10/17(水)
不安障害その4……不安の言語化と、言語化の方法について

鳴島

ぷふーっ!!
光一

何を急に笑い出してるの!?
清香

………く、っくっ
光一

えっ!? 清香君まで何をこらえ笑い!?
鳴島

いやだってマスター…………

ぷぷっ、いや、もう耐えられない!!
清香

コスプレして外出するにあきたらず……

人とまともに会話すら出来ないなんて!
光一

仕方ないだろ!!

普段ほとんど、人とコミュニケーションしてないんだから
鳴島

あれほど、『言語化』が大事だと言っている人が
清香

そうですよ、マスター。

不安に思っている事を『言語化』する。

これが大事だと言っている人が
鳴島

うつ病でも、不安障害でも…………

精神疾患では『言語化』が大事なんですよねぇ?
光一

確かに……まあ、確かに言ったが……
鳴島

挨拶するだけで声が上ずったのはともかく……
清香

電力会社の人に対して…………

嘘をついてまでプライドを守ろうとするなんて……

ちょっと可哀相過ぎて、笑いが……
光一

君たちねえ…………
鳴島

というわけでぇ、

『不安障害』を持っているだろうマスターに、

今日は再度『言語化』について話してもらいますか?
清香

賛成賛成
光一

なんか最近、私を貶めてから、

精神疾患シリーズの話始めてるよね?

ボクをそうする必要性があるのかい?
鳴島

気のせい気のせい!
光一

まあ、いい…………や。

今日は『言語化』の在り方について、

もっと具体的に話をしようじゃないか
鳴島

『言語化』について、マスターの話をおさらい。

えっと…………

『不安障害』に限らず、精神疾患・その予備軍の場合、

1.不安で仕方ない、無力な自分を感じる。

そのため…………

2.周囲を自分にとって安心な環境にしようとする
清香

それが『コントロール欲求』ですが、これは、

1.周囲を感情的に振りまわしてしまう。

2.周囲との対人関係が悪化する。

3.よって、サポートを受けられなくなる。

4.結果、病状を悪化させてしまう
鳴島

なので、不安・ストレスになっている事を、

建設的に周囲と話し合うために、

1.不安要素を明瞭化し『言語化』する。

2.その『言語化』の練習をする。

3.自分の出来る事、出来ない事を明確化する。

4.そうして周囲の理解を得て、サポートも得る。

これで精神疾患を治療する…………

こういう点で重要だという話でしたねぇ
光一

そうだね。度々『言語化』については触れたが、

『不安障害』についてで特に触れたので、

『不安障害(その1)(その2)(その3)』

これを、復習してほしいね
鳴島

なお、精神疾患シリーズの話は、

今回が12回目になりますぅ。

『不安障害』シリーズ以外は以下になります
清香

うつ病:『(その1その2その3)』

依存症:『(その1)(その2)』、

強迫性障害:『(その1)』、

栄養療法:『(その1)(その2)』

と、以上ですね
光一

『言語化』についてはそういう事だったね。

要するにこれは『ストレスコーピング』なんだ。

以前、『コーピング』についても話をしたよね?

ストレスに対する適切な対処法なんだね
鳴島

まあ、そういう事になりますよねぇ
光一

さて…………『言語化』について、

実は前回の話では少し不足なんだ
鳴島

不足?
光一

そうだよ。なんでだと思うかな?
清香

以前の話では、先ほどの、おさらいのように、

『不安対象』を明確にして、

『不安な事』を周囲と話し合う…………
鳴島

それで十分じゃないんですかぁ?

それで不安を取り除く……対処していけばぁ、

ストレスが蓄積されないので、

病気にはなりにくいのでは?
光一

では、ここで根本的な問題を1つ。

というか、疑問を私から出してみようか?
清香

というと?
光一

例えば、『不安に思っている事』を明確化出来た。

よって、これを『言語化』したとしよう
鳴島

はい
光一

家族間の問題などについては、

これで大体解決出来ると思うよね?

そもそもが家族は互いが対等な関係だから
鳴島

まあ、そうだと思いますよねぇ?
光一

じゃあ、恐らく最もストレスがかかるだろう、

会社での問題はどうだろうね?
鳴島

というと?
光一

つまり……会社で過重なストレスを受けた。

『不安でたまらない』

『不安が24時間頭から消えない』
清香

だから、それを明確にして、

『言語化』するんですよね?
光一

それを会社で打ち明ける…………?

例えば上司に話して解決するの?

これが私の提示する、根本疑問
鳴島

あ…………
清香

言われてみれば…………
光一

ほら、気が付いたかい?
鳴島

仕事・会社で抱えてた不安って、

『言語化』して話し合っても、

解決しない可能性がありますよね?
清香

つまり、周囲も仕事で一杯一杯。

こういう状況で『不安』を『言語化』しても、

聞き入れてもらえないかも……
光一

そう……そういう不条理が社会にはある
鳴島

あれ?

そうしたら『言語化』しても意味が無い!

ってなりませんかぁ?
清香

つまり、

『言語化』でフラストレーション解消する。

そのはずが、

『伝えても問題解決しない』

って事が往々にしてありますよね
光一

そう……つまり、こうだ。

『言語化』しても上司は聞き入れてくれない。

『言語化』しても実際には、不安を取り除いてくれない。

だから、意味が無い…………
鳴島

そうすると、『言語化』なんてしても仕方ない。

ってなって、かえってストレスがたまるかも?
清香

そうですね…………

結局、建設的な対話が出来ないかも
鳴島

社会って……ホント不合理ですね
光一

例えば上司に、

『毎日深夜残業では健康にも不安です』

『仕事量を減らしてくれませんか?』

と訴えた時、上司がたまたま理解ある人かもしれない
鳴島

そうですね。ちゃんと話を聞いてくれる上司。

そういう人が上にいると良いですね♪
光一

でも、結果はこうかもしれない。

『取引先の人がどんどん仕事を出してくる』

『人数は少ないのに、仕事量は増え続ける』

だから上司に『言語化』して改善を訴えても、

『結果として、何も変わらない』

そのため、不安はずっと残る…………
清香

せっかく『言語化』しても、

会社内外の力関係で何も変わらないと……
鳴島

つまり、ストレスはたまり続けて、

『言語化』しても問題解決しない!

だから、かえってストレスがたまるのでは……と?
光一

そう。視点を変えると、

他の問題もあるかもよ?
鳴島

他の問題?
光一

上司が『パワハラ』をする人かもしれないよね?

こういう時、『言語化』で問題解決するかな?
清香

あ…………それは考えてませんでした
鳴島

その場合、訴えても聞き入れてくれませんよね?

それこそ『言語化』の意味が無いかも
光一

酷い会社ではね…………

上司に『不安を相談』するだけで

査定に響いたり、退職勧告される事もある
鳴島

ええっ!?
光一

だって、上司は査定という武器を持ってるでしょ?

自分の部署で不満・不安があるなんて、

自分自身の査定にも響くから、

そんな部下は欲しくないんだよ。

これ、パワハラの温床でもあるんだけどね
清香

ああ、そうか…………

会社で『不安』を『言語化』することで、

かえって会社に居場所が無くなる事も、

十分に考えられますよね
光一

と言うわけで、今日は『言語化』について、

より具体的に……

『言語化』の意味する事を伝えたいんだ。

前回の言った内容では不足過ぎるので
鳴島

なるほど
清香

では『言語化』について、具体的には、

どういう風にすればいいんですか?
光一

まず、前回の話のおさらい、また出すけど。

『不安を明確化・言語に置き直す』

これは絶対に必要な過程ね
鳴島

それがそもそも『言語化』ですもんねぇ
光一

問題はその先なわけだよ
清香

というと?
光一

それを……『言語化』したものを、

実際に人に話すか否か?
鳴島

あ…………

先ほどの会社の件などですよねぇ?
光一

最初に結論だけ述べよう。

『言語化』とは必ずしも、

人に『話す』事を意味してはいないんだ
鳴島

違うんですか?
光一

『言語化』イコール『話す』ではないんだ。

これが今回伝えておきたい事ね。

例えば考えたものを『言語化』するというのは、

『小説』なんてそうではないかい?

あれは『言葉に置き換えたんだよね?』
鳴島

あ、言われればそうですねぇ。

確かに言葉に置き換える作業は、

話す……という事を必ずしも伴わないですね
清香

じゃあ、結論を先に述べたところで、

具体的にはどうします?
光一

まあ、順を追って具体例を挙げよう。

実際に訴えてみる。つまり…………

【1.相手に伝える事で問題解決する】

これが建設的で効果的であるなら、

そうする事がもちろん良い事だ
清香

それで状況が変わる。改善する。

それなら、そうすれば良いですよね。

『不安対象』が無くなる可能性がありますから
光一

しかし、例えば上司に訴えても意味が無い。

そういうケースは往々にしてあるわけだね?

場合によっては、その事がきっかけで、

会社から追われるかもしれない
清香

その意味では本当に、

社会って不合理ですよね
光一

しかし、その不合理な社会で、

私達は生きて行かなくてはならない
鳴島

そうですねぇ
光一

そこで例えば…………

【2.同僚と愚痴を言い合ってみる】

なんてのも一つの手段かもしれないね
鳴島

あー、なるほど!
光一

力関係で同じ人と話をしてみるのだね。

例えば取引先担当者や上司に対して持っている、

彼らへの『不満・不安』を打ち明けてみたらどうか?
清香

意外と共感してくれるかもですね
光一

そこが重要なんだ。つまりね……

『あ、自分の不安って、

自分だけのものじゃないんだ!

みんなも同じ様に思ってるんだ』

って、こう思えるだけで、少しは気が楽になる
鳴島

それは言えますねぇ
光一

つまりね…………

『不安対象を一般化』するんだよ。

『全体として問題があって、

他の人もそう思っている』とする事で、

気持ちが安らぐんだ
清香

なるほど
光一

そのために、自分の中で、

『何が不安か? 明確化する』

『漠然としたものではなく、言語化する』

これが必要だよね?

それを互いに話すためにはね?

そうでないと、感情的なトークになって、

建設的ではなくなるんだ。ただの愚痴にしない事ね
鳴島

『自分固有の問題ではない』

『一般的な問題なんだ』

って思う事が重要なんですね
光一

別に同僚に話す必要も無いけどね。

友達や家族に話しても良いだろう。

力関係でこちらが損をこうむらない……

そういう状況は重要だね。

社会は力関係の不条理があるからね
清香

なるほど…………
光一

もう1つの具体的な方法は……

【3.『言語化日記』をつけることだね】

これは、かなり有効な手段だ。

これが、『話す事ばかりが言語化ではない』

の具体例になるわけだね
鳴島

日記……ですかぁ?
光一

大人で日記をつける習慣のある人、

かなり少ないのではないかね?

まあ、子供でも少ないとは思うが
清香

ブログなんていうのはどうです?

している人、多いですよね?
光一

うーん、そこにはオススメ出来ない要素がある
鳴島

何故ですかぁ?

自分の不安に共感してくれる人も、

そこにはいるかもですよぉ?
光一

まず、ブログなどは……誰が見てるか分からない。

会社の人に見つかったらどうする?

また、共感的な人が集まるとは限らない
清香

あっ…………
光一

それに所詮、匿名性の世界だ。

人は面と向かっていない場合、

相手に対して無責任で、

非常に攻撃的な言葉を叩きつける、

そういう事があり得るよね?
鳴島

ネット世界で傷つけられる、

そういう可能性もありますねぇ
光一

そう。なので、直接話す相手は、

やはり現実に向き合った人の方が良い。

それに誰が見ているか分からないネットには、

あんまり『言語化』しない方が良いと思う
鳴島

なるほど
光一

よって、ノート等を買ってきて、

それに『不安』に思った事を書いていくんだ
清香

ノートに向き合って、

冷静に『不安』の対象を見つめて、

『不安の言語化』をするんですね
光一

『今日、こういう事があって不安だ』

『明日、こういう不安を抱えている』

って日記につづっていくのだね。これ、頭を使うよー
鳴島

そうすると、どういう効果があるんですか?
光一

翌日・翌々日などに見返してみる。

そうすると、

意外とその『不安』が大したものでなかった。

そんな事が意外に多く見つけられる
清香

つまり、『不安』が解消できる?
光一

漠然と不安を抱えている時と異なり、

冷静に向き合える時間が出来る事。

また、日々の記録がつけられた事で、

それらに向き合って、

『ストレスコーピング』が出来るのだね
鳴島

なるほど
光一

ちなみに、仕事が終わって自宅に戻ると、

多くの人は、疲れて……だらーっとしてしまうと思う
鳴島

確かに…………
光一

なので仕事帰りに、ファミレスやカフェなど、

そういう所に定期的に寄ってみてはどうか?
鳴島

何故ですかぁ?
光一

ああいう所はまず、テーブルが大きいね。

ノートを広げて、一人黙々と日記を書けるよね?
清香

でも、周囲に他の人もいますよね?
光一

だからこそだ。それがいい」
鳴島

どうしてですぅ?
光一

職場と自宅の往復を繰り返していると、

自宅は休む場所……ダラーっとしてしまう。

周囲に人がいると、適度な緊張感があるだろ?
清香

それはそうですね。

ファミレスのテーブルで突っ伏して寝てたり、

横にはならないですね
光一

だからこそ、冷静にノートに向き合って、

その日の出来事を記録できる。

『不安』を『漠然』としたものから、

『明確な形』のものに出来るわけだ。

最初は『怒り』『不満』の文章ばかりかもしれないね。

でも、それで良い。むしろ、良い。

後で読み返すと、色々冷静に分析できるはずだ
鳴島

あ、なるほど。

それは一理あるかもですねぇ
光一

そうして『言語化日記』をつけている内に、

『不安』をどうやって『形』にするか?

どうやって『漠然としたもの』を『明確』に出来るか?

『書式(テンプレート)』を自分で作れるようになる
清香

今日の不安は、コレだ、今日はアレだ……と?
光一

そう。そうすると、仕事その他の時間でも、

自分が抱えている『不安』をその場で、

段々と心の中で『言語化』出来るようになる。

そうすると、それに対する対処、

心構えが出来るようになる
鳴島

つまり、常に物事を明確化出来るようになっていくので、

ストレスの度合いが低下していくわけですね?
光一

そう。だからこそ、

『言語化日記』をつけて欲しいわけだ。

大事な事は結局…………

『自分の気持ちを出せる場所』

これを作るという事だね
清香

と、これが以前の『言語化』に対する、

補足……というか、具体的な話ですね?
光一

そう言う事。

今日はその辺りで、

なんとか頑張っていこう……という話
鳴島

はい、分かりましたー♪
光一

というわけで、

『言語化日記』、ぜひつけていってみよう
鳴島

はーい♪

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