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光一
「ということで、
とうとう禁止令が発布されてしまった……」 |
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鳴島
「あらー…………
以前からそうなるかもしれないって、
マスター言ってましたけどねぇ」 |
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光一
「そもそも最初の発端は、
生徒Aが私とI先生の似ているらしい点を
指摘しだしたことだ」 |
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鳴島
「マスターの以前の日記にありましたねぇ。
髪型とか後姿が似ているとかぁ?」 |
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光一
「そして次段階として、
私とI先生が好んで着るシャツ……
この色が青であることを指摘しだした」 |
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鳴島
「確か…………
マスターが青いシャツ着てくるから、
I先生が被るの嫌がって着てこない……
とか生徒さんに言われたんでしたっけ?」 |
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光一
「そう。生徒による私とI先生への
よく分からない指摘がなされだしたのだ。
そのせいで、私はいつかきっと……
『光一先生青シャツ禁止令が出かねない』
と8/7の日記末で書いていたのだが……」 |
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鳴島
「とうとう出てしまった……と?」 |
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光一
「だってI先生。
『頼みごとがある』って言ってきて、
仕事のことかなあと思ったら、
『青シャツ着てこないで欲しい』
って言ってきたからね」 |
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鳴島
「でもぉ、
厳密には禁止令ではないんですよねぇ」 |
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光一
「職場で上司に言われたら、
禁止じゃなくても、実質禁止と同じでしょうよ」 |
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鳴島
「そりゃそうですねぇ」 |
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光一
「いわゆる強権発動だねえ……」 |
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鳴島
「で、マスターはどうするんですかぁ?」 |
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光一
「そう言われても、
私が持っているシャツの種類は、
白・グレー・ストライプの入ったグレー
それに青しかないんだが…………」 |
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鳴島
「4種類……着まわそうと思うと……」 |
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光一
「どっかに青が入ってくるがなあ」 |
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鳴島
「じゃあ、どうするんですかぁ?」 |
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光一
「最初は青をローテーションに入れないで、
そのうちに少しずつ戻していくかなあ……
ひっそり気付かれないように」 |
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鳴島
「それもなんだか…………」 |
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光一
「だって、仕方ないでしょ」 |
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鳴島
「だったらぁ、この際、
別色のシャツ買ってはいかがですかぁ?」 |
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光一
「あ、別色で思い出した!」 |
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鳴島
「何をですかぁ?」 |
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光一
「I先生こうも言ってたよ。
『光一先生、
ピンクのシャツでも着たらいいじゃん』」 |
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鳴島
「マスターがピンク色のシャツ……」 |
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光一
「似合わないだろ?
なんか…………」 |
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鳴島
「そこは何とも言いませんけどぉ……
ピンクねぇ…………」 |
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光一
「やだよ、ピンクなんて!
生徒に何て言われるやら……」 |
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鳴島
「そりゃ、そうかもぉ……」 |