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光一
「ふーむ、今年もそろそろ終わりかあ」 |
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清香
「マスター、マスター!!」 |
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光一
「ん、どうしたね、清香君?」 |
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清香
「ちょっとホールまで来てもらえませんか?
お姉ちゃんがですね…………」 |
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光一
「何?
また綾香君が何かやらかしたの?
1ダース単位でお皿とか割った?」 |
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清香
「お姉ちゃん……仕事の信頼度低いなあ……
いやいや、それよりももっとスゴイんですよ!」 |
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光一
「もっとすごい!?
被害額が100万超えるようなレベル!?」 |
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清香
「ともかく来てください!」 |
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光一
「うむ」 |
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鳴島
「あ、マスター?
清香も血相変えてどうしたのぉ?」 |
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光一
「……………………」 |
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清香
「ね、急いで呼んだ理由分かりますよね?」 |
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光一
「うん……………………」 |
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鳴島
「うん?」 |
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清香
「お姉ちゃんが…………
1度に4皿料理を運んで…………
1皿も割らなかったんですよ!!」 |
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光一
「奇跡だ…………」 |
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鳴島
「何それ!?」 |
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光一
「ウチで働きだして初めてだ……
綾香君が複数の料理を同時に運べるだなんて……」 |
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清香
「私もさっき、『一度に持つとまた落とすからやめなよ』
って言ったんですが……まさかの出来事ですよ!!」 |
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鳴島
「私……どれだけ仕事上での信頼ないのよぉ……」 |
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光一
「綾香君」 |
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鳴島
「なんですかぁ?」 |
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光一
「どれだけ信頼が無いかもなにも……
元々仕事上での信頼は無かったから、大丈夫!」 |
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清香
「そうだよ、お姉ちゃん♪
自分に自信を持って♪」 |
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鳴島
「2人そろってヒドイぃ〜!!
なんなのよ、それぇ〜!!」 |
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光一
「綾香君も成長しているのかねえ?
オッパイだけじゃなく、脳みそも…………」 |
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鳴島
「失敬な!! セクハラですよぉ!!」 |
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清香
「まあ…………7年以上も働いていて……
ようやく料理を複数同時に提供できるようになったって……
あんまり自慢にはならないけどね」 |
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鳴島
「人の努力をちょっとは認めてよぉ!」 |
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光一
「いやー、確かに今日ね…………」 |
『ウェイトレス鳴島イラスト』
原龍さん作♪
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清香
「ほわぁー…………」 |
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光一
「なんか……大人っぽいというか…………
自信に満ち溢れた、カッコ良い綾香君のイラストもらった」 |
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鳴島
「普段の私そのものじゃないですかぁ♪」 |
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清香
「は?」 |
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光一
「普段の君は、
計画性の無い、ちゃらんぽらんな娘でしょうが」 |
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鳴島
「ちゃらんぽらん!?」 |
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清香
「仕事中よくサボっては、何か食べてるし……」 |
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光一
「仕事中に突然飲酒を始めるし…………
とても20代後半女性の行動とは思えない無計画さというか」 |
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鳴島
「無計画無計画言うならぁ、
マスターだって無計画人間じゃないですかぁ!!」 |
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光一
「私は無計画人間じゃないよ!!
ごくまれに旅行に行く時とか、
面倒くさくなって、計画を立てないだけだ」 |
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鳴島
「十分無計画でしょうよぉ…………」 |
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光一
「いーや、計画を立てないだけで、計画的だよ。
旅行に行ったら、現地の知っている人に直接案内してもらう。
もしくは、現地の知っている人に逐一情報をもらう♪」 |
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鳴島
「現地の人に迷惑かけっぱなし、
その上、完全に開き直り!?」 |
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光一
「だって、旅行先の情報は現地の人が一番知ってるじゃない。
ある意味非常に計画的とは思わないかね?」 |
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鳴島
「自分で言ってましたよねぇ、
『計画立てるの面倒くさい』って…………
現地の人に迷惑かけるの前提なんて……
マスターこそ、本当に大人ですかぁ?」 |
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光一
「何を言うかね!?
君には言われたくないぞ!!」 |
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清香
「私の方から言わせていただければ……
二人とも同レベルなんですが?」 |
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光一
「私が綾香君なんかと!?」 |
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鳴島
「私がマスターなんかと!?」 |
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清香
「大人としての計画性の無さとか、
自覚の無さは、完全に同レベルかと……」 |
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光一&鳴島
『絶対向こうの方がレベル低いよ!!』 |
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清香
「……………………」 |