|
光一
「まあ、人は生きている以上ね、
色々あらぬ誤解を受けることがあると思う」 |
|
鳴島
「まぁ…………
それはそうですねぇ」 |
|
光一
「発言等を含む様々な行動が、
本人に例えその気がなくても
周囲に誤解を与えたり……」 |
|
鳴島
「まぁ、確かにぃ……」 |
|
光一
「私も結構人から誤解されることが多い。
まあ……率直に思ったことを言うからなあ」 |
|
鳴島
「マスターの場合は、
『欲望に忠実な発言』
をするから誤解されるんじゃ……」 |
|
光一
「私はそこまでひどくは……」 |
|
鳴島
「彼女さんに、
『男はエッチで危ないものだ』
という認識を与えましたよねぇ……」 |
|
光一
「あれは……まったく誤解!
私は彼女を心配して……」 |
|
鳴島
「しかも、それに対して
不自然なぐらいの理論武装で
反論していましたよねぇ?」 |
|
光一
「いや……それは……」 |
|
鳴島
「まぁ、これはこの際置いておいて。
今回とは別件でどうでも良いので」 |
|
光一
「私の名誉に関わるから
どうでも良くはないんだが……」 |
|
鳴島
「人から誤解を受けるには、
やっぱりそれなりの背景があるのではぁ?」 |
|
光一
「うむ。それはあるな」 |
|
鳴島
「最終的にそれが深刻な誤解として
受け取られないか否かは、
その人の誠実さとかに
かかってると思いますぅ」 |
|
光一
「うむ。
以前からの行動や認識のあり方……
そういった事はいざという時に重要だ。
誤解はやはり、
その発言までの背景等、
その人の足跡に由来すると思う」 |
|
鳴島
「だから、マスターの場合は、
様々な問題発言も今までのところは、
冗談で済んでますしねぇ」 |
|
光一
「その点は彼女に感謝」 |
|
鳴島
「なんせ彼女さんは、
『光一さんはエッチな人だから』
『だからしょうがない……』
って思ってくれてますもんねぇ」 |
|
光一
「…………待て?
何だか引っかかる……
私の名誉を傷つけているような?」 |
|
鳴島
「気のせい気のせい」 |
|
光一
「うーん…………」 |
|
鳴島
「あ、そうだ。
何で今日は
こんな話になったんでしたっけ?」 |
|
光一
「ん? ああ。
私が職場で誤解を受けることがあってね。
それでこの話を持ち出したんだけど……」 |
|
鳴島
「職場で誤解?」 |
|
光一
「そうそう」 |
|
鳴島
「というと、どんなのですかぁ?」 |
|
光一
「私の今日の日記にあるんだけど……」 |
|
鳴島
「どれどれ?」 |
|
光一
「なんていうか…………
生徒が『浮気ってどこから?』
って聞いてくるから、
『人によって色々』って答えたら、
不誠実と誤解されるし……」 |
|
鳴島
「うーん、それはぁ……」 |
|
光一
「また別の生徒が、
『好みの女性のタイプは?』
って聞いてきたのよ。
そんなの聞かずとも分かるじゃない」 |
|
鳴島
「まぁ……マスターの場合は、
彼女さん一筋ですも……あれ!?」 |
|
光一
「まぁ、その通りなんだけど……
『好みは?』って聞かれたから
『巨乳の女が好き』って答えた」 |
|
鳴島
「……………………」 |
|
光一
「まぁ、でも彼女は小さいわけで……
『理想と現実は違う』と生徒に説いて」 |
|
鳴島
「……………………」 |
|
光一
「でさ、重要な事は最後に
ちゃんと言おうとしたのだよ!
『でも、そうした外見の好みはあっても、
人間最後は中身であって……
その中身がすごい素晴らしい女性だから
私は今の彼女が好き。
だからみんなも、中身で人を選べ!』
ってさ…………」 |
|
鳴島
「たく、大人って…………」 |
|
光一
「あれ?
もしかして、私怒られている?
だって、そうでしょ?
人間一番重要なのは中身でしょ?
間違ってる?」 |
|
鳴島
「そうじゃなくて、
そんな回りくどい言い方しないで、
『人間中身だ!
私はそれで今の彼女が大事だ!』
で良いじゃないですかぁ……」 |
|
光一
「いや、だってさ…………
それだとありきたりな言い方でしょ?
だから、私は理想と現実の違いを言いつつ、
最終的な結論を強く印象付けるのに、
わざわざ巨乳と貧乳の理想と現実を出し……」 |
|
鳴島
「そんなの出す必要ないですよぉ。
だからマスターは
エッチだと言われるんですぅ」 |
|
光一
「いや、だって…………」 |
|
鳴島
「このダメ教師!!
ダメ旦那!!」 |
|
光一
「!?」 |
|
鳴島
「ちゃんと反省しなさい」 |
|
光一
「……すいませんでした。
彼女が何より好きだと言えばよかったです」 |
|
鳴島
「それは私にじゃなくて、
彼女さん本人に言ってきてください!
まったく、大人っていうのはぁ……」 |
|
光一
「その通りですね」 |