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光一
「…………私、体内年齢は26〜27歳なんだけどねえ」 |
|
鳴島
「ぷふっ…………
先週は子供に『おじちゃん』呼ばわりされてて、
今回はそれ以外の人に『40歳くらい』って思われてて、
やっぱ、そういうお歳なんですよぉ♪」 |
|
光一
「何を言う! みんなの目がおかしいだけだ!
私はどう見ても30……
いや、20代前半で通じるはずだ!」 |
|
鳴島
「その根拠の無い自信はどこから来てるんですかぁ」 |
|
光一
「うるさいなあ!!
いつの間にか20歳だったのが、
29歳になっている君に言われたくないよ」 |
|
鳴島
「なんですってぇ!?」 |
|
清香
「…………また始まった…………」 |
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光一&鳴島
『ねえ、私、若く見えるよね?』 |
|
清香
「そんな事より、今回の話はどうするんですか?」 |
|
光一&鳴島
『そんな事!?』 |
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清香
「えっと、前回までの精神疾患関連の話は、
うつ病:『(その1、その2、その3)』
依存症:『(その1)』、
強迫性障害:『(その1)』、
不安障害:『(その1)』、
栄養療法:『(その1)』でした。
今回は、栄養療法の続きの話と言う事でしたね」 |
|
光一
「はい、そうですね…………」 |
|
清香
「前回の栄養療法その1を振りかえると、
1.『栄養療法(オーソモレキュラー)』の存在について。
2.うつ病と脳内の神経伝達物質の関係について。
3.脳内の神経伝達物質の合成過程についてでした」 |
|
光一
「その通りです…………」 |
|
清香
「今回は栄養療法の続きで、
1.栄養不足である事をどう判定すべきか。
2.具体的にどういう食べ物を摂るべきか。
3.うつ病と類似する症状を持つ『低血糖症』とは。
この3本立てで話をされるんでしたね?
…………って、マスター、話聞いてます?」 |
|
光一
「その通りです…………」 |
|
清香
「はいはい。マスターは30歳位に見えますから。
さくさく話の方を進めてください」 |
|
鳴島
「清香〜、私は〜?」 |
|
清香
「はいはい。お姉ちゃんも頭の中身を含めて、
とても20代最後とは思えないから」 |
|
鳴島
「なんだか…………」 |
|
光一
「言い方に引っかかりを感じるけど……
まあ、『栄養療法』の話の続きをしよう。
前回も話をしたけど、
『栄養療法(オーソモレキュラー療法)』
上記に、採用クリニックのデータベースリンクを張るね。
後、この話のベースは、日本での第一人者でもある
溝口徹先生(新宿溝口クリニック)の話なので、
興味のある方は、彼の著作を読むなり
セミナーに出るなりすると良いと思う」 |
|
鳴島
「前回の話も、少し触れておきませんかぁ?」 |
|
光一
「そうだね。前回の話の要点をかいつまんだ上で、
今回の話をする事にしよう」 |
|
清香
「その方が良いですね」 |
|
光一
「まず、うつ病の基本的な治療法は、
1.『投薬治療』が基本であると言う事
『SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)』などね」 |
|
鳴島
「でしたねぇ」 |
|
光一
「何故、そうなるかと言うと、
2.脳内の神経伝達物質のアンバランスが、
うつ病の一要因とされているため、それが主流なんだ。
薬によって、脳内のバランスを少しでも改善するというわけね」 |
|
清香
「脳内には、
集中力を高めたり、喜びを感じる興奮系の物質と、
それにブレーキをかける抑制系の物質と、
興奮系・抑制系双方の調整をする物質があるので、
そのバランスが崩れる事が
うつ病の要因だという事でしたね。特に、
調整役『セロトニン』が減少するという話でしたね。
『SSRI』でその減少を抑制すると…………」 |
|
光一
「ただし、投薬治療のみでは、うつ病の完治は難しい。
理由は、脳内の神経伝達物質の減少を抑えても、
それを増やすための方策を採らないと、
病気の一因を潰すことが出来ないからだ……
場合によっては、薬の多量化・依存傾向を深めて、
かえって副作用での悪化を招く事もあると言う事ね」 |
|
鳴島
「それで、脳内の神経伝達物質を増やす話でしたね。
アンバランスになった、このバランスを回復させると」 |
|
光一
「脳内の神経伝達物質は、タンパク質を主原料に、
ビタミン群・ミネラル群とで合成されるので、
食生活を、タンパク質・ビタミン摂取中心に改善するんだ。
なぜなら、現在の日本人は、
炭水化物・糖分を過剰摂取するあまり、
カロリーベースは過剰摂取だけど、
各種栄養素についてはバランスが悪い食事で、
これを改善する事が、うつ病のみならず、
生活習慣病・肥満の改善にも寄与する。
3.栄養療法によって、うつ病の根本部分を改善する
という基本的には3本立ての話を前回したのだね」 |
|
清香
「で、今回の話になりますね」 |
|
光一
「では、まず最初の話だね。
1.栄養不足である事をどう判定すべきか……
と言う事だ」 |
|
鳴島
「自分で栄養不足なんて判定できますかぁ?」 |
|
光一
「方法が2つある。
医療機関で行うものと、自分で出来るもの。
医療機関では血液検査という方法だね」 |
|
清香
「そういえば、健康診断とかでも
血液採取とかしますよね?」 |
|
光一
「ところが、健康診断や人間ドックの場合と、
『栄養療法』とではデータ解釈の方法が異なるんだ」 |
|
鳴島
「どういう事ですかぁ?」 |
|
光一
「つまりね、
健康診断や人間ドックでは『正常値』とされる値が、
『栄養療法』では『問題あり』となるケースがあるんだ」 |
|
清香
「何でそうなるんですか?」 |
|
光一
「では、溝口先生の著から引用させていただこう。
綾香君も社会人なので、健康診断受けているから、
健康診断の結果用紙をもらうよね?
なので、見た事のある検査項目があるかと思うよ」 |
|
鳴島
「例えば何ですかぁ?」 |
|
光一
「じゃあ、具体的な検査項目と数値を挙げよう。
『GOT』『GPT』は『肝機能』を判断する数値。
これが例えば、『GOT = 21』『GPT = 11』だと
従来の基準では『肝機能正常』で問題なしになるんだが、
栄養療法の解釈では『ビタミンB群欠乏』になるんだ」 |
|
清香
「つまり、
健康診断で『肝機能問題ないですね』って言われても、
実はその数値を別解釈すると、場合によっては、
『ビタミンが足りていないですね』ってなるわけですか?」 |
|
光一
「そう。それと他にもまだ挙げよう。
『ALP』は、『肝臓・胆道疾患の有無』を調べる数値。
これが例えば『ALP = 87』だとすると、
健康診断では『肝機能正常』なんだけど、
栄養療法の解釈では『亜鉛の欠乏』になる」 |
|
鳴島
「他には?」 |
|
光一
「『BUN(尿素窒素)』『クレアチニン』は『腎機能』を判断する数値。
『BUN = 11.2』『クレアチニン = 0.49』だと、
健康診断では『腎機能正常』だけど、
栄養療法の解釈では『アミノ酸欠乏』、
つまり『タンパク質不足』になる。
『フェリチン』は『体内鉄の貯蔵量』を判断する数値だけど、
通常の健康診断などでは測定しないんだ。
栄養療法の解釈では『鉄分欠乏』を判定できる」 |
|
鳴島
「これだと……毎年の健康診断や人間ドックでは、
『肝機能・腎機能いずれも問題ないですね』
って言われても、栄養療法の観点にすると、
『タンパク質やビタミン・ミネラル不足だね』
って言われかねないですね」 |
|
光一
「そう。従来の健康診断などの測定基準では、
うつ病につながる栄養学的要素が
見逃されているんだね。
『栄養療法』のアプローチで血液検査を行えば、
自分に足りない栄養素を把握できて、
それに対する食事改善・サプリメント処方など
色々な対策が可能になるんだ」 |
|
清香
「つまり、会社で健康診断などを受けても、
そこの血液検査では、
うつ病に繋がりかねないかどうか、
判定されていない事になりますよね?
健康診断で健康だったはずの人が、
突然、うつ病になってしまうなんて事も……」 |
|
光一
「そういう事だね。
ま、こうした検査結果に基づいて、
不足している栄養素を一つ一つ割り出して、
不足分を毎日の食事やサプリメントで補う事が、
『栄養療法』による、うつ病治療の基本となるんだ」 |
|
鳴島
「それを採用しているクリニックが、
先ほど示したリンク先の病院だと」 |
|
光一
「そういう事。で、これが血液検査による
栄養素不足のチェックになるんだけど…………
自分でも栄養素不足についてチェックできるんだ」 |
|
清香
「どうするんですか?」 |
|
光一
「これも、溝口先生の著からの引用なんだけど……
うつ病の原因となる栄養素の不足は、
日常生活のチェックによって、大まかに把握できるんだ。
なんせ、栄養不足は日常生活そのものに起因するし、
不足による異常は生活面に表れるからね。
項目が長いけど、以下のチェック項目を答えてみよう」 |
『うつ病を引き起こす栄養素不足のチェックリスト』
※以下の1〜20について、該当するものにチェックを入れてください。
1.たっぷり寝ても疲れが取れない。とにかく疲れやすい。
2.イライラしやすい。
3.口内炎がよくできる。
4.アルコールをよく飲む
5.立ちくらみ、めまい、耳鳴りがする。
6.肩こり、背中の痛み、関節痛、筋肉痛がある。
7.いつも頭が重く、頭痛になりやすい。
8.よくアザができる。
9.洗髪時に髪が抜けやすい。
10.肌が乾燥しやすい。
11.爪に白い斑点がある。
12.味覚や嗅覚が鈍いと感じる。
13.肉や卵などをあまり食べない。
14.野菜中心、和食中心の食事である。
15.ごはんやパン、めん類などで食事を済ませてしまう。
16.腕や太ももが細くなった。
17.甘い物、スナック菓子、清涼飲料水をほぼ毎日とる。
18.夕方に強い眠気を感じたり、集中力が落ちたりする。
19.体重が増えてきた、またはやせにくくなった。
20.イライラや不安感が甘い物をとることで、よくなったことがある。 |
|
清香
「意外に当てはまるものがあるんですけど」 |
|
鳴島
「1番に……15番、17番とか当てはまりますね」 |
|
光一
「じゃあ、上記の20のチェック項目が
どういう栄養素の不足を表すか、以下に回答しよう」 |
1〜4が多い程:ビタミンB群不足が考えられる。
5〜8が多い程:鉄不足が考えられる。
9〜12が多い程:亜鉛不足が考えられる。
13〜16が多い程:タンパク質不足が考えられる。
17〜20が多い程:低血糖症が考えられる。
|
|
光一
「普段の生活状況についてチェックしてもらう事で、
どんな栄養素が不足しているか、
大まかなチェックを出来るわけね」 |
|
鳴島
「『低血糖症』の話も出ていますねぇ」 |
|
光一
「その話は今日の後半で行おう。
『低血糖症』はうつ病と症状が似ていて、
誤診されやすい病気なんだ。
抗うつ薬を処方された結果、
かえって治らなくなりました……ってケースが多い、
うつ病とはまた別の病気の話なんだ」 |
|
清香
「で、栄養素の不足について、血液検査と、
日常生活のチェックで出来るのは分かりました。
これらの栄養素が不足するケースについては、
前回の話と重複しますよね?」 |
|
光一
「そうだね。でも一応、復習がてらしておこう。
1.『ビタミンB群不足』について。
脳内の神経伝達物質には前回
『ノルアドレナリン』『ドーパミン』『GABA』『セロトニン』
などがあると述べたね」 |
|
鳴島
「それぞれ、興奮系・抑制系・調整役で、
ストレスでバランスが崩れると、うつ病になる。
で、同時に栄養不足でも合成できなくなるって話でした」 |
|
光一
「ビタミン群の中でも
ビタミンB6はこれらの合成に必須なので、
非常に重要なんだ。
もちろん、他のビタミンもバランス良く摂らないと、
ビタミンB6の働きも活性化できないんだけどね」 |
|
清香
「『ビタミンB群不足』になると、
どんな状況になりやすいんですか?」 |
|
光一
「よく表れるのは、
『睡眠障害』『精神的イライラ』だね。
『睡眠が浅い』
『寝ても疲れが取れない』
『物事に集中できない』
こういう人は、ビタミンB群不足が考えられる」 |
|
鳴島
「野菜たっぷり食べれば良いんですかねぇ?」 |
|
光一
「ところが、そうでもない。よくあるんだけど、
ダイエットのために野菜だけ食べます!
って人は、うつ病になりやすい。
理由は分かるよね?」 |
|
清香
「脳内の神経伝達物質合成に必要な
タンパク質が摂れませんもんね」 |
|
光一
「というわけで、誤った知識でのダイエットは
非常に危険なわけだ。
野菜だけでは身体を維持できない。
それと、野菜だけではビタミン群は摂取しきれないよ」 |
|
鳴島
「そうなんですかぁ?
ビタミンって言ったら、野菜ってイメージがありますがぁ」 |
|
光一
「多くのビタミンは野菜で摂取できるんだけど、
ビタミンB12は野菜に含まれていないんだ。
これは、アサリやイクラ、レバーなどに含まれている。
なので、これらも摂取するようにしたいね」 |
|
清香
「ビタミン群の中でも重要と言われた、
ビタミンB6についてはどうなんですか?」 |
|
光一
「ビタミンB6は肉や魚、バナナなどに多く含まれてるね。
さて…………次は、
2.『鉄不足』について」 |
|
鳴島
「鉄……ですかぁ?
なんか、貧血起こす人に足りないってイメージですよねぇ。
学生の時に全校集会で倒れる人に、
よく『鉄不足? ホウレン草食べたら?』みたいな」 |
|
光一
「それは一理ある話なんだよね。
鉄はね、神経伝達物質の合成にも関わるんだけど、
酸素の運搬にも重要な役割を果たしているのさ。
多分、酸素の運搬については
中学や高校の保健体育とかでやってるんじゃない?」 |
|
清香
「そうですね。
ヘモグロビンとかの赤血球の話ですね」 |
|
光一
「そこから繋がるんだけど、
鉄が不足すると、細胞への酸素供給に支障をきたす。
よって、疲れやすくなったり、立ちくらみ、めまい、耳鳴り、
関節痛に、筋肉痛が起こりやすくなるんだ。
それだけではなくて、
睡眠のリズムが崩れやすくなる、頭痛になりやすい、
…………あと、これ、女性の前で言っていいのかな?」 |
|
鳴島
「なんですかぁ?」 |
|
光一
「鉄不足になると、コラーゲンの生合成が衰えて、
肌のハリが悪くなったり、
血管の壁が弱くなってアザが出来やすくなる」 |
|
鳴島
「肌のハリが!?
あわぁぁぁぁ、鉄……鉄摂らなきゃ!!
えっと、サプリメントか何かないかな!?」 |
|
清香
「お姉ちゃん、そこにだけ反応って……」 |
|
光一
「鉄だけ過剰に摂取しても意味が無いんだが……
まあ、女性の場合は男性と異なって、
生理で一度に大量の鉄分が失われるから、
慢性的な鉄不足の人は多かったりするね」 |
|
鳴島
「ちょっとマスター!!
私の綺麗な玉の肌のハリが悪くなったり、
アザが出来たらどうするんですかぁ!?」 |
|
光一
「知らないよ。
なんでそこだけ必死なんだよ!」 |
|
鳴島
「早く、早く鉄分を摂れる食べ物教えてください。
教えないと…………
マスターに何するか分かりませんよ、私!」 |
|
光一
「怖いよ、何でそんな必死なんだ!!」 |
|
清香
「…………29歳という、若者から
そうでないところへ落ち込むラインにいるので、
必死なんですよ、お姉ちゃんは…………」 |
|
鳴島
「そこ、余計な事、言わない!!」 |
|
光一
「鉄に関してはよく、ホウレン草とかプルーンが言われるね」 |
|
清香
「そうですね」 |
|
光一
「でも、ホウレン草やプルーンに含まれる非ヘム鉄より、
肉や魚の動物性食品のヘム鉄の方が、
身体への吸収率は高いので、
赤みの肉・魚、レバーがオススメ食品になるね」 |
|
鳴島
「清香!! 今日から毎晩、
刺身(赤み)か、レバー食べるからね!」 |
|
清香
「何で私がお姉ちゃんに巻き込まれてるのよ!?」 |
|
光一
「えっと……次行くよ? いいよね?
3.『亜鉛不足』について。
亜鉛は血糖値の調整に関わる栄養素なんだ。
不足すると、この先に話す『低血糖症』のリスクを増やす。
また、味覚障害や肌の乾燥を引き起こしやすくなるね」 |
|
鳴島
「肌の乾燥!?
ちょっとマスター、早く言って下さいよぉ!!
何を食べればいいの、何? 何?
私のような美少女にとって、
肌の乾燥なんて悪魔ですよ、悪魔!」 |
|
光一
「さっきから必死過ぎて怖いぞ、29歳!
美少女って年齢じゃないだろ!!
ちょっと清香君。君のお姉さん、何だか怖いぞ!」 |
|
清香
「若者じゃなくなる人間の、
必死の抵抗なんで、温かい目で見てあげてください」 |
|
鳴島
「私は若者!!
……って、マスター、早くしないと、
厨房のナイフをマスターの胸に突き刺しますよぉ?」 |
|
光一
「怖いよ、どうなってんだ君の脳内構造は!?
と…………話を続けよう。
他にも、洗髪時に髪が抜けやすい、爪に白い斑点が出る……
こんなのも亜鉛不足のサインになるね。
特に男性の場合、亜鉛不足になると、
精力減退にもつながるんだ」 |
|
鳴島&清香
『……………………』 |
|
光一
「何、君達?」 |
|
鳴島
「マスター……女子2人を前に、
精力だの性欲だの性的交渉だの……
挙句、エッチがうまくいかなくなって元気が無くなって、
それで、うつ病に拍車がかかるなんて…………」 |
|
清香
「まるでセクハラですね」 |
|
光一
「そこまで露骨に言ってないだろ!?
私の方が逆にセクハラされてるって言いたいよ!
…………と、亜鉛については、
カキなど魚介類や、肉、アーモンドなどに多く含まれてる」 |
|
鳴島
「マスター、じゃあ、
このアーモンド1キロの袋あげます♪」 |
|
光一
「は? まあ、貰えるのは嬉しいし、
私も食べるから良いけど……急にどうしたの?」 |
|
鳴島
「マスターが元気がなくて、うつなのも、
奥さんとのエッチがうまくいってないせいですよね?」 |
|
清香
「あー、なるほど」 |
|
鳴島
「これ食べて、今夜はバッチコーイって、
朝までガンガン腰を振ると良いと思いますよ♪」 |
|
光一
「これセクハラだよね!? ね!?
というか、食べてすぐに効果が出るようなのって、
怪しい薬の類だろ!?
そんな即効性があるわけないし、
逆に朝まで性欲が続く方も、別の病気だからね!」 |
|
清香
「まだ、さっきの栄養素チェックの中で、
『タンパク質』と『低血糖症』に触れてませんよ」 |
|
光一
「ちょ……私へのセクハラはスルー!?
ああ、まあ良いや。はい、私なんてどうせどうせ。
4.『タンパク質不足』について。
自明な事だと思うけど、
タンパク質は身体組織・器官の主原料だね。
そして前も話したように、不足すると、
脳内の神経伝達物質の合成も不十分になる」 |
|
鳴島
「まあ、人間の身体はタンパク質が主な材料ですよね。
お肉とか魚とか食べないと、大きくなれませんし」 |
|
清香
「お姉ちゃんのいやらしい位に大きな胸も、
そういう過程で出来上がったんだもんね?」 |
|
鳴島
「だから何で私の胸の話に触れるの!?」 |
|
光一
「ホント、何を食べて育ったら、
こんなFともGカップとも見える胸になるのか、
聞いてみたいものだよね?」 |
|
鳴島
「ちょっとぉ! セクハラですよぉ!」 |
|
光一
「と、タンパク質不足になると、当然身体の維持が難しくなる。
筋肉は細くなり、基礎代謝が減って太りやすくなる」 |
|
鳴島
「お肉食べている人の方が
太っているイメージありますけどねぇ」 |
|
光一
「それは誤ったダイエットのイメージによるね。
身体を引き締めて、健康的な身体にするためには、
筋肉がどうしても必要だ。それにはタンパク質が必要
筋肉は基礎代謝を引き上げるので、
これが付くと太りにくい体質になる訳だ」 |
|
清香
「そう言われるとそうですね」 |
|
光一
「重要なのは食べて、動く事だね。
タンパク質とビタミン・ミネラルをしっかり摂取し、
身体を動かす事で、代謝を高める事が、
ダイエット成功の道だ」 |
|
鳴島
「確かに……動かないダイエットなんてないですよねぇ」 |
|
光一
「少し横道に逸れてしまったが、
肉類・卵などの動物性タンパク質を控えて、
野菜中心の食生活を行っている人は、
慢性的なタンパク質欠乏になっている可能性がある」 |
|
清香
「やせるために野菜ばっかり食べる人いますよね。
肉だと太りそうだから、ってイメージからだと思います」 |
|
光一
「健康のために肉食から菜食中心に切り替えました……
って人に、うつ症状が表れるようになった。
って、ケースも多いらしい」 |
|
鳴島
「前々から話をしている、
脳内の神経伝達物質の主原料である
タンパク質が不足したためですよね、それ?」 |
|
光一
「うん。そういうわけで、うつ病の予防・改善には、
とにかく、タンパク質をたっぷりとる事が必要なんだ」 |
|
清香
「『栄養療法』のアプローチからすれば、
そうなりますよね」 |
|
光一
「じゃあ、タンパク質で何を食べるかについて、
理由づけも含めて入っておこう。
脳内で『セロトニン』の材料になるのは、
トリプトファンというアミノ酸で、
動物性タンパク質に多く含まれているんだ」 |
|
鳴島
「と言う事は、やはり肉や魚ですよねぇ」 |
|
光一
「タンパク質は豆腐や納豆など
植物性タンパク質だけではなく、
動物性タンパク質と合わせて摂る事で、
体内でのタンパク質利用率を上げる事が出来るんだ。
なので、動物性以外のタンパク質も摂るべきだね」 |
|
清香
「なるほど」 |
|
光一
「あ、少し捕捉をしておくね。
肉や魚、卵を積極的に摂るべきだけど、
特に卵はタンパク質の身体への吸収率が高いから、
1日1個は最低でも摂るように心がけたいね」 |
|
鳴島
「後は…………今日の話題ですと、
3.うつ病と類似する症状を持つ『低血糖症』とは。
…………が残っていますねぇ」 |
|
光一
「そだね。それを説明して終わりにしよう。
通常、食事をすると血糖値は上がるんだ。
そうすると、膵臓からインスリンが分泌されて、
血糖値の上昇が抑えられて、下がっていくんだ」 |
|
鳴島
「インスリンと言うとぉ…………
糖尿病の人がやってる、インスリン注射のそれですかぁ?」 |
|
光一
「そう。血糖値の高い人が、抑えるためにやるんだね。
現在の食生活のように、
炭水化物と糖分中心の生活だと、
糖質の過剰摂取が慢性化しやすいので、
膵臓から分泌されるホルモンである、
インスリンが効かなかったり、量が減ったりするんだ。
まあ、これが糖尿病の原因にもなるんだけどね」 |
|
清香
「前回の『栄養療法』の話の時に、
炭水化物と糖分は摂る必要が無い
って言ってましたよね」 |
|
光一
「そう、そこだ。
実は血糖値が高い事がよく問題にされるよね?
TVなんかでも、血糖値を下げるお茶……
盛んにCMで流されているよね」 |
|
鳴島
「あー、やってますね。特保のウーロン茶ですねぇ」 |
|
光一
「糖尿病の人は知っていると思うんだけど、
実は血糖値は高いだけじゃなくて、
低くても問題を起こすんだ。
言い方を変えると、
上がるだけじゃなく下がる事でも問題が起きる」 |
|
鳴島
「どういう事ですかぁ?」 |
|
光一
「もう少し付け加えよう。
血糖値が乱高下したり、
低い状態で推移している人…………
こういう人達は精神状態が不安定になりやすい」 |
|
清香
「具体的にはどうなるんですか?」 |
|
光一
「血糖値がアンバランスになると、
精神的イライラ、不安感、集中力欠如、
異様な眠気、手足のしびれ、筋肉のこわばりなど
そんな症状が表れるようになる。
糖尿病で、インスリン療法を受けている人は、
『低血糖』に気を付けてくださいと、
注意喚起を受けているはずだね。
インスリンで急激に血糖値が下がるのも危険だからね」 |
|
鳴島
「よくよく思ってみたらぁ、
血糖値ってどんな風に推移するものなんですかぁ?
食べた直後に上がって、
それがインスリンの分泌で
落ちて行くのは分かりましたけどぉ」 |
|
光一
「じゃあ、グラフを作ってみたので、
『正常な血糖曲線』と
『低血糖症の血糖曲線』を見て比べよう」 |
血糖曲線
※横軸は糖分を摂取してからの経過時間(分)
※縦軸は、血糖値を示すグラフ(mg/dl)
|
|
光一
「まず『正常な血糖曲線』を見てみると、
身体に糖分が入った直後、血糖値が上昇している。
けど、時間が経つとゆっくり下がっていくね」 |
|
鳴島
「あまり波がないですねぇ」 |
|
光一
「次に『低血糖症の血糖曲線』を見ると、
60分後に血糖値が急降下して、
120分あたりで急上昇している。
乱高下が激しくて、落ち着かないよね」 |
|
清香
「後、元々の血糖値自体が低いですよね」 |
|
光一
「これが前々から何度か話題に出してきた、
『低血糖症』の典型的なケースなんだ」 |
|
鳴島
「さっき、『低血糖症』の人は、
精神的イライラ、不安感、異様な眠気があるとか
そんな症状を挙げていましたよねぇ?」 |
|
清香
「なんだか、うつ病の症状そのものみたいですね」 |
|
光一
「そう。だから精神科や心療内科で、
患者さんが自分の症状を訴えると、
『うつ病』と誤診される可能性があるんだ。
表に出る症状が似ているからね」 |
|
鳴島
「なんで誤診されるケースが多いんですかねぇ?」 |
|
光一
「症状が似ている事もあるけど、
多くのクリニックでは、栄養的な観点が抜けていたり、
あるいは血糖値の測定を行わないので、
『低血糖症』である事を見抜けない場合があるからだね」 |
|
鳴島
「なるほど…………」 |
|
光一
「で、『うつ病』ではなく、
『低血糖症』だった場合に、
『うつ病』と誤診されてしまうと、
抗うつ薬を出されてしまう。
そうすると症状は改善しないんだ。
当たり前だよね?
似ている症状でも、別の病気なんだから」 |
|
鳴島
「それは確かにそうですねぇ」 |
|
光一
「そうすると、医者としては
『薬が合ってないのかな?』と考えて、
抗うつ薬の種類を変えたり、
あるいは量を増やしたりするわけだ……
でも、治る訳が無い。違う病気だから」 |
|
鳴島
「それが続くと、自分は治らないんじゃとか……
あるいはそういう思いから、
ますます病気が悪化したり、
本当に『うつ病』を併発しかねませんよねぇ」 |
|
光一
「うん。本来、『低血糖症』だった場合は、
食生活を改善して、
血糖値を急激に上げない食事をする。
タンパク質・ビタミン中心の食事にする……
これで改善してしまうんだけどね」 |
|
清香
「うーん…………
あれ? さっき、マスターは、
糖質の過剰摂取が慢性化すると発症する、
その可能性が高くなるって言ってましたよね?」 |
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光一
「そう。糖質に偏った現代日本人の食生活。
特に砂糖の入ったお菓子や、
ジュースの摂取を続けるだけで、
『低血糖症』に陥って、
『うつ病』と同じ症状になってしまう、
そういうケースがあるわけだ。
食べ物を改善するだけで、こうしたケースを回避できる。
あるいは、病気が治る……となれば、
人生、もっと気楽に安心して生きていける人も
かなり大勢いるんじゃないかな?
つまり、『自分が悪いわけじゃない』
って安心感を得られるよね?」 |
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鳴島
「確かに…………」 |
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光一
「現代社会はとかくストレスが強い。
だから、脳内の神経伝達物質のバランスが崩れ
うつ病にもなりやすい。
そして食生活も偏っているので、
うつ病が促進されたり、類似した症状を見せる
『低血糖症』の温床にもなってるんだ」 |
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清香
「これが、この2回の『栄養療法』の全体像ですかね」 |
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光一
「そうだね。
まあ、『低血糖症』についてさらに捕捉すれば、
『ストレスがたまると無性に甘い物が欲しくなる人』
『夕方に眠気が襲って、集中力の落ちる人』
こういう人は、まず『低血糖症』を疑ってみよう。
食生活の改善で治るとすれば、
これは非常に気持ちも楽になれる。
ちなみに、私は『低血糖症』でもあった」 |
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鳴島
「とにかく、疲れやすい……集中できない、
そういう症状なんですねぇ」 |
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光一
「甘い物を摂った時、集中力が高まるように感じるけど、
それで血糖値が乱高下するから、
急速に集中力が落ちて行って、
身体もだるくなるんだ。
慢性化すると症状は悪化するだけだし、
良い事ではないね。一種の麻薬みたいなもんだ」 |
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清香
「なるほど…………」 |
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光一
「甘い物の摂取を控えて、
代わりにチーズ、ナッツ類、ゆで卵を食べるだけでも、
糖質の代わりに、
タンパク質・ビタミン・ミネラルが補充されるから
心のアンバランスは徐々に改善されていくはずだよ」 |
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鳴島
「じゃあ、この2回の『栄養療法』について、
まとめて言うとどんな感じになる訳ですかぁ」 |
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光一
「まず、うつ病・低血糖症を予防・治療するために、
1.食生活を見直す事
2.タンパク質・ビタミン・ミネラル中心の食生活に改める事
これらが基本的なまとめだね。
うつ病の一要因である、
脳内の神経伝達物質のバランスを
食生活によって改善する事。
あるいは、うつ病と症状の似ている
『低血糖症』を回避・改善するためにも、
やっぱり食生活の改善が大事ということね」 |
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鳴島
「その中で、血糖値を急激に上げてしまう、
お菓子、ジュース、白米、麺類を控えると」 |
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清香
「そして、魚・肉・卵や豆腐、野菜中心の生活に
食事を切り替えていくと言う事ですね」 |
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光一
「必要ならば、不足している栄養素を
サプリメントで補う事も重要だね」 |
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鳴島
「というわけでぇ、
2回に渡った、『栄養療法』の話は終わりですねぇ」 |
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光一
「ひとまずは終わりだね。
あ、そうそう。ウチのサイトの4コマをもらったんだ」 |
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鳴島
「えっ、どんなのですかぁ♪」 |
『そのとき歴史が動いた』
(白髭狂信者様より)
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鳴島
「ちょっとぉ!!
何でここでも私が、
若くない扱いされてんですかぁ!」 |
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光一
「29歳なんだから仕方ないではないかね」 |
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鳴島
「とっくに三十路を越えているマスターには、
絶対に言われたくないですぅ!!」 |
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光一
「私は若い!!
年齢こそ31歳10カ月だが、
体内年齢は26歳前後だからね!!」 |
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鳴島
「だからぁ、
そういう基準自体おかしいんですってばぁ!」 |
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清香
「ふぅ…………どっちもどっちです」 |
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鳴島
「女子高生に!?」 |
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光一
「言われた!?」 |