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光一
「こんにちわ、マスターの光一です」 |
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鳴島
「ウェイトレスの鳴島です♪
いつでも可愛い、永遠の20歳ですぅ♪」 |
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清香
「ウェイトレスの清香です。
綾香の妹で、高校3年生になります」 |
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鳴島
「で、今日は白々しく自己紹介なんて、
またまた久しぶりにやりましたねぇ」 |
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光一
「白々しくって…………
29歳の人間がどの口でそう言うのか……」 |
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鳴島
「乙女はいつでも心は20歳を超えないんですよぉ」 |
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清香
「年齢はとうとう認めたんだ…………」 |
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光一
「で…………
今日は『初心にかえって』自己紹介をしたので、
『精神科・心療内科での初診まで』
今回はそれに触れていこうと思うんだ」 |
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鳴島
「……………………」 |
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光一
「なんだね、その目は?」 |
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鳴島
「31歳11ヶ月と24日目にして、
まさに昭和のダジャレですね…………
今時のギャルにはついていけないです」 |
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光一
「なんで年齢を強調するんだよ!?
第一、ギャルって言葉も大概に古いだろ!
それに君だって昭和世代だろうが!!」 |
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清香
「マスターってよくよく考えたら、
『女子大生の手アカって美味しい』
なんて言って、手アカ食べてた位ですしね」 |
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光一
「その言い方だと、激しい誤解を招くでしょ!」 |
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鳴島
「マスター…………」 |
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光一
「な、なんだね!?」 |
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鳴島
「警察にだけは捕まらないでくださいね。
私の働き口が無くなってしまいますから」 |
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光一
「私への励ましを装った、
さりげない自己保身!?」 |
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清香
「じゃあ、今日も『精神疾患シリーズ』やりましょう。
今日で13回目ですね」 |
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光一
「あれ!? 私の事は無視!?」 |
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鳴島
「今までのシリーズは、
うつ病:『(その1、その2、その3)』
不安障害:『(その1)(その2)(その3)(その4)』
依存症:『(その1)(その2)』、
強迫性障害:『(その1)』、
栄養療法:『(その1)(その2)』でしたぁ」 |
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清香
「で、最初の寒くてこごえ死にそうなギャグはともかく、
なんで『メンタルクリニック初診』の話なんですか?」 |
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光一
「君の最初のセリフが、
私の胸に刺さった事は気付いた方が良いよ?」 |
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鳴島
「今まで、
『うつ病』『不安障害』『依存症』『強迫性障害』
などの内容・傾向・治療過程や方法について述べたり、
『栄養療法』なんて薬以外の治療法も述べましたよね?
今になって急に『お医者さんに行くための話』ですか?」 |
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光一
「君達って、本当に私の事を無視する傾向があるよね?
『ストローク』の話でしたと思うけど、
人間って『無視』とかの『孤独』が最も辛いんだよ?」 |
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鳴島
「病気の話なのに、
確かに『お医者さんに行く』って話はありませんでしたが、
『お医者さんに行く』話をわざわざする必要あります?」 |
|
光一
「ホント、私を無視してるよね?
…………まあ、もういいや。
『精神科』『心療内科』『メンタルクリニック』などなど、
精神疾患を治療する医療機関。
行く事に、抵抗感のある人が多いと思わない?」 |
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清香
「というと?」 |
|
光一
「例えば普通の人は…………
風邪を引いたりすれば『内科』、
怪我をすれば『外科』、
耳がおかしいなら『耳鼻科』、
歯や口周衛生なら『歯医者』、
それぞれ抵抗感なく行くと思うんだ」 |
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鳴島
「まあ、行きますよね?
行かないで病気を悪化させてもアレですし」 |
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光一
「そういう時、学校や職場でだ…………
『風邪で昨日医者に行ってさー』とか、
『今日これから歯医者行くんだ』って言うの、
抵抗感あるかな?」 |
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清香
「無いですね。何の抵抗感も」 |
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光一
「じゃあ、逆に問いかけよう。
『どうも心がおかしい気がする。
不安が収まらない。
じゃあ『精神科』へ行ってくるよ』とか、
『すいません、精神的な不安があるので、
「心療内科」に行ってから職場へ行きます』
って、気楽に言えるかい?
先ほどの『内科に行きます』って言うのと、
同じような気軽さで言える?」 |
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鳴島
「あ…………それは…………」 |
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清香
「なんだか言い難いですね…………」 |
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光一
「何でだろうね?」 |
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鳴島
「うーん……風邪とか怪我は見た目で分かりますけど、
『うつ病』や『不安障害』みたいな精神疾患は、
表面上分からなかったり、
あるいは『気の持ちようだ』って言われるからでは?」 |
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光一
「うん…………そういうのもあって、
言葉に出すのが、ためらわれるんだよね?
だから、普通の医者に行くのと異なり、
なんとなく敷居を高く感じるのだと思う。
しかも、一般にはなじみが薄くて……
どういう場所かわからない……
『メンタルクリニック?』『精神科?』『心療内科?』
どういう場所なの?
って思ってる、人多いんじゃない?」 |
|
清香
「確かに言えますよね。
しかも学校で話せば、それを理由に……いじめとか、
職場であれば、上司・同僚からの心証を
悪くしそうな雰囲気もありますよね?
なんて言うんでしょう…………
『ドン引きされる』っていう空気があるんだと思います」 |
|
光一
「でも、今まで12回話してきたけど、
『うつ病』などの精神疾患は、今や珍しくなく…………
医療機関で治療を受けている人は、
年間100万人をとっくに越えている。
医療機関に行かない人も含めると、
その総数は数倍に膨れ上がるわけだ」 |
|
清香
「経済的損失も2兆7000億円とか……
そういう話をしていましたよね?」 |
|
鳴島
「年間自殺者3万人以上の、
3分の1が、『うつ病』などの問題を抱えている、
そんな話も以前していましたよね?」 |
|
光一
「病気なんだから、放っておけば当然だよね?
だから、これは治療すべきもので、
なおかつ、治療をすれば必ず治るものなんだ」 |
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鳴島
「ですよねぇ」 |
|
光一
「『うつ病は心の風邪』などとも言うけど……
『うつ病』などの精神疾患の人は、
『これは自分が弱いせいでは?』
『自分はダメな人間だから悩むんだ』
なんて思いこんでいて、
それで医療機関を受診しないケースも多いんだ」 |
|
清香
「それで手遅れになって、自殺したり、
重体になってから受診して、
完治までに時間がかかる…………
と、なってしまうわけですね」 |
|
光一
「そう。だからこそ、精神疾患と思われる人は、
『これは病気なんだ。
だから医者に行くのは普通だし、
治るものなんだ。だから行こう』と思ってほしい。
自分が病気と思う事で、気が楽になるはず。
それで、まず、医療機関に行って欲しいんだ」 |
|
鳴島
「そうですねぇ」 |
|
光一
「さて、話がそれたが、少しそれ続けて、
『どうして精神疾患の人が
適切な医療機関に行かないのか?』
ちょっと、整理してみよう」 |
|
鳴島
「はい」 |
|
光一
「精神疾患の人・予備軍の人。
社会全体の1割もの人達だが……
この人たちが医療機関に行かない理由は、
1.自分が病気と思っていない。思おうとしない。
2.精神疾患だと分かると、会社などで差別され、
社会的不利益を被ると思っている。
3.精神的に疲れ過ぎてしまったため、
医療機関を探して行くだけの力が無い。
こうした理由が考えられるわけだ」 |
|
清香
「そうですね」 |
|
光一
「1.の人に関して言えば、
内科に行っても外科に行っても異常なし……
それでも体調がすぐれない、
学校・仕事の場面になると、体調が崩れる。
とくれば、心の病を疑って欲しいんだ。
特殊な人間しか、かからない病気ではなく、
誰でもかかり得る病気なんだ」 |
|
鳴島
「それは言えていますねぇ」 |
|
光一
「2.の人に関しては…………
そういう会社もおかしいし、
社会的にそういう差別構造がある事自体問題だ。
精神疾患は誰でもなり得る病気で、
患者数は増え続けている…………
放置すれば病状は悪化してしまうので、
やはり勇気をもって仕事を休んででも、
医療機関に行ってほしい」 |
|
清香
「自殺まで追い詰められたら、それこそですし。
早期に治すことが出来れば、
仕事だってほとんど休まず済みますもんね」 |
|
光一
「3.の人…………ここまで来ると大変だね」 |
|
鳴島
「精神疾患が進み過ぎて、
何も出来なくなった人ですよねぇ」 |
|
光一
「これは今まで何度も強調してきたように、
会社の人、家族、友人が気が付いて上げる事。
力のある人に支えてもらって、
それで医療機関に行ってほしいと思う」 |
|
鳴島
「そうですね。本人が動けなくなってしまっては、
周りの人が促したり、連れて行ってあげる……
大事ですよね?」 |
|
光一
「私だって、嫁さんが医者を探して予約して、
それで連れて行ってもらったんだよ?
今年頭に自殺未遂をした時も、
医者に行ったのは嫁さんが電話したからだもの」 |
|
鳴島
「確かに、追い詰められた状態では、
自分から行くのは難しいかもですよねぇ」 |
|
光一
「さて、では…………
『心療内科』その他の、精神疾患治療に関わる
そういう医療機関の『初診』までの流れ、
そして『メンタルクリニック初診の流れ』を、
今回は話していこう」 |
|
清香
「そういえば、どう行けばいいんですかね?
風邪をひいたら、
すぐ『内科』などに行けば良いですよね?
これは簡単に思い付きます」 |
|
光一
「メンタルクリニックなどによって、
流れや内容はある程度の差があるので、
私の経験をベースに、一般化して話をする事にしよう」 |
|
鳴島
「はい」 |
|
光一
「まず、
【1】精神疾患に関わる医療機関を探す事」 |
|
鳴島
「そうですね、お医者さん探さないとですよね」 |
|
光一
「タウンページでも、ネットで探しても良い。
また、市町村によっては、
医療機関一覧を冊子で配布しているところもあるね」 |
|
清香
「いいお医者さんに会えると良いですけどね」 |
|
光一
「そこも実は難しくてね、
医者によってはパソコンに向き合ったまま、
電子カルテを打ちこみ続けて、
患者にちゃんと向き合わない人もいるし……
薬ばかりの投与で、
患者の心に向き合わない医者もいる……」 |
|
鳴島
「うーん…………」 |
|
光一
「私も自分で見つけた最初の医者がそうだった。
ただ薬をくれるだけ。
悩んでいる事についても、
『解消できると良いですね』
としか言ってくれない医者だったね」 |
|
清香
「それはちょっと…………」 |
|
光一
「嫁さんが次に見つけてくれたクリニックが、
非常に良い先生で、
色々なプログラムもあって……
本当に助かったと思ってる。
まあ、精神疾患の人というのは……
『医療難民化』するケースが多いんだ」 |
|
鳴島
「『医療難民』ですか?」 |
|
光一
「自分に合ったクリニックを求めて、
何軒も何軒も医者を渡り歩く人の事。
良いお医者さんになかなか巡り会えないのも、
問題の1つではあるんだ。
そうすると、治療も長期化するからね。
その場の治療で済む内科・外科と違い、
心の問題でもあるし、
その後の仕事・先々の問題も絡む事だからね」 |
|
清香
「確かに、それは言えていますね」 |
|
光一
「次、基本的に予約制なんだ。なので……
【2】電話をかけて予約をする事」 |
|
鳴島
「予約が必要なんですかぁ?」 |
|
光一
「クリニックは常に患者が多いし、
診察その他にも時間がかかるんだ。
再診についてもそうだけど、
ドクターを確保するために、予約が必要なんだよ。
その場で思い立って、さあ行こう……ではないからね」 |
|
清香
「で、予約をしたら次はどうしますか?」 |
|
光一
「【3】予約日時に保険証を持って、クリニックへ」 |
|
鳴島
「まあ、そうですよね」 |
|
光一
「さて、ここからが初診の流れだ。
【4】受付を行う。
【5】問診票を書いて、提出する」 |
|
鳴島
「問診票ですか?」 |
|
光一
「クリニックによる差異はあるけどね。
例えば…………
『家族構成は?』
『家族内に疾患を持っている人は?』
『現在のあなたの状態について』などなど、
色んな要素を問診票に記載するんだ」 |
|
清香
「そういえば生育環境が重要って話、
以前されていましたよね。
そういう点で、家族構成も重要な診察時の、
判断要素になってるんですね」 |
|
光一
「うん。それに自分の状態についても……
『最近眠れていますか?』
『最近性的欲求はありますか?』
『最近食欲はありますか?』
『将来についてどう思いますか?』
などなど……色々な事を記載するんだ」 |
|
鳴島
「で、問診票を提出して、待つわけですね」 |
|
光一
「うん。また、クリニックによっては、
【6】血圧・体重の他、
尿検査・血液検査などを行うところもある」 |
|
清香
「身体のあらゆる要素を判断材料にするためですね」 |
|
光一
「で、初診時の場合…………
いきなりドクターとの診察にはならないで、
【7】心理士などとの面談を行う場合もある
ちなみに私は、
最初にかかったクリニックでは無かった。
今かかっているクリニックではあったね」 |
|
鳴島
「どうしてドクターとの診察の前に、
心理士との面談があるんですかぁ?」 |
|
光一
「初診だろ?
何について悩んでいるか? 状況は?
診察・治療をスムーズにするために、
まず、心理士が情報を整理して、
ドクターに渡すためだね」 |
|
清香
「あ、なるほど」 |
|
光一
「で、また待合室で待った後、とうとう、
【8】ドクターによる診察が始まる」 |
|
鳴島
「はい」 |
|
光一
「ここで、問診票や心理士がまとめた内容、
患者がドクターの質問に応えた内容などによって、
現在の症状を診察するわけだ。
つまり、こういう病気かもしれない。
あなたは今、こういう状況と考えられる……など」 |
|
清香
「そうすると、次にどういう流れになりますか?」 |
|
光一
「【9】治療方法・内容の提案が行われる。
状態によっては仕事を休むよう言われたり、
そのための診断書を書く話になったり、
あるいは、こういう薬を出しましょう。
日常生活、こうしてはどうですか?
物事を、こう考えてはどうでしょう?
グループ療法がありますが参加しますか?
など、治療の方向性を出してくれる」 |
|
鳴島
「なるほど。ここまで来ると、
一応『初診』終了という形ですねぇ」 |
|
光一
「そうだね。そうしてドクターとの診察を終えたら、
【10】グループ療法について、説明を受ける。
具体的な内容といつから参加するか決める。
……あ、これは参加する場合の話ね。
【11】会計をする。
【12】薬が出される場合、処方箋をもらう。
クリニックによっては、院内処方もあるけどね」 |
|
清香
「『初診』の流れとしては、
それで終わりですか?」 |
|
光一
「うーん、患者さんにもよるけど、基本的には、
【13】次回……再診の予約を入れる。
ただ、患者自身の予定が未定の場合、
後々、また電話で予約する…………
そうした流れで、初診が終了となるね」 |
|
鳴島
「『精神科』『心療内科』『メンタルクリニック』
と言われる、精神疾患に関わる医療機関、
『初診』としてはそんな流れなわけですねぇ」 |
|
光一
「おさらいすると…………
1.医療機関を探し、予約をする。
2.予約日に行って、問診票を書く。身体検査をする。
3.心理士との話で、論点を整理する。
4.ドクター診察で治療方法を提案してもらう。
5.グループ療法などに参加する場合、
その説明と、参加する曜日などを決める。
6.処方箋をもらう。次回予約を入れる。
そんな流れになるわけだね」 |
|
鳴島
「何か、気を付ける点ってありますかねぇ?」 |
|
光一
「そうだね…………
例えば『うつ病』『不安障害』『依存症』……
いずれの場合でも、軽度な症状なら、
自分で一連の流れを出来ると思うんだよね」 |
|
清香
「そうですね」 |
|
光一
「ただ、本人が自覚していなくても、
周囲が分かるほどに病状が進んでいたりした時」 |
|
鳴島
「あ……そうすると問題ありますよね?」 |
|
清香
「周囲の勧めでクリニックまで行っても、
『自分は病気じゃない』って医者で言いそうですね」 |
|
光一
「あるいは症状が進んでいるために、
人と話す事が困難だったり…………
疲れきって、考える事が困難になっているため、
系統だって自分の症状を説明出来ない、
そういうケースだってあり得るよね?」 |
|
鳴島
「そうですね。そうすると、診察受けても……
肝心な事を話せなさそうですねぇ。
適切な治療を受けられないかも」 |
|
清香
「そもそも、医者を探したり、
予約の電話すらいれられないかもしれない」 |
|
光一
「こういう時は、家族・友人・職場の人が、
あるいはそういう人達が連携する事が大事」 |
|
鳴島
「確かにそうですね」 |
|
光一
「特に日頃接している家族などがそうかもね。
そうした人達に予約をしてもらって、
当日連れて行ってもらう事」 |
|
清香
「連れて行ってもらう?
一緒に行くという事ですか?」 |
|
光一
「そうでないと患者によっては、
『自分は病気じゃない!』
『行く……気力もない、人と会いたくない』
ってなっているケースがあるよね?
冷静な人と一緒に行く事はとても大事」 |
|
鳴島
「ですよねぇー…………」 |
|
光一
「精神疾患の人によっては、
せっかく初診・再診の予約を入れたのに、
その日に行かない人もいるんだよ」 |
|
清香
「十分考えられる事ですよね」 |
|
光一
「で、結局医者に行かず手遅れに……
そうして自殺してしまう人も多いんだ」 |
|
鳴島
「う……そう考えると、
単純に『医者に行く』っていう簡単なものでもなく、
『医者に行く』事自体が大変な事ですね」 |
|
光一
「そうなんだ。
『風邪だから医者行くよ』って気楽さのようには、
『メンタルクリニック行ってくるよ』っていう風に、
最初は気持ちを持てないものなんだ。
だから、周囲の人が理解して、
『一緒に行ってあげる』事も大事だね」 |
|
清香
「そうですね」 |
|
光一
「それに、冷静に病状・行動を見ていた家族、
あるいは職場の人や友人が付き添ってくれれば、
ドクター診察の場面などで、
患者自身が適切に説明出来なくても、
付き添ってくれた人が、
現在の状況を客観的に説明してくれるでしょ?」 |
|
鳴島
「それはそうかもですねぇ」 |
|
光一
「で、『初診』を終えて、再診を繰り返すうちに、
患者自身が回復してきて、
自分の病状を見つめられるようになってくる。
こうなれば、自分で予約して診察に行く……
繰り返すうちに、どんどん問題点が見えてくる。
問題点が見えてくれば、治療法がより適切になる。
このサイクルを繰り返せるようになってくるから」 |
|
清香
「『メンタルクリニックの初診』はそういう意味で、
周囲のサポートも重要になるんですね」 |
|
光一
「そう言う事。
まあそれは先ほども言ったように、
1.自分が病気だと自覚していない場合
2.気力が落ち過ぎ、医者に行く事が出来ない場合
などの時が特にそうなんだけどね。患者自身が自覚していて、
なおかつ行動できるなら、自分でそれらをやる事になると」 |
|
鳴島
「医者に行くだけでも……大変なんですねぇ」 |
|
光一
「自分に合った適切な医者に出会えるか、
……ってそういう問題も絡んでくるしね。
最初の電話をかける時は、
本当に勇気のいる事だと思う」 |
|
清香
「そうですね。風邪や怪我とは違いますし」 |
|
鳴島
「それに『メンタルクリニック』って混みますよね?
マスター、いつも2〜3時間待ちでしたっけ?」 |
|
光一
「クリニックによるらしいけどね。
診察の時はいつもその位待ってるね。
処方箋受けて、薬局行く流れまで含めると」 |
|
清香
「それだけ人がいると、
『初診』の予約を入れるのも大変では?」 |
|
光一
「だからこそ、病状が決定的に悪化する前に、
予約をいれて受診して欲しいんだ」 |
|
鳴島
「あ、それもそうですよねぇ…………
悪化する前の兆候とか、あるはずですしね」 |
|
光一
「それと『クリニック』によってはだけど、
『初診者診察日』を設けていて、
再診の患者さんも来るのだけど、
初診の人を優先的に受け付けている日、
そういうのを設けている所もあるからね」 |
|
清香
「あ、そうじゃないと…………
決定的に悪化し始めている人は、
『初診』の予約日を長く待つのも大変ですもんね」 |
|
鳴島
「ホント、治療って過程もですけど……
入口からも大変なところはあるんですね」 |
|
光一
「まあ、でも……だからこそ、
気楽に『初診予約』の電話を入れて欲しい。
『自分は病気だから』と考えれば、
そういう医療機関に電話をし受診をする、
その事が少しは気楽に出来ると思うんだ」 |
|
鳴島
「そうですねぇ♪」 |
|
光一
「また、『予約の電話をする』
『メンタルクリニックに行く』というのは、
まさに『行動』、アクションなんだよ。
言いたい事、分かるかな?」 |
|
清香
「つまり、『今の自分を変えたい』
『治したい』意志の表れですよね?」 |
|
光一
「だからこそ、『メンタルクリニック』に行く人は、
『自分は頑張っているんだ』
と、自信を持って良いと思う。
何も恥ずかしい事は無いし、
社会的に負い目を感じる必要も無いんだ」 |
|
鳴島
「じゃあ、今日は…………
『メンタルクリニックの初診までと、その流れ』
それに…………
『メンタルクリニックってどういう場所』
という観点で話をしたと言う事で」 |
|
清香
「ここでも、周囲のサポートが大事だと言う話で」 |
|
光一
「まあ、区切りも良いし、
話の締めにしようかね」 |
|
鳴島
「はーい♪」 |