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鳴島
「ま〜すた〜♪」 |
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光一
「……………………」 |
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鳴島
「も〜しも〜し♪」 |
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光一
「……………………」 |
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鳴島
「ちょっと聞こえてますかぁ、マスター!」 |
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光一
「ああ、聞こえていたけど……
あえて無視していたんだが?」 |
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鳴島
「何故!?」 |
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光一
「いや…………だってさあ…………
『ま〜すた〜♪』なんて…………
あまりにも媚びた声がキモチ悪かったので」 |
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鳴島
「キモチ悪いとはなんですかぁ!?
可愛い声で呼びかけたのにぃ!!」 |
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光一
「いや…………だからこそなんだけど……
で、なんだね?」 |
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鳴島
「もう年末ですよねぇ?」 |
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光一
「早いもので、もう2010年が終わるねえ。
このサイトも開設から間もなく8年になるのか?
もう3ヶ月切っているよ…………」 |
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鳴島
「結構長くやってきましたよねぇ」 |
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光一
「自分でもビックリするくらいだね……
何度も閉鎖を考えたのに、意外と続いたよなあ……」 |
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鳴島
「で、そんな年末なわけじゃないですかぁ!!」 |
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光一
「そうだねえ」 |
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鳴島
「年末といえばぁ、アレがありますよねぇ?」 |
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光一
「アレ?」 |
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鳴島
「そう!! アレ!!」 |
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光一
「……………………
あー、アレね!!」 |
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鳴島
「分かってくれましたかぁ!!」 |
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光一
「2010年を通して…………
綾香君がどれだけ店の備品を壊したかという、
集計結果を君に見せる日が近づいたという事か!」 |
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鳴島
「全然違いますよぉ!!
そんな記録はただちに捨ててくださいよぉ!!」 |
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光一
「何を言うかね!!
結構な額だよ、コレ……
2010年に君が壊した店の機材の総額はというと」 |
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鳴島
「そうじゃなくてぇ…………
従業員にはあるでしょうよぉ!!」 |
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光一
「何が?」 |
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鳴島
「んもぅ!!
ボーナスですよぉ!!」 |
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光一
「棒に刺さった茄子が欲しいの?」 |
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鳴島
「お金!! 賞与!!」 |
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光一
「何でやらなくちゃならないのだね。
別にあれ、あげる義務はないんだぞ」 |
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鳴島
「それで私の勤労意欲が落ちたら、
業務効率が下がって本末転倒かもですよぉ〜♪
マスター、忘れ物の傘を取りに行って、
奥さんを旅先に置き去りにしかけるような
本末転倒ぶりをみせるくらいですからぁ、気をつけないと」 |
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光一
「勤務中に隠れて店の売り物食べたり、
店のお酒を飲んだりする君に勤労意欲はあったのかね?
そもそも、私の話は今関係ないではないかね?」 |
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鳴島
「あ、えっとぉ…………それはぁ…………」 |
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清香
「お姉ちゃん……交渉に出たつもりが、
逆にやぶへびになってるよ?」 |
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鳴島
「うっ……………………」 |
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清香
「……………………
マスター、ちょっといいですか?」 |
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光一
「ん? 何かね?」 |
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清香
「確かにウチのお姉ちゃん、
物はよく壊すし、隠れて何か飲み食いしてるし、
従業員としては最低なんですけど」 |
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鳴島
「実の妹なのに、そこまで言うのぉ!?」 |
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清香
「でも、お姉ちゃん目当てで来るお客さんも多いので、
実際のところはお姉ちゃんがいて、結構プラスですよ?」 |
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光一
「あー、それはあるかもねえ…………
仮にもウチの看板娘だしねえ…………」 |
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清香
「お姉ちゃんのプラス効果は考慮してあげても……」 |
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光一
「それもそうかねえ…………
ボーナス、まあ考えておくかねえ」 |
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鳴島
「お、ホントですかぁ!!
おお〜〜〜〜!!」 |
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清香
「……………………」 |
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鳴島
「いや〜、
清香に助けられるとは思わなかったねぇ♪」 |
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清香
「別に助けたってわけでもないけど」 |
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鳴島
「清香には何か年末に買ってあげないとねぇ♪
何がいい? 何がいい?」 |
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清香
「うーん…………
このメモ帳に書いてあるブランドバッグが欲しいかな?」 |
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鳴島
「ん〜と……………………
何て読むんだろ?」 |
LOUIS VUITTON
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鳴島
「ろういすぶいとん?」 |
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清香
「……………………」 |
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鳴島
「よくわかんないけど、いいや♪
買ってあげるよぉ〜♪」 |
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清香
「ホント? 約束だよ♪
ありがとうねー!!」 |
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光一
「……………………
フランス語とはいえ気が付かないものかねえ……
ルイ・ヴィトンなんだけどな、あのスペル。
そういや、以前女子高生が同じ読み方してたっけ。
ブランド知っていても読めないものかねえ?」 |