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光一
「ふ〜……首肩凝るなあ……」 |
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鳴島
「……………………」 |
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光一
「何だね?
何か言いたそうにみえるのだが?」 |
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鳴島
「い〜え、別にぃ」 |
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光一
「ふぅ……しかし、もう横になって休みたいねえ」 |
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鳴島
「……………………」 |
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光一
「やはりさっきから、
何か言いたそうではないかね?」 |
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鳴島
「いや〜、言って良いものかとぉ?」 |
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光一
「何で疑問形で、笑顔なのかね?」 |
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鳴島
「それは前々から言っていますけどぉ、
アレじゃないですかぁ」 |
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光一
「何だね? 前々からとか……
アレって何だね?」 |
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鳴島
「お年を召されたんじゃないですかぁ?」 |
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光一
「何をもって私と同い年して言ってるわけ!?
私が年なら、君もではないかね!?」 |
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鳴島
「勝手に同い年にしないでくださいよぉ!
私はマスターよりも2歳年下ですぅ!
四捨五入して無理やり同い年にしないでください!」 |
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光一
「私は言われるほど年寄りじゃないわ!
だって、他ならぬ自分以外の人からだよ?
『光一君、若者なのに』って言われてるんだから!
つまり、私が若者なのは周囲が認めているんだ」 |
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鳴島
「あ〜…………」 |
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光一
「何だね?」 |
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鳴島
「それは違うんじゃないかとぉ?」 |
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光一
「ん?」 |
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鳴島
「文脈の前後を無視して、
一文だけ取り上げてますよねぇ?」 |
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光一
「いや、どういう事かは分からないが、
私が『光一君、若者なのに』って言われた、
それは事実なんだよ?」 |
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鳴島
「ちゃんと発言全体を取り上げたらぁ、
『光一君、若者なのに若くないなー』
って言われてるじゃないですかぁ? つまり、
『実際は若者じゃないね』って言う事ですよねぇ」 |
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光一
「若者なのは事実です!!
1980年10月生まれという、
どこから見ても若者です!」 |
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鳴島
「若者若者と言われますがぁ…………」 |
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光一
「ん?」 |
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鳴島
「"村娘が食べたい!"なんて…………
そんなエロオヤジっぽい事、若者が言いますかねぇ?」 |
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光一
「何を言うかね!!
若い村娘…………
男なら年齢に関係なく大好物ですよ!」 |
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鳴島
「しかもその日記の話題…………
お客さん多数に反響ありましたよね?
明らかにマスターを変態扱いする方向で?
その上……………………」 |
『"むらむすめ"をいただきます!』
清水ももこさんより♪
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鳴島
「あまりの反響に、
マスターの毒牙にかかる直前の、
泣き崩れている村娘のイラストまで届きましたよねぇ?」 |
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光一
「毒牙だって? 何を言うかね!?
私に食べられる事を喜んでる顔だろ、どう見ても?」 |
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鳴島
「これが喜んでる顔に見えるなら……
1度眼球外して洗ってきたらどうですかぁ?」 |
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光一
「怖!! なんて怖い事言うの君は!?」 |
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鳴島
「そもそも"村娘"を食べちゃうのって……
時代劇の悪代官とかのイメージなんですけどぉ。
そういう点でも、若い村娘を襲う
イコール エロオヤジなんじゃないですかぁ?」 |
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光一
「私のどこがエロオヤジかね!?
男性なら誰しもが持つ欲望だよ!」 |
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鳴島
「それをそんな堂々と酔っ払いのオジサンみたいに言うのが、
まさにオジサンの証なんですよぉ……」 |
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光一
「オジサンの証!?
だから私をオジサン扱いすると言う事は、
年齢の極度に近い君も、
オバサン扱いされるって事だからね?」 |
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鳴島
「何でそうなるんですかぁ!
年齢としてのオッサンって話じゃなくてぇ、
心持がオッサンみたいって言ってるんですよぉ!」 |
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光一
「では、第三者の意見を聞いてみようじゃないか?」 |
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清香
「…………え? はい?
なんですか、突然に?」 |
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鳴島
「今までの話からして、
マスターってオッサンだよねぇ?
というか、エロオヤジだよねぇ?」 |
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光一
「何を言うかね!?
私は健全な男性としての欲求を持つ、
健全な若者です!!」 |
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清香
「なんだか騒がしいな〜って思ってただけで、
よく話は聞いていないんですが?」 |
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光一
「いや、それならそれで、
私が若者に見える。
あるいは、若者に思える。
そうとだけ答えてくれれば良いよ?」 |
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鳴島
「それじゃあ、
どっちも若者の答えしかないでしょうよぉ!?
そもそも質問じゃない!!」 |
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清香
「ん〜、強いて言わせていただくならですね」 |
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光一
「ふむ」 |
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清香
「10代半ばの私から、
約30歳の2人の『若者 or 非若者議論』は、
どちらも五十歩百歩にしか見えないんですけど。
気にしないほうが、かえって若者っぽいですよ?」 |
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光一
「若者っぽい?
ぽいって、若者じゃないって意味を含むよね!?」 |
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鳴島
「ちょっと待って!!
五十歩百歩って、
私の年齢が若くないって言いたいのぉ!?」 |