「そうなの!!」 |
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鳴島
「マスターはあんまり客観的には見れないかと。
だって、マスター女性を判断する時って、
常に胸で判断するじゃないですかぁ?」 |
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光一
「その表現も誤解を招くではないか!
それに、胸だけじゃないぞ。
全体のバランスが整っている中で、
胸が大きい女性を見ているだけだ」 |
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鳴島
「エッチな視点以外で女性が見れない。
そんなマスターは、
客観的に人を見れるとは言いがたいのではぁ?」 |
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光一
「そんなことはない!!」 |
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鳴島
「いや、でもそれって…………」 |
エッチな人は嫌いです!
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鳴島
「常にエッチ前提視点が入り込むから
冷静に女性を見てないですよねぇ?」 |
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光一
「ぐむ……って、待て!!
店の宣伝をするって話から、
どうしてこんな話に飛んだんだ!?」 |
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鳴島
「さぁ?」 |
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光一
「綾香君が変な宣伝文句を
考えようとしたからではないかね?」 |
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鳴島
「まぁ、いいや♪
で、何で急に店の宣伝なんて思い立ったので?」 |
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光一
「前回から東京に行ったときの話をしているが、
その際の話でね。
東京でみかけたポスターが
なんだか、ものすごい訴えてきたからだけど」 |
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鳴島
「どれどれ…………?」 |
海でやろう
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鳴島
「うあ!?」 |
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光一
「ね、なんだか変なインパクトあるでしょ?
やはり、人に訴えかけるには、
この位斜め上に行かないとダメかなと……」 |
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鳴島
「斜め上の行き方次第では…………
前に見たH市の廃棄物対策課作成の
パンフみたいな大惨事に……」 |
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光一
「あー、あれね…………
確かにあれはヒドかった…………」 |
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鳴島
「ましてやマスターは
思いっきしセンスが無い
わけですからぁ、
あんまりこだわって考えない方がぁ……」 |
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光一
「し、失礼な!!
あれは昔の私だ。昔の。
あれから数年経った私は
バリバリのイケてるセンスを持ってるはず!!」 |
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鳴島
「バリバリとかぁ…………
イケてるって時点で……
もうセンスのカケラも感じられません」 |
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光一
「なんだね!!
じゃあ、
君こそ良いキャッチコピーを考えてみたまえ!」 |
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鳴島
「そうですねぇ…………
あっ! ありますよぉ♪」 |
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光一
「どんなキャッチコピーかね?」 |
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鳴島
「当サイト『失変カフェ』、
マスター失恋のあかつきには、
『失恋カフェ』として新生爆誕!!
乞うご期待♪」 |
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光一
「不覚にもウマイと思ったが!!
私が不幸になるの前提ではないか!」 |
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鳴島
「そのくらい身体を張ってネタを出せば、
お客様は後からついてきますよ!!
さ、頑張って彼女さんにフラれてきましょう!」 |
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光一
「イヤやっちゅーねん!!」 |
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鳴島
「ワガママですねぇ、もう。
子供じゃないんだからぁ」 |